くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景248 第56景 深川萬年橋 深川神明宮は3年に一度の本祭!

2015年08月14日 22時20分17秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、江東区の深川(ふかがわ)のもう一つの祭りである深川神明宮(ふかがわしんめいぐう?)の例大祭です。今年・平成27年は3年に一度の本祭りです!
 今年・平成27年は、有名の富岡八幡宮(とみおかはちまんぐう)の深川祭りは陰年で、連合神輿渡御の行列の無い代わりに、今年の深川神明宮の例大祭では、町神輿連合渡御の水掛祭りが見れますぞ!!!
(絵画調)

 森下(もりした)四町目の神輿です。

 深川神明宮の例大祭は毎年、8月17日に近い日曜日に行われますが、富岡八幡宮の深川祭りの二ノ宮神輿の渡御と同じ日です。両社の氏子領域は、小名木川(こなきがわ)を境にお隣さんなので、その気になれば、両方見れます!
 今年は、深川神明宮の例大祭は、三年に一度の本祭りは、「宮神輿の巡幸」と「町神輿の勢ぞろい」が行われます。
 期間は8/14(金)~8/16(日)
 8/15(土) :宮神輿の巡幸 (宮神輿は水掛けは無しです)
          8:00出御 ~ 17:00還御 (午前コースと午後コースに分かれます)
 8/16(日) :町神輿の勢ぞろい (盛大に12基の神輿が揃う勇壮な水掛け祭りです) 8:00~13:00


 今回の写真は、前回・平成24年に撮影した写真です。前回は、平成23年の東日本大震災の自粛して、深川祭りの連合神輿渡御も平成24年に行われたのですが、この年は、日程が1週間ずれていたので、両方の町神輿連合渡御が見れるという幸運でした。「くまドン」も百景の撮影のついでに撮影に行きました。

 下の写真が、江東区・高橋にある深川神明宮で、「深川発祥の地」と呼ばれています。

 豊臣秀吉(とよとみひでよし)の小田原征伐の後に、関東(関八州)を治めることになった徳川家康(とくがわいえやす)は、関東の平野部の開発の為に荒川・利根川の治水事業を行います。同時に行徳(ぎょうとく)からの塩を運送の為に、小名木四郎兵衛に命じて、小名木川(こなきがわ)の開削を行います。
 その頃、小名木川の北側の地に、深川八郎右衛門(ふかがわはちろうえもん)という摂津(せっつ、現在の大阪)出身の人が一族をつれて移住してきます。
 まだこの頃の深川は、荒川・利根川の河口部にある砂州(さす)でしたが、深川八郎右衛門達は、土地の開拓を進めて行きます。
 元禄元年に徳川家康が巡視に訪れ、深川八郎右衛門と話をしたことから、この地が「深川」という地名になり、深川八郎右衛門は、深川一帯の二十七ヶ町の名主(なぬし)を務めることになったそうです。

 町神輿は、高森、森下一丁目~五丁目、常盤一丁目~二丁目、新大橋一丁目~三丁目、千歳三丁目の合計12基の連合町神輿です。
 下は、森下二丁目の神輿です。

 江戸時代の森下には、酒井左衛門尉家(酒井 忠次(さかいただつぐ、徳川四天王の一人)の家系)の下屋敷があり、木が森の様に生い茂っている下に町屋があった為、森下と呼ばれたそうです。

 大人の神輿の間に、子供神輿も参加しています。

 下は、森下五丁目の神輿です。


 深川八郎右衛門の屋敷にあった祠(ほこら)が、現在の深川神明宮の場所となっています。
 なお、「神明宮」とは、伊勢神宮(いせじんぐう)の神様を分霊した神社で、深川神明宮は伊勢神宮の内宮・天照大御神の分霊を祀っています。

 下の写真は、高森町会の神輿です。神社の前で、町の神輿を担ぎあげます。
(絵画調)

 「高森」というのは、地名の「高橋」と「森下」の両方の地域を合わせた名前なのか?それとも昔の地名なのか?

 氏子のお嬢さん方も、神社の神様と町の世話役にごあいさつです。
(絵画調)



 常盤二丁目の神輿です。
(絵画調)

 昔の松代町と言う場所に住んでいた人達が、火災で移転になる際に、新しい町名を「松」にちなんで縁起(えんぎ)良く「常盤」と名付けたそうです。
 常磐(ときわ)という言葉は、「とこいわ、永久不変な岩)」のから、永久に変わらない意味に変化し、さらに、「松」のように冬でも緑色のまま不変である常緑樹を指すようになったそうです。
 後方に萬年橋(まんねんばし)が見えます。常盤地区には江戸時代の俳句で有名な松芭蕉(まつおばしょう)の深川芭蕉庵のあった所です。ちょうど、萬年橋の右手前の所に当たります。
 常盤一丁目の神輿です。
(絵画調)

萬年橋の南側は富岡八幡の氏子領域ですから、神輿が萬年橋を渡る事はありません。

 新大橋一丁目の神輿です。この祭り町の水掛けは深川祭と同じくらいすごいですが、別の意味で危険です。
(絵画調)

