舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

良いフラ・ダンサーになるための7箇条

2013-11-24 01:56:15 | ダンス話&スタジオM
自称・フラ界のヤドクガエルとしてはついつい毒舌の方が筆が進むもんですから、なんだか毒々しい記事ばかりになりがちなので、たまには良い例の事も書きたいと思います。
もちろん、私の書くモノですから良い例と言いつつも逆説的に悪い例の方向へばかり話がそれるかもしれませんが、そこらへんはご了承のほどを(笑)。


ここで言う「良いダンサー」とは技術的に優れているダンサーとか、才能を持ったダンサーだけではなく、「良い方へ向かっているダンサー」「今後の伸びが期待できるダンサー」も含まれます。
ですから、趣味で踊っている人であっても、フラを始めて1年経っていなくても、誰もが良いダンサーたり得るのです。
これだけ何十年も同じ世界を見ておりますと、そういう良いダンサーがどういう人か自ずと分ってくるもので、じっさい良いダンサーは年々目に見えて成長していくものです。
せっかくフラを踊っているなら、出来るだけ多くの人に良いダンサーになって欲しいという思いを込めて、今日はそこらへんを箇条書きにして解説します。


(1) 向上心を持っている。

これはフラに限らず、趣味でも学業でも仕事でもすべてについていえる事ですね。
どんなものであれ、何かに取り組む時には「より良くなりたい」とか「もっと上手くできるようにしたい」と思って取り組んだ方が充実しますし、成果も上がるものです。
「頑張るとかダサイ」なんて言わないで、せっかくやるなら頑張った方が楽しいですよ。

もちろん趣味であれば、頑張るったってガムシャラにやる必要はありません。
特にフラの場合、向上心を持っている真面目な人ほどその奥深さに早い段階から気づく傾向にあり、それゆえに自分の進歩が大変遅く感じられるものなのですが、教える側から見ていれば、そういう人は確実に進歩しているのがちゃんと見えています。
のんびりペースでいいと思って取り組んでいる人であっても着実に進歩しているわけで、1年ほど過ぎると当初からは考えられないくらい上達していたりするものですから、早々に「自分には才能がない」などと決めつけず、気長に取り組む事が大切です。

「もっと上手に踊れるようになりたい」と考える事それ自体が上達への一歩ですし、その気持を忘れない人なら絶対に上達できます。保証します。


(2) 上達のためには「自分が踊る事」より「見る事」が大切だと知っている。

とりわけフラを始めて最初の段階では、とにかくお手本をよ~く見て(あなたのお手本がお手本に相応しいお手本である事を切に祈ります)、真似する事に努めましょう。
レッスン中は見ているばかりでなく、自分で実際に動いてみる事も大切ですが、家に帰ってからは自主トレよりも「上質なダンサーのお手本を見る」方が上達に繋がります。

フラについて何の予備知識も無い状態でどこかの教室に入った場合は、何が上質か分らないと思いますので、まずはYouTubeなどでハワイのダンサーのフラを観てみましょう。
本屋さんでフラ雑誌を見るとハワイの有名な教室やクムのお名前が調べられますし、それも分らない場合は、「メリーモナーク」で検索する事をお勧めします。
とりあえず最新のメリーモナークのDVDを買ってしまうのもひとつの手ですね。

ちなみに、
わざわざ買う場合は間違っても「教則ビデオ」の類を買わないように気をつけましょう。
そういうモノを出している先生が先生として優れているとは限りません。むしろ優れてない事の方が多い(笑)。
なぜならば、優れた先生ほど教則ビデオでフラを学ぶ事はムリだと知っているからで、まあそういう事実というか現実と懐事情を天秤にかけた結果あくまでも商売として教則ビデオを出してるって先生もいらっしゃるでしょうが、最初っから懐事情のことしか考えずに出してる人もいますので(笑)、盛大なハズレくじを引きたくなければ、手を出さないでおいた方が無難です。
しかも、そのハズレくじの中には「DVD代を損する」という小ハズレから、「とてもフラと呼べないようなひどい代物を本物と思い込まされてしまう」というフラ人生を棒に振るレベルの大ハズレまで大小とり混ざっておりまして大変リスキーです。


(3) 「フラはハワイの踊り」だと知っている。

良識ある愛好家にとっては、なんかもう♪あたりまえ♪あたりまえ♪あたりまえ体操~~♪と歌い出したいような話ですが、この当然の事を当然と思わないダンサーが多いのが、日本のフラ業界のおそろしいところです。

