都会の風（自由詩）

都会の風

誰もいないだだっ広い河原に行くと

風が体を押してくる

耳を澄ませば

叫びであったり

歓声であったりする

そこには自然との対話がある


都会の風は残酷すぎるのだ

電車に閉じ込められ

耳を澄ませば

嘲笑であったり

愚痴であったり

醜い言葉であふれかえっている


そして

私は耳をふさぐ


風の歌は聴こえない




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似顔絵（似顔絵詩）

似顔絵

隣人から雑誌を借りて

片っ端から似顔絵を描いた

似顔絵を描いてあげると

一杯のコーヒースティックがもらえた

メールも出来ずに、仕事仲間を失った

15分の外出のときには

雑誌を買おうかお菓子を買おうかで悩んだ

１時間の外出のときには

走ってカラオケ店にも行った

そんな不自由な暮らしが

似顔絵のお陰で明るくなった

似顔絵とは本来は楽しいものだ

けれど

それ以上を求めると

苦しみも味わなければならない

のかもしれない




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位（自由詩）

位

人間には位はあるのだろうか

天使や悪魔にもあるのなら

その中間が人間なのだろうか

それともドン底なのだろうか

人間にも位はあるのだろうか




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