K-POPストリート

1980年代後半から2005年頃までの韓国歌謡アーカイブスを中心に、いい音楽・パフォーマンスと旅行の話題を書きます。

チョン・ソグォンの声

2005-06-17 00:54:05 | 015B (KOREA)
 こんばんは。
 突然ですが、リナ・パーク4集の「生活の発見」(日本盤第1集の「It's gonna be Okay」)に登場する男声コーラスは、チョン・ソグォンに違いありません。10数年たっても、あまり声が変わっていませんね。

 015Bでも、チョン・ソグォンがソロで歌っている曲は数少ないのですが、代表的なものはこの前書いた「4210301」ですね。環境問題を歌った015Bの2集の代表曲です。

 当時、「ネイルン ヌジュリ」(「あした」は遅すぎる)という環境保護コンサートが韓国で毎年開かれていたようで、015Bも参加したことがありました。って見てきたように書いてしまってすみませんです。単にネイルンヌジュリのCDを買っただけです。あ、そういえば「アジアンビート」で015Bの「アジュオレデンヨニンドゥル(永い春の2人)」が流れたとき、使われた映像はこのネイルンヌジュリのライブ映像だったような気がします。

 もう一つ、015Bのアルバムで環境問題を歌った曲として「敵 녹색인생」があります。このタイトル、いまだにどのように翻訳したらよいのかわかりません。「敵 緑色人生」だと何がなんだかわかりませんが、とりあえず直訳しておきます。
 「敵 緑色人生」は、歌詞の内容はさておき、音楽的に見るととても興味深いです。解説を見ると、人間の体から出る音だけで伴奏をしているようです。無伴奏でコーラスを聴かせるのは「ア・カペラ」ですが、この歌ではコーラスはもとより、手拍子、指鳴らし、舌打ち、人差し指を口に入れて頬の内側をはじいて「ぽん」という音を出すことなど‥‥体をいろいろ使って音を出しています。これまた実験的です。客員歌手(名前はあとで調べます)の低音のスキャットが印象的です。

 なんだかまとまりがなくなりましたが、素晴らしい才能の作曲家チョン・ソグォンも、ヴォーカルにはインパクトがあまりないためでしょうか、そのヴォーカルを聴ける作品はほとんどないのでした。
 

015B「5月12日」

2005-05-12 00:17:27 | 015B (KOREA)
 5월12일은 지금은 한사람의 아내가되어 어디에선가 살고있는 그녀를 처음 만난날입니다.
(5月12日は、今はある人の妻となってどこかで生きている彼女に、初めて会った日です。)

 ぼくが韓国ポップスにはまるきっかけとなったのが、015Bの第3集であったことは前にも書きましたが、「5月12日」は、この第3集に収録されています。上の文は、歌詞カードにあった「5月12日」の曲名の説明文です。
 この説明文を訳したとたん、思いっきり感情移入してしまいました。

 客員歌手イ・ジャンウの甘い声に、コーラスのチャン・ピルスンのささやくような声。この曲を聴く誰もが思わず「遠い目」をしてしまうバラードです。

 今日、この文を書くために、韓国ポップスのブログを始めたのかも知れません。

015B第6集

2005-03-08 22:58:28 | 015B (KOREA)
 前回1996年のことについて書きましたが、1996年といえば、015Bが最後のアルバムとなる第6集を発表した年でもあります。
 この第6集は、副題が「farewell to the world」-さよなら世界-とあるように、世紀末を目の前にした時代、というものが色濃く反映されています。

 純粋に音楽としてみると、すばらしいものがあります。たとえば「Airborn」(空中)というインストゥルメンタル。シンセサイザーの演奏で、出だしは軽快なリズムで飛行機が離陸する様子をあらわし、続いて快適な空の旅を思わせる明るいフレーズが続きます。ところが不安をかき立てるリズムが入り、音程も少しずつあがって何かを予感させ、そして‥‥。1分と少しの演奏で、空の旅の恐怖を描き切っています。
 あるいはアジアのメロディーを大きく取り入れたり、美しいピアノのソロがあったり。「コンカッチ」(豆のさや=役立たずのこと)というユーモラスな歌で、客員歌手としてMGRが参加しているのも興味深いですね。(MGRは、イ・スヨンのプロデューサーとして、イ・スヨンの第3集、第4集の大ヒットを生み出しました。)