フラがハワイの踊りである以上、すべてのダンサーが目指すべきはハワイのフラであり、「日本人なんだから日本人らしく」なんて発想は有り得ませんし、たとえ自分の先生がハワイアンでなくても、ハワイの人が踊っているのを見た事がないなんてのは言語道断です。
是非ともハワイのフラを出来るだけ沢山観るようにして(もちろん生で観る機会が無ければ映像だっていいのです)、「ハワイらしいフラとはどんなものか」を見極める目を養いましょう。
自分がそれを忠実に再現できるかどうかはさておき、見る目だけなら心がけ次第で1ヶ月でも習得できます。

まず「ハワイらしいフラがどういうものか見極められるようにする」。
次に「自分の踊りをハワイらしいフラに近づけるよう努力する」。
これが出来れば、必ず上達する事間違い無しです。


(4) 量より質が大切。
「上達=レパートリーを増やす事」ではないと知っている。


始めて1年以内なら、「これで何曲覚えた!」というのを励みにしてもいいでしょう。
しかし、入門レベルから次のステップに進むためには、量より質を究める事の方が大切です。
曲数にばかりこだわっているうちは、何年経とうが若葉マークの新人さんです。

もちろん新しいものを覚えるのは楽しいし、レパートリーが増えれば嬉しいものです。何百曲も踊っている私でさえそう思います。
でも、早くゴールに辿り着く事ばかり夢中になっていると、ひとつひとつの動きを美しくするとか、どの動作がどういう意味を持っているか考えるとか、そういう質の部分がおろそかになりがちです。

ステージを観たお客様にダンサーのレパートリー数が分るはずもなく、今そのダンサーが披露している踊りだけで判断されるわけですから、ぜひとも「上手なダンサーね」と思ってもらえるよう、質を高める事を忘れないようにしましょう。


(5) 踊りの動作が丁寧である。

これは(4)と関連した事で、ひとつひとつの動作が丁寧だとそれだけでかなり踊りの質がアップします。
どれほどの初心者であっても丁寧に踊るよう心がける事は必ず出来る事ですので、ぜひこれを念頭に入れて踊りましょう。

同様に、「姿勢を良くする」というのも丁寧に踊る事の一環として心がける事をお勧めします。
姿勢が良くて指先まで神経を行き届いているダンサーは、それだけで美しいダンサーになれるのです。


(6) 自分の現状に満足しない。

何年もキャリアを重ねていくと、人によっては「今の私、もう十分上手いんじゃない?これ以上頑張る必要なくね?」と思う事があるかもしれません。
しかしそう思った時点でアウト。あなたのフラ人生はそこで終わりです。


私はほんの10年前まで自分のフラは下手糞であり、才能が無いのを脳味噌で補って何とかここまでやって来ただけだと思っていました。
なぜなら、それまでの20年近くの間、私の手本は母マミちゃんとメリーモナークの上位入賞者しか無かったからです。
母はあのとおり向上心が服着て踊ってるような人ですし、メリモは今のような親切な全部収録されたDVDなど出ておらず、上位入賞のカホロクーとかパレカさん時代のカムエラとかしか収録されてないビデオしか出ていなかったので、それらから自分の実力を推し量るしかなく、当然劣等感の塊になりました。

しかし、今考えるとあの状況はとても幸せだったと思います。

私が上ばかり見上げてフラに取り組んで来た事は、向上心を養う上でとても役立ちました。
今でも自分が下手糞とまでは言わなくとも(って下手糞が人様に教えたら処刑モノです)、自分はまだまだと思い、ますます精進せねばと思い続けられるのは、あの20年があったからこそだと思っています。

今では当時じゃ信じられないくらいのブームになったお陰で、ネットでも週末のイベントでも無尽蔵にフラが観られるようになり、そういうのを見ていくと下を見ればキリが無いのですが(笑)、そこで敢えて下を見ず(っつーかネタにするに留めてwww)、自分自身はつねに上を見て際限なくそちらを目指していこうという姿勢がとても大切です。


(7) 他人に「アロハの心」を押し付けない。

滅多にフラを精神論で論じない私も、これだけは言っておきたい(笑)。

何だかフラ業界の人は精神論が大好きな人が多く、とくに愛されているのがこの「アロハの心」。
アロハの心をどう解釈するかは人によって色々だと思いますが、まあ博愛精神とか寛大さとか、そういう感じでしょうかね()。

もちろん、自分がアロハの心を持っていると標榜するのはいい。いやホント、良い事だと思いますよマジで。
でもねえ、これを他人様にまで強要するのはいかがなものか。
ソレやっちゃう時点で、もうその人はアロハの心とか持ってないと思う(笑)。


