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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 山道の趣

2012年03月25日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
目覚まし時計は5時にセットしたが、朝4時に目が覚めた。「降ってない!」布団に潜ったまましばらくじっと外の気配を窺っていたが静かだった。雨は上がっているらしかった。起き出してみるとなんとも温かだ。やったね~って感じだったなあ。


参加者26名。前回のゴール地点・高原霧の里休憩所で早目のおにぎり弁当をいただき11時45分出発。

 
 
大門王子への道。この辺り、高原集落は宿場町として栄えたという。宿の跡もあったが、一里塚の横に残る廃屋は語り部さんの友人が建てたものだそうだ。民家にあったらしい庭木が巨木に成長していた。片側斜面にはかつて田畑が広がっていたというが、その面影はなく人工林ばかりだ。間引かれた木々は苔蒸している。朱の社殿が見えてきた。定家はこの付近の山中で1泊したそうな。


 
木洩れ日の美しさをしばし感じながら、片側が崖になっている道をただひたすら、一歩一歩登って行くばかりの道が続く。このあたりでも以前には民家があったという。行き倒れになった人を供養したものだというお地蔵さんは、口に小判をくわえているように見える。
山並みを眺める時間もなく通り過ぎる。慌てて撮った写真はピンボケだが、実際目にした山は幾重にも重なる美しさであった。帽子が吹き飛ばされそうな強風は、うっすら汗をかいた身体の芯まで沁みる冷たさだった。



上多和茶屋跡付近に立つ道標に従って、左手から段差の大きな下り道が続く。一気に大坂本王子まで下る。どんどん下る。が、ここからは河原から集めた石で後世に作ったという石畳が敷かれていた。大きな段差をゆっくりと足を下ろすのだが、トレッキングシューズを履いていてもキュッと一瞬滑る。慎重に足の着地場所を求めていかなくてはならない。湧き出る水が石を濡らしている。小さな悲鳴が何度となく響いたが、人の事に関わってもいられず、自分の事だけで精いっぱいの感だ。脇は崖の道、やがて大きな川音を耳にしながら川沿いを下って行く。どんどん下る。写真などとる余裕もなく、大方下を向いて適度な間隔を取りながら前の人に付いて行った。

牛馬童子口、道の駅に出た。ゴールだ。13116歩。疲れた…。「どーもない」と言う人との違いはなんなんだろう…。

 
コメント (9)
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