クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

百年法 上 山田 宗樹著

2013-02-25 04:41:18 | 読書
 人間の寿命を永遠に変えられる技術が開発された。(病気や事故で死亡する可能性はある。)これを受けた者は、その時点から年を取らない。しかし、法律によってその処置から100年が経過した時点で、その生存権をはく奪される。百年法。舞台は、この技術の最初の処置から99年目の日本で、まさに百年法執行をどうするかで政府と国民が揺れている。ここで取られた措置は、国民投票。これによって百年法は否決されてしまう。ここから、更に5年。一人の官僚が、一人の議員を担ぎ、百年法を断行するよう、新たな憲法を策定する。これによって、国家の権限は新設された大統領に集中し、大統領から指名されると、百年法から免除される。ただし、この免除は大統領の裁量一つで復活の可能性が残される。つまり、大統領の独裁。
 この本のテーマは勿論命。永遠の命、永遠の若さを得ると、人間はどうなるのか?やはり、人間らしく生きることは困難である様に思った。また、永遠の命を得るために、更に人間は人間らしさを失ってしまう。読んでいる間も、これらのことを考えさせる。かなり、難しい問題で、簡単には答えは出ない。しかし、命は限りがあるから、美しいのではと思います。

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