だいたい、アロハの心とか口に出して言っちゃう時点でちょっと違うんだよね。
そもそも本当に寛大な人は、他人に自分の意見を押し付けないものです。
実際に口に出しちゃってる人を見てると、そういう人に限って実はすごく利己的で、自分の損得にこだわる人だったりする。
要するに自分以外の誰かが得したり、自分が不利益を被ったりするのが許せないんだな。
だから黄門様の印籠よろしく「アロハの心」を振りかざすんだとおもう。


そんなわけで、アロハの心っつー日本語は胡散臭いので好まんのだが(笑)、ハワイにいると確かにこれこそがAloha Spiritなんだなあと思う経験が色々あります。
見知らぬ人に親切にしてもらったりね。それも、日本人じゃここまで絶対してくれないだろう、というレベルの親切だったりしますからね。
でもそれってあくまでもSpiritなわけだから、本人の内面から自然と湧き出るものであって、私もそうでありたいとは思うけれど、自分は持っているとわざわざアピールするものではないし、ましてや他人に押し付けるものではない。


この話がなんで良いダンサーに繋がるかというとですね。
「アロハの心」なるモノを他人に押し付けるタイプの人は、まずもって良いダンサーではありません。
そういう人はだいたい自分の踊りにも根拠の無い自信を持っていて、「どう!?私うまいでしょォ」という押し付けがましさタップリの踊りだったりします。
んで、自分の踊りに対して何か言われると「あんたにはアロハの心が無い!!」とキレる(笑)。


フラは確かに内面の性格がにじみ出る踊りで、押し付けがましいタイプの人の踊りは押し付けがましくなり、せっかちな人はそれが踊りに出ちゃうし、自信の無い人はオドオドしてしまいがちです。
なので、自分の性格を顧みると、自ずと自分のフラの改善点も見えてくるかもしれません。

例えば私は生来大変ガサツな性格ですので、十数年前まで非常に繊細さを欠いた踊りを踊っていました。
しかし、自分がガサツである事をよ~く弁えた上で精進した結果、だいぶ丁寧に踊れるようになってきました。
なので、今はガサツな性格は踊りに出てないと思います。技術で補えば、内面の性格(の欠点)がにじみ出てしまうのを何とか出来るという実例です。

性格という点では、たぶん私のプライドの高さは遠慮なく踊りににじみ出まくりだと思いますが、美しいフラにおいて「誇り高さ」は必要不可欠だと思っておりますので、特に直す気はないです(笑)。




以上、私が思いつくところの「良いダンサーの条件」を7つ挙げてみました。
やっぱ案の定毒舌方面に流れがちだよなあ。いくら何でも毒々しすぎだろと思ったところは流石に自粛したんですけどね。「学ぶのをやめたくせに自己満にひたって踊り続けている人」を「すでにゾンビになっているのに気づかずうろうろしている人」に喩えてみたり…って、ここでバラしたらおんなじですね(笑)。
いやホント、冗談抜きで「向上心を失い自己満だけになったフラ」はゾンビと同じで、みっともないのを通り越してグロいからやめた方がいいよ(笑)。


ちなみに、これはダンサー全般を想定して書いたもので、どちらかというと趣味で踊っているダンサーのお話です。
先生だったりプロのダンサーになると、条件がまるで変わります。
今挙げて来たようなのはプロであれば常識中の常識、出来て当然の話ですからね。

なので、今度は【プロ編】を別記事にして書いてみたいと思います。
当然、毒舌度がもりもりと上がりますが気にしないでくださいね~♪

11月19日(火)のつぶやき

2013-11-20 03:11:22 | 徒然話

ディズニー謎解きプログラム応募用問題の答えをツイートしてる人が多発な件(^^; 私ゃ「公式でネタばらししないでって言ってるんだからダメだよ!」とか言うような正義漢じゃないが、それカンニングして応募する人が増えて自分の当選率が下がっちゃうとは発想しないのか?みんないい人だ…



11月18日(月)のつぶやき

2013-11-19 03:09:57 | 徒然話

んもー。発表会の準備で大変な時に半年も前に振り込んだ業者から手違いで未払い請求書を送りつけられて、激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームだ!!!!


…ハッ!!激おこ(以下略)のあまり肝心な事を言い忘れてた。ミッキー誕生日おめでとう~♪ いつもミキ家の混雑っぷりに萎えて行かなくてごめんね!! でもまた行くから許してね~!


