くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景107 第34景 待乳山山谷掘夜景 待乳山聖天の黄葉

2013年11月13日 07時55分21秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、台東区(だいとうく)・浅草(あさくさ)の待乳山聖天(まつちやましょうでん)のイチョウ(銀杏)の黄葉です。
(絵画調)

 現代の東京都心はヒートアイランド現象で周辺より暖かい為、紅葉は遅く、11月後半から12月上旬が紅葉(黄葉)の季節となります。
 特に昨年・平成24年は暖かく、紅葉の進みが遅かったです。今年も、ようやく黄葉の時期になりました。
 ただし、都心は同じような高さでも、場所により紅葉(黄葉)の進み具合がバラバラです。
 待乳山聖天のイチョウが色づくのは、早い方です。
(絵画調)

 待乳山聖天の入り口ですが、現代でも築地塀(つきじべい、泥土をつき固めて作った塀)が残っています。
 まだ、11月20日頃では、黄葉しているイチョウと、青い葉のままのイチョウが混在しています。

 一回、「名所江戸百景013 第90景 猿わか町よるの景 浅草寺と墨田公園の桜」でお見せしましたが、
 下の絵は、広重の名所江戸百景「第34景 待乳山山谷堀夜景」(春景)です。

 この絵は、現在の墨田区の対岸から、隅田川越しに待乳山聖天を望んだ夜景です。
 左右に流れる墨田川の向こうに見える水路が山谷掘(さんやぼり)で、真ん中の樹が茂る小高い丘が待乳山聖天です。
 暗い夜の星空の上に、葉桜(はざくら)がシルエットで描かれています。
 現代でも隅田川に行くと、川岸に桜の木が並んでいます。隅田川の桜は八代将軍・吉宗の命にて植えられ、江戸時代から花見の名所でした。
 手前を歩く女性は、近くの料理屋などで 、夜桜見物の客を相手にした帰りの芸者(げいしゃ)だといわれています。

 待乳山聖天の境内に入ると、さらに一段高い所に本堂があります。
(絵画調)


【待乳山聖天、本龍院(ほんりゅういん)、待乳山は山号】
 浅草寺(せんそうじ)の子院で、聖観音宗(総本山は浅草寺)の寺院、本尊は歓喜天(聖天)・十一面観音です。
 例年1月に「大根まつり」か行われます。浅草名所七福神のうち毘沙門天が祀られています。
 推古天皇9年(西暦601年、なんと聖徳太子の時代です)に、この土地で旱魃(かんばつ、水不足)があり 歓喜天と十一面観音が安置されたと伝えられています。


 待乳山(標高10m)は、東京の最低峰とも呼ばれていますが、かつては周囲が見渡せる山であり、江戸時代には文人墨客がこの地を訪れています。
 現在でも、待乳山は建物に囲まれていますが、境内からスカイツリーを眺めることができすます。
 下のスカイツリーの写真だけ、春先に待乳山聖天から撮影した写真です。


 下の写真のお地蔵さんの近くに歓喜地蔵尊(子育てのお地蔵様)があります。
 歓喜地蔵尊は、数度の火災で、その姿は残していませんが、昔より子育て地蔵として信仰されてきました。


 待乳山聖天は、日本三大聖天の一つです。
 他の一つは奈良県・生駒市(いこまし)の生駒聖天(宝山寺(ほうざんじ))です。
 「三大」という言葉によくある話ですが、残りの一つの聖天は、人によりまちまちです。挙げてみると、
  妻沼聖天(埼玉県熊谷市の歓喜院)、足柄聖天(静岡県小山町の足柄山聖天堂)、
  桑名聖天(三重県桑名市の大福田寺)、豊岡聖天(兵庫県豊岡市の東楽寺)

 関東三大聖天になると、浅草の待乳山聖天と、平井聖天(江戸川区の燈明寺(とうみょうじ))、妻沼聖天(埼玉県熊谷市の歓喜院)となります。

 ちなみに、平井聖天(ひらいしょうてん)は、「名所江戸百景090 平井諏訪神社の大祭・・・・」に載せましたが、
 戻るのが大変ですので、下の写真を新規で乗せます。平井聖天の聖天堂から本堂を見ています。

 左下の幟(のぼり)に、2本の大根を交差させたマークがあります。この大根は、聖天のトレードマークです。
【聖天様と大根、巾着袋(きんちゃくぶくろ)】
 聖天様では、大根は清浄、淡白な味わいのある食物として、しかも、体内の毒素を中和して消化を助ける働きがあるところから、聖天様の「おはたらき」として尊ばれ、聖天様に大根をお供えすることでも有名です。
 そして、「お供えした大根を、おさがりとして頂くことによって、聖天様のお徳をそっくり頂戴し、身体と、心の健康を得ることができる。」という考え方です。
 聖天様では、大根の他に、灯篭(とうろう)の模様となっている巾着袋のデザインをよく見かけます。

 巾着袋は砂金(さきん)袋を表しており、商売繁盛を願って、多くの人が、お供えにやってきます。

 二又大根は根元で引っ付くことから、良縁を成就させ、夫婦和合の神として、浅草観光コースの有名スポットです。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第34景 待乳山山谷掘夜景」に対応する「くまドン板」の景(確定・秋景)とさせていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 後ろの方のイチョウは緑の葉のままですので、少し早いかなぐらいの時でした。


 本堂は、震災と戦災で焼失してしまい、昭和36年に再建された建物です。
 本堂の周りを一周することができます。小さな神社などがあります。
(絵画調)


 もう一つの妻沼聖天の方は、お寺の写真がありませんが、
 「名所江戸百景100 第44景 日本橋通一丁目略図 日本橋・京橋まつり」の時の行列(平成24年)に、
 武州妻沼練り込み囃子(ぶしゅう・めぬま・ねりこみばやし)が参加していました。前回と写真と同じです。


 今回は、これで終わりとさせていただきます。

 次回は、今回の撮影後に行った場所ですが、別の場所での黄葉の話となります。

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