手稲山麓チッターズ

北海道中彷徨奇譚

魔境・平取奥地2011

2011年05月01日 | 山菜

今年も平取奥地へとやってきた。

平取といっても住所的に日高町であり、日高山脈の裾野に位置している。

ここは言わずと知れたヒグマの牙城であり細心の注意が必要だ。

入山口から遥か上流方面を望むと、思わず身震いしてしまいそうな

何か不気味な様相をかもし出していた・・・・・

今回のメンバーは「そば処・味彩」のゲマタニ社長、類猿人T、そして

ゲマタニ社長のオジキと私の計4名である。

ゲマタニ社長は早朝3:45のフィッシュランドで爆竹7箱を買い占めていた。

彼は過去に手稲山の裏側でヒグマに殺されかけた経緯があるため

山に入るときは誰よりも重装備なのである(ーー;)

AM6:00です。

まず手始めに爆竹100連発を鳴らし入山を開始。

雪解け水の影響で川の水位が思った以上に深く急流と化していた。

ここの地形は川の両サイドが険しいV字地形のため、

雨が降ろうものならあっという間に濁流が押し寄せるのであろう。

その証拠に河原には巨大な流木が至る所に転がっている。

天気予報では曇りのち雨となっていたが、撤収予定時刻の

14:00までならば多分大丈夫だろう・・・。

ヒグマとの遭遇も恐ろしいが雨天時には鉄砲水の警戒にも

細心の注意を払う必要はあるだろう。

画像ではわかり難いですが、かなりの急流で思わず足を掬われそうになります。

入山開始から5分後、ゲマタニ社長が発見した獣道である。

付近にはヒグマやエゾシカの糞が大量に散乱していた。

ここで爆竹着火100連発!4人で交互に熊笛を吹きながら

足早に採取ポイントを目指す。

至る所で土砂崩れの形跡がハンパぢゃないです(悲)

なだれ落ちた土石流や倒木に何度も行く手を阻まれ、

そのたびに山側へ大きく迂回を余儀なくされる。

迂回の最中、上方へ目をやると、今にも崩れ落ちそうな不安定な

巨大岩石群が幾つも確認でき、思わず背中に冷たいものが走る。

もうヒグマどころの騒ぎぢゃないがな!(恐)

どれくらいの時間を歩いたのだろうか・・・

河川には幾つもの支流があって、その支流の両サイドには

いい感じのギョウジャニンニクが群生していた。

よっしゃ!!ワシここで採ったろー!!!ヽ(◎w◎)/

早速支流の急斜面をサンショウウオのようによじ登る。

ここを登りきればギョウジャニンニクの楽園があるに違いない!

しかし・・・・画像からはわかりにくいですが、もの凄い急斜面である。 

こんな沢を上れるのは事実上サンショウウオかザリガニぐらいなモンだろう。

岩にしがみつきながら100m登った地点でいったん休憩・・。

恐る恐る来た道を振り返ると・・・・・あまりの急斜面に思わず足が竦む。

もはや引き返すのは不可能である・・前進あるのみ(涙)

 

散ったーーーーーー!!!!ヾ(;◎"◎;)ノ

なんと・・・垂直の崖にブチ当たりましたわ(悲)

何度粘ってもここを登るのはザリガニでも無理です。

無理して滑落でもしようものなら一気に谷底へ転げ落ちるでしょう。

その後・・・どうやって沢を下ってきたのか良く憶えてません・・・

登って降りた無駄な時間のトータル約1時間・・・

他のメンバーに完全に遅れをとってしまいました(悲)

それからほどなくして採取ポイントに到着。

他のメンバーは既に付近へ散ったらしく誰一人姿が見当たらない。

あちこちで熊笛の音は聞こえます(笑)

笛の音から察するに、皆は険しい斜面の遥か上方に居るようだ。

私は川から10mくらいの地点をトラバースしながらギョウジャニンニクの

群生地を探る。

というか・・・・もう既にあたり一帯が最高級品質のギョウジャニンニクで

ひしめいているではないですか!(笑)

もうワヤです(笑)

山の斜面全てギョウジャで埋め尽くされているといっても過言ではありません。

とても一人で採りきれる量ではないので、葉の開いていない極太のモノだけ

丁寧に選別し、片っ端からカッターで刈り取っていきます。

これくらいのサイズがナイスですよね。

でも、こんなにも下のほうにギョウジャニンニクの楽園があるにもかかわらず

なぜか他のメンバーは200m以上も上の傾斜70度超えの地点を

必死にトラバースしているようです・・・。ここの楽園を見落としたのだろうか(笑)

採取を開始してから、ものの1時間ほどでホームセンターの大型買い物袋

一つ分の採取を完了しました。手当たり次第に採ったのではなく

いいものだけを選別してこの量なんで、自分的にはもう充分な量ですが

他のメンバーが一体どこにいるのか皆目検討がつきません。

とにかくメンバー探しの旅に出ることに・・・(疲)

とりあえず100mほど登ってきましたが、やっぱし傾斜がハンパではなく

木の枝や根っこに摑まりながらでないと真っ逆様に転落してしまうでしょう。

この崩落ポイントで類猿人Tを発見!

しかしその直後に斜面を5mほど滑落しケツを強打していました(悲)

もう少し滑落距離が長ければ一気に下まで転落していたかもしれません。

てな訳で予定通り14:00に終了。

私は結局のところ大型の買い物袋1つ分で採取を完了しましたが

他のメンバーはその倍量といったところでしょうか。

あまり大量に採ると帰ってからの後処理が大変ですしね(笑)

札幌付近でこんなポイントがあれば言うことないんですけどね。

札幌からだと高速を利用してもアプローチに片道2時間以上を要する上に

現地到着し車を降りてから徒歩で1時間程度歩くので、本当に体力勝負

だと思います。しかも斜面の傾斜がハンパでなく色々な危険地点もある為

よほどの覚悟がない限りはここに来るのはやめたほうが無難でしょう。

トラバースの際に「この枝が折れたら100%死亡するだろう」的な

エピソードは沢山ありましたし命の保証なんて到底できません。

今年はもうここに来る機会は無いですが連休中にもう一度古平方面で

ギョウジャニンニクの採取を予定しています。

次のステージはウドの新芽採取ですね。楽しみです(^m^)b