どこかの発表会のチラシにデカデカと書かれた「HO'OIKE」の文字…。HO'IKEをHO'OIKEと書かれると、「見せる」を「見るさせる」と言われたみたいなムズ痒さを感じるのだが、他人様なので心の中にそっと仕舞……いきれずツイッターで吐き出してみた(笑)。



11月17日(日)のつぶやき

2013-11-18 03:10:49 | 徒然話

学生時代の夢を見た。明日はテストだから一夜漬けしなきゃならないってのに、肝心の科目がわからない。大慌てで友人にメールして聞くというヒサンな夢であった。30にもなってこんな夢は見たくなかったorz


セルフ分析すると、発表会の準備の期限が迫ってるという焦りが生んだ夢だと思う…ハイ、今日は頑張ります(^^;


ディズニー365に出てる女の子に、ディズニージュニアで子供向け英語番組をやってほしい。是非我が子のお手本にしたいような美しい発音なので。普段の365ではほとんど日本語しか喋ってなくて宝の持ち腐れだあ~。


先日のブログのフラとお色気の関係ネタに使ったガニ股ダンサーのイラストを見て、女児が一言「にてるけど ちょっとちがうね」。望ましい方向に正しく育ってくれているようで何よりだ。


アインシュタインやスティーヴ・ジョブズも……男の子は「育てにくい子」ほどよく伸びる exci.to/1aeaukY

福田 良奈さんがリツイート | RT

育児のかなり初期段階で私も「いい子=親にとって都合のいい子」だと悟った。同時に自分とこのが「いい子」とは真逆の子供である事も…。



千里の道も一歩から

2013-11-18 02:58:37 | ダンス話&スタジオM
千里の道も一歩から。
コレ、私の大好きな言葉です。
頑張らなくちゃならない時に、何よりも励みになるんですね。
かつてテストの一夜漬けをした時、今のように発表会の準備に追われている時、何度この言葉を自分に言い聞かせて乗り越えて来たか分りません。


で、この「千里の道も一歩から」というのは、フラにも大いに当てはまると私は思います。
あたかもキーラウエアで祈りを捧げるように、小さな石をひとつずつ積み重ねていって、じょじょに自分のフラという物が形作られてゆく。
ダンスとしての側面だけ見ると、フラは余分なものを削ぎ落としてゆく「彫刻型」だと私は思っておりますが、フラを見る目、フラとそれを取り巻くハワイ文化全体の知識、そういったものを総合的に見ると、根気強く積み重ねていく作業ではないかという気がします。


といっても、フラが取っ付きにくいかといったら、そんな事は決してありません。
真に大変なのは、イキナリ急な山道を登れと言われてしまうような事でしょう。
その点フラは、何も無いまっさらな地面に一個目の石を置く事から始めるわけですから、誰でも簡単に始められますし、自分のペースで進められるのが魅力です。


ですから、石を積み重ねる作業を大変だと思わないで欲しいのです。
一個ずつの石が小さくてもいい。高い山にしようとも思わなくていい。
なので、どんなにのんびりでも着実に積み上がっていく事を楽しむ気持で、気楽に気長に取り組んでいただきたいのです。

我々指導者は(少なくとも我々スタジオMは)、生徒さんの歩みがのんびりだろうと、休み休み作業していようと全く気にしません。
もちろんどんどん向上しようとするのも良い事だけれど、個人個人のペースというものがありますからね。何も全員揃って必死で駆け上がる必要は無いんです。
間違った方向にだけは行かないように気を配りつつ、皆さんが楽しく積み重ねていくのをお手伝いしたい。そういう思いで日々のレッスンをしております。

そんなわけでウチの生徒さん達に対しては、もし自分がレッスンを休みがちだったり、同じクラスの人に比べて覚えが悪いと自分で思っていたりしても無問題だから、「これが自分のペースだ」と自信を持って取り組んで欲しいと思ってます。
歩みを完全に止める事さえしなければ、どんなにゆっくりでも必ず積み重なっていくものです。







……と、な~んでガラにも無くぽえむみたいな口調で語っちまったかと申しますと。
ついさっき、とあるフィットネスフラ(笑)の解説を見て、ヘタヘタと力が抜けてしまったからなんですね。
あまりにも力が抜けてしまい、いつもの毒舌口調からはほど遠いヌルい言い回しで1,000字近く書いてしまいました。
いやいやいや、書いてある事は100%本当の本音なんですけどね。私ゃ嘘はつけない性分なんで。


フィットネスフラ(笑)なるモノに関しては言ってやりたい事が山のようにあるのでまたの機会に譲りますけれども、今回私がスルーできなかったのは、ソレの開発の経緯ってヤツです。

