私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

バーント・ノートン Ⅴ 8~12行目

2009-11-27 20:03:14 | 英詩・訳の途中経過
Burnt Norton     T.S.Elliot

        Ⅴ[ll.8-12]

Not the stillness of the violin, while the note lasts,
Not that only, but the co-existence,
Or say that the end prededes the beginning,
And the end and the beginning were always there
Before the beginning and after the end.


バーント・ノートン     T・S・エリオット

        Ⅳ[8-12行目]

ヴィオロンの音はとどまらず 書き記しは永らえ
のみならず けれど共に在る
あるいは果てははじまりに先だち
果てとはじめはつねに在る
はじめに先だつところに 果てののちのところに


 ※8~9行目やや訳に自信なし。何となく意味は分かる…ような気はするのですが。音楽と絵画は対極にある芸術ジャンルですよね。音は世界の一部。「描く」は対象を外から眺める。
 あらゆる表現者は「絵描きタイプ」と「歌い手タイプ」に二分できる……ような気がします。エリオットは極端に「絵描きタイプ」でしょう。ただもう見ている。同化しない。交響曲第九番の某巨匠なども「80%絵描きタイプの作曲家」という感じがします。何か矛盾している気もしますが。