 それでも、アルバムの中の曲のいくつかに「希望の無さ」「救いの無さ」が--ソテジワアイドゥルの「時代遺憾」もそうですが--感じられます。

 その後、015Bの中心メンバーの一人、チャン・ホイルは「TECHNO GENERATION」という企画盤を出したり、ソロアルバムを発表したことは確認していますが、チョン・ソグォンに関する情報は、実に4年もの間全く得ることができませんでした。
 それでも、チョン・ソグォンが2000年12月に新人歌手のプロデュース活動を始めたという情報をネット上で見つけ、その後チョン・ソグォンは2001年には新人少女歌手「イ・ガヒ」のプロデュースを、そして2002年にはパク・チョンヒョンの第4集のプロデュースをしています。


015B第5集

2005-02-21 01:10:09 | 015B (KOREA)
 チョー・ヨンピルの「おかっぱ頭」の話題が出たとなれば、やはり015B第5集を紹介しなければなりますまい。1994年に発表されたこのアルバムは、リメイク作品が2曲入っていて、制作サイドとしては売れるかどうか冒険、だったことでしょう。
 1曲目は「馬鹿どもの世の中」。攻撃的なアレンジと歌詞ですが、さすがの015Bもソテジワアイドゥルの3集の影響を受けたのかな、と思ってしまいます。
 「馬鹿どもの世の中 本当にいやだ 本物の音楽を聴かせてやる」という歌詞で曲が終わり、すぐ始まる2曲目のイントロ‥‥「悲しき因縁」です。「悲しき因縁」は80年代後半の女性歌手「ナミ(羅美)」の曲をリメイクしたもの。客員歌手キム・ドンギュが歌い上げます。

 当時このナミの「スルプン イニョン」を探しましたが、ナミのカセットテープはすでに無く、かわりにオムニバス盤のはしりともいえる「名作」シリーズ第2集に収録されていましたので入手しました。もっともナミは、この「悲しき因縁」のような歌い上げる曲よりは、ダンス曲が得意だったという情報もありましたが、残念ながら当時のテレビは見ていないので何ともいえません。

 さてもう一つのリメイク、「おかっぱ頭」ですが、イントロのLPレコードのようなノイズや、シンセドラムが80年代の雰囲気を盛り上げます。テンポは早めです。曲の終わりに「Solid」のイ・ジュンがラップを入れています。このラップ、どこの国の言葉だかわからない、といいますかおそらくどこの国の言葉でもないでしょう。「言葉」ではなく「音」と「リズム」でラップの雰囲気を出しているという、まさに究極のラップです。

 015Bの「おかっぱ頭」の方は、1995年の「015Bベストセレクション」にも収録されていますので、おそらく今でもソウルのお店で入手できることでしょう。

015B「歳月のあとすべて捨てて」

2005-02-11 22:57:59 | 015B (KOREA)
 いつものように神話「Winter Story 2004-05」を聴いています。3曲目の「歳月のあとすべて捨てて」のオリジナルは015B。第4集(1993年)収録です。久しぶりに015Bの第4集を引っぱり出して聴いてみました。

♪ すべての時が終わったら 歳月の痕をすべて捨てて このときこの姿で 空の国でまた会おう ‥ ‥ ‥

 オリジナルではヴォーカル(客員歌手)は、「新人類の恋」と同じキム・ドンギュ。ギターのチャン・ホイルのシャウトが印象的です。
 急に、ソウルの街角がフラッシュバックして‥‥あのときぼくはソウルで何を見たのかな‥‥音楽と記憶がリンクしていることってありますよね。まぁぼくのことはさておき。

 015B第4集の、マスコミ権力を批判した歌や、交通戦争を歌ったもの、「最近の若い奴らは(失礼だ)」などの説教ソングもなつかしく思えてきますから不思議です(015Bって説教くさい歌がときどきあるんですよね)。
 画像は015B第4集から引用いたしました。写真左から、キーボードのチョン・ソグォン、ギターのチャン・ホイル、ベースのチョー・ヒョンゴンです。