曰く、「本物のフラは継続するのが難しい。だから一回ポッキリで出来るお手軽な○○○○ハ(※プログラム名)を開発しちゃいましたっ☆(ドヤァ」



オイィィィィィィィィ!!!!!
一回ポッキリで出来るフラがあってたまるかアァァァァァ!!!!!(怒)



「○○○○ハ」の最後の「ハ」は呼吸のhaだとか偉そうに言ってましたが、違うだろ。ため息のハ~だろ。

あ、あのねえ…(ピクピク←怒りで震えている)…フラは積み重ねあってこその踊りなのですよ。
そして、その積み重ねこそが「フラの楽しさ」なのです。

誰も「手編みのセーターを3分で作りたい」なんて思わないでしょ。
なんでわざわざ大変な思いして手編みのセーターを作るのかっていったら、けっきょくは手編みのプロセス自体が楽しいからなんですよ。
手編み作業なんて面倒くせえと思うような人は、最初から編んだりしないで市販品を買うでしょ。

フラだって同じです。
少しずつ積み重ねていくことで深みのあるフラが出来上がっていくわけで、そのプロセスがあるからこそのフラなのです。
肝心なプロセスをすっ飛ばして、お湯を注いで3分みたいな感じで作ったって、それはもはやフラじゃない。
南洋風エアロビだ。


いえ別に、「南洋風エアロビ」を名乗ってくれりゃ何やったって構わないんですよ、ちょうど「ラテンエアロ」という名前のラテンとはほぼ無関係の運動があるのと同じようにね。

迂闊に「フィットネスフラ」みたいに名称に「フラ」と入れたり、「○○○○ハ」みたいにハワイ語の単語を(どんなに簡単な単語であっても…2語構成ですがいずれもすでにウチの2歳児の語彙に入っている語です)みだりに使ったりせず、「これはフラやハワイの文化とは無関係の別物だ」という事をハッキリ示すべきです。


これをお読みになっている方の中には、これからフラを始めたいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、フィットネス要素を取り入れた代物はもはやフラとは別物です
フラの体験代わりにそれをやってみようと思っても、ヘの役にも立たないのでご注意ください。

その辺りを理解した上で、運動と割り切ってやる場合も、「これはフラではない」という事を大前提として弁えておかないと、もし今後ホンモノのフラを知る人と接する機会があったとき、「私フラやっているの!ほらっ!」と披露した事によってあなたの人生の1ページに黒歴史の赤っ恥が発生してしまいます。十分お気をつけください。

件の記事には、「フラ用スカートを穿いて踊ると気分はアロハ~」とか書いてありましたが、そんなの穿いたらまるっきりフラを踊っているような気になってしまいますから、絶対に穿かない方がいいです
もっとこうエアロビに相応しい、ハイレグのレオタードの下に短いスパッツ&テカテカベージュタイツとか、小物使いはレッグウォーマーとパイル地のヘア&リストバンド…って、エアロビのイメージが'80年代で止まっててすみません(笑)。
ともかく「あくまでもこれは運動」と割り切る事が大切です。

本物のフラと南洋風エアロビの両方をやっている方も同様です。
フラと他ジャンルのダンスが全くの別物であり、混合するとヘンテコなものになってしまうのと同じで、全く別のジャンルと考えた方が賢明です。
本物のフラを見分ける「見る目」があれば両方やっても大丈夫です。…たぶん(笑)。


ちなみに、本物のフラにも健康効果はちゃんとありますよ。
私や母マミちゃんがこんな体型なのに一切腰や膝の痛みと無縁なのが良い証拠です(笑)。
その辺りに負担のかからない姿勢や、その周囲の筋肉を鍛える動きが多いからですね。

とはいえ、これは言ってみれば嬉しいオマケとも言うべきモノです。
フラの真髄は学べば学ぶほど美しい世界が見えてくる奥深さにこそあるもの。ぜひ、フラの芸術面での美しさ、文化面でのすばらしさを「本物のフラ」で味わってくださいね。

11月15日(金)のつぶやき

2013-11-16 03:05:18 | 徒然話

発表会の記念品を制作中。今回は久々の書き下ろし新柄だぜぃ!! 素敵で実用的な物を計画しましたので、楽しみにお待ちくださいまし♪



フラにおける「色気」とは?

