改めて観てみた。一人の歌手を夢見る女性のアメリカン・ドリームだけではなく、栄光と挫折、その中に酒とドラッグと言うこの所の社会問題にも目が向けられている。
音楽は、12音階とオクターブの繰り返しで出来ている。限られた組み合わせの中で、なぜ、心をうつ作品が出来上がるのか?また、なぜ浮かんで来なくなるのか?栄光を味わい過ぎると少しの挫折が暗黙の様に感じてしまう様だ。
精神疾患のため2年間入院した主人公。その後、不思議な夢を見る。ある時、押入れの中なら、見慣れない作業服を見つける。この作業服を着ると夢か現実か分からない空間に連れて行かれる。それは、幼い頃に亡くなった若い頃の父親から見た世界。運送会社の総務課長をしている父。作業服のポケットから出て来た、ボンネットの突き出た大きなトラックの鍵。そして、父の愛した女性とその娘と父が巻き込まれる荒波。この光景を見せて父は何を伝えようとしているのか?最後にそれが分かった時、湧き出る様な感動を覚えました。