あたしにとってUTMFは、完走というより「走破できた」というのが正しいと思う。
相馬選手のように走るのでもなく、石川選手のようにハッピーランでもなく、
山やとランナーの間のような、動き続けること、持久力・耐久力で勝負し、
レースを楽しんでいるからだ。
だから、スピードは速くないw(45時間20分)。
昨年あたりから感じる自分の強みは、後半での山の登りの強さ。
信越五岳でもUTMFでも友人やその場であった方にも指摘されるけど、
登りを走っているわけではなく、歩く行動力が落ちてないからだ。
※そのかわり走れるエリアに入れば、ガーーンと引き離される
それと、我々のような市民トレイルランナーにとって、一番難しいのは、
コンディションとレースのスタートラインに立つ状況を維持できるか。
UTMFは金曜日スタートのため、平日仕事に従事していれば有休をとらなければ
ならないし、また、トレイルだけに集中する生活スタイルはそもそも望めない。
練習だけではうまくいかない要因が一番の難関だと思う。
今回のレースは、モガミックスさんが直前の異動でDNSになり、
逆に直前までDNS確定とのことだったO島さんがスタートラインに立つことができた。
これは、運もあれば、自分の会社や生活の状況もありなんともいえない。
そういう意味で、スタートラインに立てたことだけでも幸運かもしれない。
コンディションについて、理由は書かないが最悪だった。
レース前日、会社の友人から「悲壮感でてますよ」と言われたがそのとおりだ。
だけど完走できた。
途中でリタイアしたいなんて考え浮かばなかった。
これは、トレイルだけでなく、アラフォーな自分にとって「まだまだ!」と断言できる
人生の大きな自信につながっていく。これは大収穫だ。
結果オーライだが、不安はスタートラインに立つギリギリまであった。
校長蚊取り線香さんにレース直前までアドバイスを無理言ってお願いした。
※本当にありがとうございます!
アドバイスの中で実践できて、自分の完走につながったポイントをまとめると、
①100Km以上のレースで前半とばしてもいいことは何もない
特にスタートからA1までの区間は、レーススタートの興奮もあり高速展開が予想される。
浅間神社裏の林道登りでぺースに巻き込まれ足を使ったら天子まで足が持たない。
まわりのペースを気にせず(ただし、関門制限は気にしつつ)自分のペースを守る。
②長い下りは走らない
ここは、A6からA8までの西富士中学までの想定。実際は細かなアップダウンだったが、
下りを走る方が足のダメージは大きい。さらに後半の天子山塊をひかえるなかで、
走りやすい下りを走ることは、天子山塊を越える足に影響が大きい。
関門制限が厳しい67Kすぎてからは、フラットな部分は走り、下りセーブする・
歩く作戦に切り替えた。歩き方をかえて、使う筋肉も分散させた。
③水・食料は前半から必要なくても、しっかりとっていく
胃腸をやられて失速・リタイアをした選手も多かったと聞く。
振動による内臓への影響と食べ物を消化する負担に体力が耐えられなくなるからだ。
ジェルは1H=1個ベースで考えたが、後半、疲れてくればそのペースは乱れる。
それと、ジェルはあくまでエネルギー補助であって、すきっ腹とは別。
しっかり食べられるとき、水もとれるときに、しっかりとる。
特に、後半になればなるほど、眠気もあってアタマがまわらなくなる。
④眠たくてしょうがないときは、誰かに電話する
レース中に選手どおしで話すのも効果ありだが、いまや携帯電話の時代。
必携品としてもってる。今回は、眠気がまさり記憶がとんで混乱したが、
電話で連れと会話し状況がわかり、冷静にレースにリカバーできた。
また、リタイア・・・と思ったときでも、参加者ではなく「待ってくれてる人」に
励まされることは効果覿面だ。
⑤眠たい、疲れたと思ったら気のせいと考える
⑥後半(100K以降)は、疲れて遅いペースでラップを刻むのではなく、
想定より早めのペースに上げる。行動時間が長くなると、かえって疲れが大きい
精神面や行動への影響、距離と時間軸を含めた戦略力が完走のカギをにぎると思う。
単純に走っていればゴールできる=戦術特化では、ゴールできる距離ではない。
完走できた一番の理由は、いままでトレイルを通じて知り合った仲間たち。
このレースで初めて知り合った仲間たち。
完走を信じて帰りを待っている家族だ(家で留守番だけど)
これなくして、UTMFの完走はなかったと思う。
心折れ部のTシャツにある「Alone Together」
その言葉のまんまということだ。
家族と書ききれないくらいのトレイルの仲間と、このトレイルランナーの大イベントに
参加して楽しんだことが、リタイアするなんてまったく考えずに完走できた原動力だ。
それと、我らが「心折れ部」。
UTMF6名/STY7名、サポート隊を組んでの総力戦で望んだレースだった。
そして、全員完走。
UTMFを完走した体験、そして、仲間と過ごしたUTMFという時間・思い出。
人生の宝だ。
※写真は心折れ部より拝借
100マイル走とは、あらゆる条件を考えてプランを立てあげ、まるで本物のプラモデルを組み上げた達成感みたいなもんでしょうか?
考えてすすめましたが、実際にはそのとおり行動できない・しないので(苦笑)
たとえば、子供の国で寝る予定が、暑くて寝てられるか!で次の西富士中を目指したり、下りのはずのコースで
アップダウン激しく想定以上の時間がかかったりと、想定と想定外の両方を楽しんでゴールしたという
感じです。