2013-11-15 03:26:11 | ダンス話&スタジオM
フラを良く知る方ならご存知のとおり、フラというのは世界でも類を見ない色っぽい踊りです。
ハッキリ言ってなまじのベリーダンスよりよほど色気があります。フラほどじゃないとは言え、人生の半分以上ベリーダンスやってる私が言うんだから間違いありません(笑)。

って、ハワイアンズのフラガール達のような露出度高めの若いお姉ちゃん達を指しているわけではありませんよ。
彼女達に色気を感じる人からはちょっと理解されないであろう部分、もっと「踊りそのもの」そして「踊りと一心同体である曲自体」が持っている色っぽさです。


そもそも曲で歌われている内容がスゴいのばっかりだからね(笑)。
渡辺淳一先生に言わせれば「日本人は本来好色だ」そうですが、もしもこれが本当だとすると(それでも先生ほどではないですよとは一言申し上げておきたいけどw)、フラがこれだけ日本で浸透するにあたり、ハワイアンソングの色っぽさも一役買っているのではないかという気がします。
まあ、日本古来の演歌とかお座敷で歌われる系統の唄にもスゴいのが結構ありますから、これはあながち穿った見方ではないかも知れません。


ただし…というより、それだからこそ、フラというのは基本的に動きにおいては色気を前面に出しません
「動きにおいて色気を前面に出しているダンス」といえば、バーレスクダンス辺りがそうといえましょう。これはダンスの性格を考えても当然ですね。
あと、ベリーダンスの一部にもバーレスクダンスと同じ役割を果たして来たジャンルがあり、この傾向があるといえます。
ただ、ベリーダンスはいまでは非常に細分化されているため、世間一般の認識に比べて、「色気を前面に押し出すベリーダンス」は案外ごく一部にすぎないんですけどね。


フラにおける色気はもっとこう、明確な形を取らず、ほのかにどこからともなく匂い立つものでなければなりません。
あからさまに表現してしまうと、乙女や淑女に相応しく無い、下品な代物になってしまいます。

逆に言えば、あなたが乙女でも淑女でもない場合は、あからさまに表現しても大丈夫ですよ(笑)。
例えば男性。メン・オブ・ワイマープナのOBの皆さんがメリモ前夜祭で踊られた曲の中には、例によって例のごとくソッチ系の内容の曲も含まれてまして、それを踊っていらっしゃる時のチンキー・マーホエさんときたらもう、今までに見た事も無いほど楽しそうな笑顔で、本当にあからさまに踊っていらっしゃったのですが(笑)、私はそれを下品とは思わず、とても好意的に拝見しました。
また、カレオ・トリニダッドさんのところのカネは、別に歌詞内容がそれほどスゴイ事を言っていない時でも、アミの際などにいちいち若手イケメンダンサーに明らかに女ウケを狙った踊り方をさせています。

このように、カネダンサーがチャーミングにセクシーに踊る事は、ダンサーの年齢を問わず好ましく観客の眼に映る事が多いです。
そりゃ、色気をあからさまに出さない上品な紳士ダンサーも、私の大好きなところではありますけどね。


そしてクプナの女性!!
最もあからさまに色気を…というよりエロを前面に出す資格があるのは、クプナダンサーだと私は思います。
それも、真面目な踊りはすでに充分なキャリアを積み、有り余るほどの技量を持った女性が、敢えて「しでかす」のこそが最高の贅沢、至高のフラなのでございます。

見出し画像のお方こそはそういう意味でネ申とも崇められるべき存在であり、意味ありげな視線ひとつ、スカートのつまみ方ひとつで観客を熱狂させるこのネ申の領域に達するためには、何度も申しますようにそうとうたっぷりと鍛錬を積まねばなりません。
私なんかじゃまだまだとてもムリ。数十年後にこの領域に達する事を夢見て、今はひたすら真面目路線で精進している段階です。


では、私と同じく今はまだネ申クプナの領域にはほど遠い(=世の中の大多数の)ダンサーが曲に相応しい色気をあからさまでなくさり気なく匂わせるためには、果たしてどうすれば良いか。
正しい例を示すためにはどうしても実際にお見せするしかありませんので、それは現実でのレッスンの機会に譲るとして、ここでは例によって例のごとく悪い例から逆説的に検証する事と致しましょう。

何時も言っておりますように、特定の個人または団体をあげつらうものではない事を、改めてここに明言致します。
これから例示するのはあくまでも架空の人物または団体である事をお含みおきくださいね。




色気を出そうとするあまりイタいものになってしまったフラを私はヒワイアンダンスと呼んでおります。
つまり、そういう呼称が必要になるほど、こういう路線に行ってしまっているイタいフラ・ダンサーが多いという事。
では、ヒワイアンダンサーになる事を回避すべく、彼女らの要素をひとつずつ検証して参りましょう。


