(※ユング心理学をベースに、考えてみました。)
故河合隼雄氏によると、芸術において、自我を超えるはたらきがあって「創作」と言えるのであって、そうでないものは「表現」であるそうです。
つまり、私のような凡人は、いくら似顔絵を描いても、表現をしているわけであって、創作をしているわけではないようなのです。
それは、アーティストと(私のような)絵描きとを大きく隔てる壁だと思います。
けれど、不用意に芸術家のようなことをしようとすると、自我が柔軟(強くではない)でないと、無意識に溺れてしまい、人格崩壊などのリスクが出てくると思われます。
そんな何度も「生まれ変わりのようなこと」をして似顔絵を毎回描いていたのでは、肉体的にも精神的にもちません。
そこで、以下のサイトで(乱暴にソシャクしてしまいますが)「集合的無意識を感じる作品を収集して、その共通項を見つけ理論化する」という趣旨の考え方が書かれていました。
(多くの人々の無意識まで届く表現を生む創作プロセスより)
つまり、全て理性、しっかりとした意識のもとで、表現を行うということです。
可能であるかはわかりませんが、自身が集合的無意識にまで潜ることなく、他者の集合的無意識を感じる作品に触発されて、作品を作るという方法は、リスクが少ないのではないでしょうか。
確かにこれは、借り物で「創作」とは呼べず、芸術でもなく、「表現」にとどまってしまうかもしれませんが、芸術家でない人の健全な描き方だと言えると思います。
※この行為がひきがねとなって、再度人格形成をする運命に追いやられてしまうかもしれませんが…。
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