kyon's日誌

つれづれに・・・

蜩ノ記

2014年01月19日 | 日記
日曜だからなぁ~と寝坊をした。
それを見込んで、昨夜は好きなTVの映画劇場を途中にし早々と布団に入った。
続きを読みたかった。
「蜩ノ記」葉室麟・著。

ホントは少しづつ読んでいたので、昨夜も寝る前に切りのいいところまで、のつもりだった(苦笑)
読まされてしまった感がある。
で、久々に心地好い涙が出た。一杯出た~(^^ゞ
・・・人はそこまで凛としてすがしく生きられるものかと。
真っすぐな人々の其々の生き方に、蜩の記を綴る主人公に、彼を取り巻く家族に、監視役の若侍の変化に。主人公には生の期限を切られているのに。

監視役というからには、主人公は任務を終えたなら切腹をせねばならない運命を背負っている元に、つまらぬ刃傷沙汰の不始末の清算と引き換えに監視役を担った若侍がやって来る。
次第に主人公に魅かれ、その人となりに監視役では無く、どうにかして救いたいという風に変化していく。

元々、人はいつ終わるか分からぬ生を生きている訳だけどねぇ・・。
死を前にした意識の高さが問われているようにも思われる。
自分に真似が出来る事では無いと分かっているが、そんな風に生きられたらどんなに清々していられるだろうかと。
その潔さと一点の曇りも無い覚悟と己の生き方を貫く姿に、武士の世界だからと想像するのは簡単だけど、それだけでない人となりの魅力が引き出されてさ。
その生き方を通して、監視役であるはずの若侍の意識も大きな成長を遂げ・・・
文中でも使われるが、良き種は良き苗が育ち良き花が咲こう・・・という言葉を思い出した。

良き先輩や先人に学ぶ機会に恵まれることの大切さも感じる。
言葉では無く、その生き方に接して見ること感じることが、人を変えていくのよねぇ・・・。

筆者の淡々として静かな文章の運びに心がヒタヒタと侵食されていく気分でね・・・
文章が急いでいない・・・という感じだかな?
置かれた布石が全体の静かさを醸すのが、何だか心地好かったな~・・(^^ゞ

私の眠りは久々に心地好い眠りになった。気持ちが浄化されていくような透明感。
自分のほころびが、何だかちんまくいじましく思われたっけね(^^ゞ

良き読書は良き心を生まれさせる・・・気がする・・・(^^ゞ
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