(1) 過剰な姿勢によって体型をカーヴィーに見せかけようとする。

自分は美しいと思いたい、または完全に思い込んでいるワヒネダンサーにありがちな傾向です。

また、このテの人は「若い=美しい」「痩せている=美しい」という固定観念に囚われている事も大きな特徴です。
そりゃ現代日本に住んでたらこの価値観が刷り込まれていても不思議じゃないよ、不幸な事にね。
でもフラをやるんだったら、この価値観からは解放された方がいい。これに囚われている限り、とうてい魅力的なダンサーにはなれないし、そもそも何が本当の魅力か分らないままフラ・ダンサーとしての生涯を終える事になるでしょう。

もちろん、若くても痩せていても、美しいダンサーはいます。でも決してイコールじゃないよ。
それだけでダンサーを判断してしまうと、そのダンサーの「フラそのもののセンスや技量」がまったく見えなくなってしまうので、この日本らしい美的感覚は一度捨てた方がよろしいでしょう。


閑話休題。
ケース(1)のヒワイアンダンサーさんは、美の基準を若さやスタイルの良さに求めますので、それを自分の踊りにおいても前面に押し出そうとします。
よって、上図のイラストのようなものが多く見られますね。すなわち、踊っている最中の姿勢において、尻や胸を必要以上に出っぱらかすことで、カーヴィーでセクシーな体型を演出しようと奮闘するわけです。

しかし、そうやって一生懸命セクシーにしようとしている姿からは痛々しさしか漂いません
先程から申し上げているとおり、フラの色気とは内面から匂い立つものですので、体裁ばかりセクシーに取り繕おうとしても、却って本人の色気の無さが露呈されるばかりで痛々しくなるのです。

そもそも、フラにおける美しい姿勢は「リラックスしていながらも真っ直ぐ一本の芯が通っている状態」ですので、尻や胸を突き出せば軸がズレますし、突き出すために要するムダな力が入っている状態も美しくありません。


ちなみに、同じような痛々しいダンサーはベリーダンスの世界にも見られます。
何とかして色っぽくしようとし、踊りの中で一生懸命髪をかきあげてみたりしている姿を見ると、正直見ている方がツライ(笑)。


なんだかねえ、頑張って無理矢理色気を出そうとしているダンサーを見ると、私ゃ化粧して舞台でパフォーマンスするジョンベネちゃんを観た時と同じ痛々しさを感じてしまうんですよ。
彼女の肩を叩いて、そんなに無理しないで、と言いたくなるんだなあ。


教訓。
色気は「カタチ」ではないんです。「ニオイ」なんです。
カタチでしか色気を表現できないのなら、もういっそのこと無理してセクシー路線など狙うのはやめましょう。


(2) 過剰な腰振り。

かの文豪・三島由紀夫氏でさえ『鏡子の家』の文中で「布哇の腰振りダンス」と形容していたくらいですから、フラは腰を振るものだと思い込んでいる人は少なくありません。
しかし、自分がフラをやったのなら、早々にその思い込みは捨てましょう。

フラの腰は「揺らす」のではなく「揺れる」モノ。もっと言うなら、ステップについてくるものでしかありません。

さらに、腰自体を振らないのはもちろんの事、思い通りに動かない腰を、膝やカカトをパコパコする事で誤魔化そうとするなどもってのほかです。
私が言っているのは、やけに日本人が拘泥している「カカトを持ち上げる流派云々」とかそういう話じゃないですよ。どんな流派だろうと、自然にやっていれば何ら問題ないのです。
問題なのは、わざとらしい腰振りや足運びなのですから。


下半身の動作がわざとらしいダンサーは、下半身なだけにヒワイアンダンサーになるおそれが非常に高いです。
そして、尻を振る事にやたらこだわるダンサーは十中八九ヒワイアンダンサーです(笑)。


教訓。
足運びが自然に行えない入門段階においては、腰振りの事などとりあえず考えず、正しい体重移動を行う事と、上半身のムダな動きを抑える事に専念しましょう。
それらの努力が、やがていつか美しくスウェイするヒップをもたらしてくれるはずです。
もちろん、あなたが学んでいるフラがそもそも正しいフラなら、の話ですが。


