京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「他言無用」

2020年11月15日 | こんなところ訪ねて
「観光寺院ではない寺で、静かでいいところがある。出口には、他言無用と書いてある。」

この話を伺ったのが今から10年も前になったのを今さらに驚いたが、凡その位置も教えて頂いていたので、見当をつけるようにして出かけたことがあった。けれど門前への道さえわからずに引き返した。秋が来るたびに思い出し、今日、小春日和に誘われて2度目のチャンスと出かけてみた。



道路沿いには住宅が立ち並ぶ。その裏手へ、はいり口がわかりにくいのだ。もう2度と間違えることはないが、ナイショ、ね。
「観光寺院ではなく禅の道場です。しかしながら縁あって来られた方の心を休めるひとときのために、この先も境内を開放していきたい。拝観の宣伝等して頂きませぬよう。…」といった趣旨のことが入り口に書き出されてあった。
さらに拝観のための注意事項を読んで、理解したうえで竹の結界を上げて入山を、と促している。志納のための竹筒も供えられて。






あるがままの姿で、美しい紅葉を見せてくれる境内を拝見。建物はあまり手入れが行き届いていないようだ。だいぶ傷んでいるようだった。使われることがあるのか? それにしては傷みが気になる。石の上、砂利の上だけを歩く。「苔を踏むべからず」。歩けるところは少なかった。
コオロギのような虫の音が静寂の中に響き、上から何かが落ちる音がする。ベンチがあって、日差しを受けて一休みできたのがありがたかった。
だあれもいないのだ。心行くまで時間を過ごして後にした。

近いとはいえ久しぶりの外出をした。今日は良い日だった。


コメント (2)
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