くみちゃん日記

日本共産党長野市議が
暮らしの中の声と
政治への願いを
ご紹介します。

岡部伊都子さんのこと

2009-07-09 23:00:04 | Weblog
岡部さんの声を録音音声で聞いたのが、数年前。知り合いのKさんがNHKラジオで放送された岡部さんのメッセージをテープに吹き込んでくれ、届けてくれたもの。許婚の彼が出征するときに、自分が背中を押した、その悔いと慙愧をその後の自分の生き方の真ん中において生きてきた女性だった。

出征のとき、「自分はこの戦争は間違っていると思う。天皇陛下のためになんか死ぬのはいやだ。国のためとか、君のためなら、よろこんで死ぬけれど」と言い、自分は男のくせに弱気な人と思ったと語っていた。彼は24歳で沖縄で両足を負傷し、撤退する部隊についてゆけず、自決により戦死。その死の意味を考え、自分を「加害の女」として、戦争を語った人。

「鳴滝日記、道」という本が出版されたことを知り、買い求めた。岡部さんは昨年の4月29日に病死されていた。Kさんも昨年7月に還らぬ人となった。本が好きで部屋一杯の本を処分するが、どうしても処分できない本を引き取ってくれないかと言われ、いただいてきた。自分の病状を正確に把握し、亡き後の整理をつけて旅立った。もう一年になるのか、生きている私は何をしているのだろう。岡部さんの随筆を読みながら、Kさんに感謝して、足元をみつめる。