ムネオ日記
2009年7月8日(水)
衛星放送を観ていると、静岡知事選挙での与党推薦候補の敗北を受け、都議選後の政局、解散に向け、様々な動きが自民党内で見られていると報じられている。選挙が間違いなく2ヶ月以内には行われる。何となく落ち着かない今回のビザなし交流による北方四島訪問であるが、政治家は与えられた環境でベストを尽くし、目的、目標に向かって信念を持って突き進むことが重要である。
日ロ関係の強化、発展は、政治家鈴木宗男のライフワークである。逆にこの時期に訪問できた巡り合わせを多としたい。
昨夜21時、国後島古釜布を出港し、択捉島に向かう。波も穏やかで、いつもは揺れる国後水道通過も、今回は目が覚めなかった。
予定どおり択捉島に着いたが、迎えの艀(はしけ)が到着しない。3時間遅れでの上陸となった。
根室を出た段階で事務局から「今回のビザなし交流につき、国後島は受け入れるが、択捉の地区長は改正北特法(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律)の成立を受け、ビザなし交流はしないと言っている。サハリン州からも今回のビザなし交流は受け入れられないと言ってきた」との話があり、外務省を通じ、ロシア側に打ち返しをしているとのことだった。国後島ではコーワリ地区長が言葉を選びながらも、北特法について不快感を表明していた。
昨日のうちに択捉島も受け入れを決定したと事務局から報告があったが、艀(はしけ)の遅れは何か思わせぶりで、択捉行政府の対応に関心を持って上陸した。
ラズミシキン・クリル地区長は冒頭から「ロシア固有の領土クリルにようこそ」と言ってきた。そして「艀(はしけ)が遅れたのは漁の最盛期で船が一隻しかなかったからで、申し訳ない。政治的意図と思わないで下さい」と続け、更に「まず最初に言っておきたいことがある。2009年7月3日可決された法案に、『北方四島は日本固有の領土』と書かれている。隣人の土地を横取りすることはしないで下さい。行政府を代表して抗議する。このことはサミットにも届いている。今後のビザなし交流については、この正しくない法案を取り消さないと受け入れない。そして私達の土地に入ったら、私達のルールに従ってほしい」と、極めて無礼な挨拶であった。
これを受けて、今回の我が方の団長が型通りの挨拶をされたので、私は黙っている訳にもいかず、ラズミシキン地区長に対し、「私からも伝えたいことがある」と言い、次の発言をした。
「北特法は地域振興法だ。法律の中身を良く理解して、神経質な、また、間違った受け止めをしないで戴きたい。北方四島は日ロの最高首脳が未解決の係争地域として認めており、島の名前を挙げ、法と正義に基づき、過去の全ての宣言、声明、首脳会談等の決定に基づき、この問題を解決することになっている。共産主義ソ連時代は『領土問題なし』とソ連は言ってきたが、自由と民主のロシアになり、『これはスターリンの残滓(ざんし)だ』とまで当時のエリツィン大統領は述べられた。このことはプーチン前大統領、今のメドベージェフ大統領へと引き継がれ、明日のイタリアサミットでの首脳会談でも、当然話し合われるのだ」と言わせてもらう。
話の後、儀礼的に「ありがとうございます」と言うと、「何がありがたいのか」とラズミシキン地区長が言うので、私は「話をする機会を与えてもらったことに謝意を表したものだ。あなたの言っていることが間違っているから、正しく理解してもらうため、私は話したのだ。このビザなし交流は日ロの政府間で決めたことであり、友好、信頼関係の構築に大きな役割を果たしてきた。この北方四島は、アイヌ民族が先住民族であり、アイヌ民族は日本国民である。この厳粛な歴史の事実もしっかりわかってほしい。
私は誰よりも日ロ関係の発展、信頼関係醸成のために努力してきたという自負がある。日本の名誉と尊厳もあるが、私はロシアの名誉と尊厳も尊重している政治家だ。あなたの発言で、日ロ関係、ビザなし交流がおかしくなることがあってはならない。その点をきちんと伝えたのだ」と敢えて反論しておいた。
国後と比べ、択捉は温度差があると感じた、ラズミシキン地区長の態度であった。択捉でも、ムネオ節をちょっぴり効かせておいた。
今日ホームビジットした先では、「島が日本に返ってもあなたが共生を希望するなら、日本は尊重するという決定を、既に17年前にしていますよ」と話をすると、納得してくれた。明日も島民の皆さんの意識を少しでも聞いて、今後の活動の参考にしていきたい。
◎
本日提出した質問主意書4件
・
№438 外務省が作成したいわゆる「国会議員への対応マニュアル」の同省における取り扱いに関する質問主意書
・
№439 キルギス国会において一九九九年に同国で発生した日本人誘拐事件の際に身代金が支払われたとの証言がなされた件に関する質問主意書
・
№440 外務省における同省職員が公務出張に際して取得したマイレージの取り扱い等に関する再質問主意書
・
№441 村田良平元外務事務次官が一九六〇年の日米安全保障条約改定時のいわゆる「核持ち込み密約」の存在を認めた件に関する再質問主意書
※ 質問主意書の内容は下記の衆議院HPでご覧頂けます。
衆議院ホームページ
鈴 木 宗 男
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新党 大地
鈴木宗男 オフィシャルページ
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2009年7月8日(水)