 なぜなら、神輿を担ぐ姿を撮影したくて、神輿に近づき、神輿の進行の邪魔になりそうな撮影者がいると、カメラを持っていようと、待ってましたとばかりに撮影者に水を掛けてきます!ここでは、撮影者本人やカメラがぬれても、撮影者の自己責任(邪魔した撮影者が悪い)になりますので、ご注意ください。
 幸い、「くまドン」は風景写真出身ですから、余り近づかないで助かりましたが、何も知らないで神輿に近づいて、水を掛けられていた人も何人も見かけています。

 一度だけ、「くまドン」も神輿の間隔が空いたので、神輿の進行方向で下の写真(新大橋二丁目)の撮影をしました。
(絵画調)

 撮影後、まだ神輿が来るまでは距離があるのですが、念のため、早めに退避した所、
 隣の若いお兄さんが、「やる(水を掛けられる)と思った?」と笑って聞いてきました。
 「くまドン」も、一緒に笑いながら、「やっぱり、水を掛けるタイミングを狙っていたか・・・・・(汗)」と思ってました。
 皆さまも、撮影に集中しすぎないように、十分にお気を付けください。
 (この祭りで水を掛けられても、「くまドン」も含めて、誰も責任を負いませんので・・・・)


 下の写真は新大橋三丁目の神輿です。

 江戸時代の新大橋が架けられていたことからついた地名ですが、江戸時代の新大橋は、少し南側にあり、ちょうど芭蕉記念館の付近です。

 一応、説明の補足として、地形図(大雑把な位置で、正確ではありません)を載せておきます。
 「国土地理院ホームページ掲載のデジタル標高地形図画像データ(図名等)を使用しました。」
 下の地図の真中を蛇行して流れる太い川が隅田川(当時の荒川)です。右端を蛇行して流れる川が、江戸時代の中川(なかがわ、江戸時代以前の荒川)です。
 この二つの川の間を東西(左右)に流れている川が小名木川(下の赤線)竪川(上のオレンジ色の線)です。
 
 地図を見て分かりますように、江戸時代に、現在の江東区の内部に運河が縦横(じゅうおう)に造られました。
 隅田川と小名木川竪川、そして、南北(上下)に流れる大横川(黄色の線)に囲まれた領域は、北の墨田区・本所(ほんじょ)エリアと南の江東区・深川のエリアに分かれます。
 北側の墨田区は亀戸天神の氏子領域、南側の江東区が深川神明宮の氏子領域となっています。 左上の赤星印が亀戸天神ある所です。
 唯一の例外が、エリアの西北に位置する墨田区・千歳(ちとせ)地区です。千歳地区の一部が深川神明宮の氏子領域となっているので、深川神明宮の例大祭において、墨田区からは千歳三丁目だけが神輿をだします。
 千歳一丁目と二丁目の神輿は?というと、千歳地区にある江島杉山神社の例大祭で町内を練り歩きます。江島杉山神社は、江ノ島弁財天と元禄時代の鍼灸師(しんきゅうし)・杉山検校を祀る神社です。
 逆に亀戸天神の氏子では無く、例大祭には参加しませんので、当然のことながら、亀戸天神の神幸祭の行列は千歳地区を通過しません。さらに、ややこしい事に、この千歳地区には、隅田川対岸のエリアを氏子とする初音森神社の本社があります。江戸時代の明暦の大火(めいれきのたいか)が焼失後の江戸の町の整備計画が原因で、神社を千歳地区に遷る(うつる)ことになりました。
 なお、深川神明宮の氏子領域の南(下)側は、深川祭りの富岡八幡宮の氏子領域でして、小名木川が境界線になっています。


 前回は、先頭の神輿数基を撮影できなかったので、町神輿12基の写真は揃いませんでした。
 今回は、お盆でも仕事日で撮影にいけませんが・・・・
 すでに、例大祭初日が過ぎてしまいましたで、これで、終わりとさせていただきます。

 過去に作成したブログは、
(1)深川の萬年橋や芭蕉庵については、
 「名所江戸百景054 第56景 深川萬年橋 響け江戸風鈴 泳げ江戸川の金魚」
(2)江戸時代の江東区や深川付近の話は、
 「名所江戸百景021 第68景 深川八幡山ひらき 深川(1)」
 「名所江戸百景022 第68景 深川八幡山ひらき 深川(2)」
 「名所江戸百景023 第68景 深川八幡山ひらき 深川(3)」
 「名所江戸百景024 第69景 深川三十三間堂 深川(4)」
(3)亀戸天神の例大祭と氏子エリアについては、
 「名所江戸百景200 亀戸天神の例大祭(2) 御鳳輦渡御祭」
(4)初音森神社の話は、
 「名所江戸百景057 第59景 両国橋大川ばた 両国橋・柳橋の夜景」

 今回は、これで終わりとさせていただきます。

 次回は、東京オリンピックで東京都が湾岸エリアに新規で建設する海の森水上競技場(ボート、カヌー・スプリント)についてブログを作成中です。深川の祭りのブログを作っていたら、時間がなくなりました。できれば、お盆前に出したかったのですが・・・・・
 お盆中なので、別のブログになるかもしれません。

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