(3) 服装が可怪しい。


コレ、「可怪しい」にするか「可笑しい」にするかで随分悩みました(笑)。

ヒワイアンダンサーさんはその性質上、露出をやたらに好みます。
1枚目のイラストのように、タヒチアンでもないのにココナッツブラを装着してみたり、ハパハオレフラでもないのにセロファンスカートを着たり、ヘソ出し脚出しの機会を逃さないのはもちろん、一見すると肌の出ていないドレスであっても、必要以上にボディコンシャスだったりします。


まあ、美しいダンサー(日本的な意味で)が着れば一部の男性諸氏の目を悦ばす事が出来るかもしれませんが、悲惨なのは下図のケースです。



脚をできるだけたくさん出したいためか、それとも生地の質および分量をケチっているのか(笑)、充分に脚が開かないほどタイトなスカートに深いスリットが入った代物を着たダンサーがガニ股で踊っている。
もはや悪夢です。

これはいかにドスケベなおっさんでも見せられたくないだろう(笑)。


フラが美しいか否かを決定づける要素として、足運びは結構重要です。
そして、普段パウでしか練習しない人は自分の膝周りの動きがあまり見えず、きょくたんな話自分の脚がどれほど汚い動きをしていようと気づかないという絶望的事態と隣り合わせです。
ましてパウの下にペチコート穿いてるとかもってのほか。そういう人がいきなり舞台でスリットの入ったタイトスカートを穿いて公然猥褻状態が発生したとしても、私は全く驚きません。

そこへもってきて本当に上手な人だと、脚がムダに動く事が無いため、伸縮性の無いタイトなスカートで踊ってもスリットなど入っておらずともスムーズに踊れますし、仮に入っていたとしても、そこから汚い脚がにょっきにょっきと公然猥褻なんて事は決してありません。


そんなわけで、スタジオMではステージ衣装などいろんな服装でレッスンするように、特にパウだけしか着ないという事は絶対にしないようにと、生徒さん達に常日頃からお話ししています。

教室指定のパウがあるとことか…どうしてんだろ…。
舞台で一切スリムなラインのスカートを履かないのかなあ……。


あと服装についてもう1つ。
これは流石になかなか無いだろう、無い事を祈りたいという、衝撃の衣装です。



コ…コレ、某掲示板のディズニーハロウィーン仮装スレでさんざん罵られているミニスカ&エロアレンジのプリンセスコスチュームと同系統の、激安の殿堂発祥のコスチュームじゃないですか
いえ実際に見たのはナースではなく別のコスプレだったんですけれども(教室の特定を避けるため何のコスだったかは言いませぬw)、マジでこういうたぐいのテラテラした素材で露出度の高い超ミニのコスチュームでフラを踊っていて、よりにもよってフラ雑誌にまで載っており、衣装を決めた人物と雑誌に載せた記者双方の品位を激しく疑ったものです。

ちょうどこのナース服で病院の曲(なんだそりゃ)を踊るような感じで、「意味に合わせて衣装を選びましたぁ☆」と雑誌にも書いてあったのですけど、それにしてもねえ……。

こんな格好で人前で踊ったのをフラについて何も知らない人が見たら、フラって昼日中からこんなドン○みたいなコスで踊るわけ?下っ品!!…と誤解してしまうでしょう。
または、ドスケベなおっさんがフラについて困った誤解をし、いかがわしい目的でもって次回以降のイベントに出没してしまうかもしれません(笑)。


そりゃアウアナは何を着たって自由なわけで、曲の意味内容とあわせるためにコスプレじみた格好をしてもいいんですけれども(数年前のメリモでのイカヴェーキウのカネなんて完全なデューク・カハナモクコスプレでしたね、先生方はライフガードでしたしw)やはり「フラ」の看板を背負って人様の前で踊る以上、最低限恥ずかしくない格好をすべきです。
以前言及した練習着みたいな格好に加え、あまりに品のない服装も、同じく厳に慎むべきだと私は思います。


教訓。
若さやスタイルに自信があろうと、無意味な・過度の露出はフラそのものの品位を損ないます。
また、体型や生脚の出る衣装であればあるほど基本は重要ですぞ!

11月14日(木)のつぶやき

2013-11-15 03:01:25 | 徒然話

ももカヒ&ももルア、あるいはリモワのスーツケースの話 goo.gl/zhMABe


光浦さんが『フラガール』好きとは知らなかったなあ。フラにご興味がおありなら、光浦さん大好きな私が喜んでお教えしますわよ。ただ「♪どこにいるの私の恋人よ♪」って歌い出しだけで泣くようだと涙がいくらあっても足りませんが(笑)実際一番多いんじゃないか、この歌い出し…。



ブログランキング参加してみました。クリックして頂けると幸甚の至りです。