衛星放送を観ていると、静岡知事選挙での与党推薦候補の敗北を受け、都議選後の政局、解散に向け、様々な動きが自民党内で見られていると報じられている。選挙が間違いなく2ヶ月以内には行われる。何となく落ち着かない今回のビザなし交流による北方四島訪問であるが、政治家は与えられた環境でベストを尽くし、目的、目標に向かって信念を持って突き進むことが重要である。
日ロ関係の強化、発展は、政治家鈴木宗男のライフワークである。逆にこの時期に訪問できた巡り合わせを多としたい。
昨夜21時、国後島古釜布を出港し、択捉島に向かう。波も穏やかで、いつもは揺れる国後水道通過も、今回は目が覚めなかった。
予定どおり択捉島に着いたが、迎えの艀(はしけ)が到着しない。3時間遅れでの上陸となった。
根室を出た段階で事務局から「今回のビザなし交流につき、国後島は受け入れるが、択捉の地区長は改正北特法(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律)の成立を受け、ビザなし交流はしないと言っている。サハリン州からも今回のビザなし交流は受け入れられないと言ってきた」との話があり、外務省を通じ、ロシア側に打ち返しをしているとのことだった。国後島ではコーワリ地区長が言葉を選びながらも、北特法について不快感を表明していた。
昨日のうちに択捉島も受け入れを決定したと事務局から報告があったが、艀(はしけ)の遅れは何か思わせぶりで、択捉行政府の対応に関心を持って上陸した。
ラズミシキン・クリル地区長は冒頭から「ロシア固有の領土クリルにようこそ」と言ってきた。そして「艀(はしけ)が遅れたのは漁の最盛期で船が一隻しかなかったからで、申し訳ない。政治的意図と思わないで下さい」と続け、更に「まず最初に言っておきたいことがある。2009年7月3日可決された法案に、『北方四島は日本固有の領土』と書かれている。隣人の土地を横取りすることはしないで下さい。行政府を代表して抗議する。このことはサミットにも届いている。今後のビザなし交流については、この正しくない法案を取り消さないと受け入れない。そして私達の土地に入ったら、私達のルールに従ってほしい」と、極めて無礼な挨拶であった。
これを受けて、今回の我が方の団長が型通りの挨拶をされたので、私は黙っている訳にもいかず、ラズミシキン地区長に対し、「私からも伝えたいことがある」と言い、次の発言をした。
「北特法は地域振興法だ。法律の中身を良く理解して、神経質な、また、間違った受け止めをしないで戴きたい。北方四島は日ロの最高首脳が未解決の係争地域として認めており、島の名前を挙げ、法と正義に基づき、過去の全ての宣言、声明、首脳会談等の決定に基づき、この問題を解決することになっている。共産主義ソ連時代は『領土問題なし』とソ連は言ってきたが、自由と民主のロシアになり、『これはスターリンの残滓(ざんし)だ』とまで当時のエリツィン大統領は述べられた。このことはプーチン前大統領、今のメドベージェフ大統領へと引き継がれ、明日のイタリアサミットでの首脳会談でも、当然話し合われるのだ」と言わせてもらう。
話の後、儀礼的に「ありがとうございます」と言うと、「何がありがたいのか」とラズミシキン地区長が言うので、私は「話をする機会を与えてもらったことに謝意を表したものだ。あなたの言っていることが間違っているから、正しく理解してもらうため、私は話したのだ。このビザなし交流は日ロの政府間で決めたことであり、友好、信頼関係の構築に大きな役割を果たしてきた。この北方四島は、アイヌ民族が先住民族であり、アイヌ民族は日本国民である。この厳粛な歴史の事実もしっかりわかってほしい。
私は誰よりも日ロ関係の発展、信頼関係醸成のために努力してきたという自負がある。日本の名誉と尊厳もあるが、私はロシアの名誉と尊厳も尊重している政治家だ。あなたの発言で、日ロ関係、ビザなし交流がおかしくなることがあってはならない。その点をきちんと伝えたのだ」と敢えて反論しておいた。
国後と比べ、択捉は温度差があると感じた、ラズミシキン地区長の態度であった。択捉でも、ムネオ節をちょっぴり効かせておいた。
今日ホームビジットした先では、「島が日本に返ってもあなたが共生を希望するなら、日本は尊重するという決定を、既に17年前にしていますよ」と話をすると、納得してくれた。明日も島民の皆さんの意識を少しでも聞いて、今後の活動の参考にしていきたい。
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本日提出した質問主意書4件
・
№438 外務省が作成したいわゆる「国会議員への対応マニュアル」の同省における取り扱いに関する質問主意書
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№439 キルギス国会において一九九九年に同国で発生した日本人誘拐事件の際に身代金が支払われたとの証言がなされた件に関する質問主意書
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№440 外務省における同省職員が公務出張に際して取得したマイレージの取り扱い等に関する再質問主意書
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№441 村田良平元外務事務次官が一九六〇年の日米安全保障条約改定時のいわゆる「核持ち込み密約」の存在を認めた件に関する再質問主意書
※ 質問主意書の内容は下記の衆議院HPでご覧頂けます。
衆議院ホームページ
鈴 木 宗 男
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新党 大地
鈴木宗男 オフィシャルページ
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