お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

創造的な似顔絵を描くには?(雑記)

2013-07-07 05:20:18 | 雑記


河合隼雄氏によれば、創造するには、「定立するものと反定立するものとの統合」が必要なようです。
よく、ポストイットにワードを書いて、バラバラにして、その偶然の結合によってアイデアを得ることがありますよね。
それは、意識の中の何も変わらない自分(たち)の世界での創造方法だと思うのです。
その前段階として、自分自身で創造しなければならない、創造的な似顔絵や作品を作りたいときにはどうすればいいか?
意識の中で、反定立するものを統合しようとすると、誤解を恐れず言えば神経症のような症状にみまわれます。
それが、創造的退行と言うそうです。
たしかに、今の自分が溶けていくような、壊れていくような感覚にまで、アイデアを絞り出さないと、ありきたりな作品になってしまっているような気もしますし、反定立で言うと、(自身の投影だと思うのですが)どうしても許せない怒りや、対立する考えなどに出会ったときに、それを批判するのではなく、理解や吸収しようとすると、とてもつらい倦怠感におそわれたりします。
それが、創造的退行なのかは分かりませんが、とにかく意識の中での矛盾を解消しようとしてどうにもならなくなったときに、必然的になると言いますか、陥るような気がします。

さて、その創造には「無意識の統合的シンボル」が必要なようです。
無意識ですから、意図的な努力ではどうにもなりません。
倦怠をなだめながら、意識の中で何度も統合的創造を試み、それがどうしようもないことであると身体や脳に体感されるまで、繰り返さなければなりません。
そうすれば、シンボルが現れ、もしくは現れずとも、心的エネルギーの進行がおきて、創造的な作品ができるのではないでしょうか。

(そのシンボルですが、具体的に言えば、日の丸のように、みなが確信して戦争を引き起こすこともあれば、十字架のように(それも戦争をおこしていますが)心の安定に繋がる場合もあるようです。)

エネルギーの解放などと言ったりしますが、そのためにはエネルギーの退行も必要なのだと思います。
またまた大きな誤解を恐れず言うならば、うつうつとした状態がなければ、創造もできないと思います。
そして、ブレインストーミングのような思考も必要かも知れませんが、その前に自分が変わらなければならないのだと思います。

けれど、そのうつうつとした状態から抜け出れない危険性もあります。そう言う場合は、反定立を批判し、拒絶することで今の自分を保とうとする、嫌な自分のままで居続けなければならないのかも知れません。

創造的な似顔絵(作品)を描くには、明確な反定立を意識的にさらけ出し、その苦痛に耐えるところから始まるのかも知れません。

否定から始まる創作方法には、肯定出来ない方も多いと思いますが、否定は自身の否定に跳ね返り、自身の再形成に伴う創造を生むわけですから、無視出来ない創作方法だと思います。

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