宗男日記から

ムネオ日記
２００８年６月３０日（月）
　メキシコの国会議員が５名ほど来てくれる。少数民族出身の下院議員の皆さんで、委員数４０名からなる少数民族委員会のメンバーである。明日から北海道で開かれるアイヌ民族主催の世界少数民族サミットに出席するための来日である。
　メキシコでも６月６日のアイヌ民族を先住民族とすることを求めた国会決議は大きなニュースになったそうで、「日本も我々と同じ認識に立ったことを大変嬉しく思った」と話して下さった。
　アイヌ民族の権利の確立を考える議員の会を立ち上げた時を想い出しながら、まさにグローバルスタンダードに立った価値観を実現できたことは、改めて画期的なことであった。札幌でもお会いすることを約束してお別れする。
　中国貴州省で１５歳の少女が殺害された件につき、地元警察の捜査に不信、不満がつのって数万人規模の暴動が起きていると報道されている。４０日後に迫った北京オリンピックを控え、中国も様々な問題を抱えている。情報の公開、透明性の確保を図ることが一番である。
　今回の事件も一部特権階級に対する反発である。国民を騙し、欺くことは断じてあってはならない。何も中国だけではなく、世界のどこにでも通用することである。国民の目を軽く見てはいけないと考える。
　松山千春さんも一息つける様になったと聞き、安堵する。マネージャーの井上さんとは毎日連絡を取っているが、井上さんの声も５日前とは随分違ってきた。ホッとしながらも、しっかり体をチェックして、これから先に備えてほしい。
鈴 木 宗 男
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宗男日記から

ムネオ日記
２００８年６月２９日（日）
　10時過ぎの新幹線で静岡県掛川に行き、車で袋井(ふくろい)市に入り13時半から袋井(ふくろい)青年会議所シニアクラブ主催の記念講演の講師を務める。袋井青年会議所が今年40周年を迎え、それを記念してOBの皆さんの企画だが、大雨の中大勢の人が集まって下さる。日本青年会議所は1971年から北方領土返還促進運動を推進してきておりシニアの皆さんが是非とも北方領土返還について話をしていただきたいとの事で私に声がかかった。
　橋本・小渕・森政権までは日露関係は極めて良好だったが小泉政権・田中外相になってからグチャグチャになった事を具体的に例をあげて話させていただく。外交は積み重ねであり、信頼が必要だ。田中外相が誕生してからの日露関係、更には川口外相になっても進展がなかった事を、時系列的に話をしたところ出席者は良く理解してくれた。
　質問の時間で出席者から『「金正男」なる者が来たのに、田中外相はやすやすとご丁寧に外務省の職員までつけて送り届けるとは、これだけでも外相失格だ』との厳しい意見があった。もう8年前の出来事だが、国民はよく見ていると思った。
　今日は根室市でも11時から「北方領土返還要求根室市民大会」が開かれ、私も案内を戴いたが袋井青年会議所シニアクラブとは今年の2月に今回の講演を依頼されていたので、私は予定通り約束を優先させていただいた。
　根室市での大会では内閣府副大臣の挨拶の際、今の政治に対し厳しいヤジ批判があったと代理出席した秘書から連絡が入る。昨日のムネオ日記で触れた支庁再編問題に切り捨てられた根室市民の怒りは当然である。この会合に高橋知事が出席できないだけでも何の為の北海道知事かといいたい。
　段々と国民も今の格差の拡がった弱肉強食の新自由主義の政治に「これでは危ない」流れを変えなければとの気運が高まっていくことだろう。
　1973年からの第一次石油危機の後、不況とインフレの二重苦に悩んだアメリカ経済を指したスタグフレーションがこれから日本経済をおかしくするのではと私は今から危機感を持っている。原油高、物価高、失業、不況の嵐を心配してやまない。
　NHKの日曜討論でも財務大臣は楽観論者的物言いだったがそれでよいのだろうか、改めてスタグフレーションをお互い考えていきたいものである。
鈴 木 宗 男
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宗男日記から

ムネオ日記
２００８年６月２８日（土）
　北海道議会は14支庁の再編、縮小を自民党・公明党の賛成で知事提案通りで成立した。明治43年にできた14支庁体制を九つの総合振興局と五つの振興局に分けるそうだが、五つの振興局は今の支庁から格下げ二軍扱いである。
　根室支庁は北方領土を抱え、まだ国境が画定していない係争地区である。北方領土問題解決のメドがつくまで、なぜ政治の光をあてないのか、留萌支庁も桧山支庁も離島を抱え、政治を必要とする地域である。北方領土問題を抱え、離島のある、これら地区は道内でも一番経済的に将来的に厳しい地域で、格上げするなら良いが、格下げは更に地域を疲弊させる。
官僚出身の高橋知事の上から力で押さえつけるやり方は、必ず次の選挙に影響することだろう。
　自民党、公明党の道議会議員も選挙で北海道民が、賢明な判断をする事を今から心しておいた方が良い。支庁制度見直しをするというのなら、明治時代にできた今の14支庁の線引きを抜本的に改めて、新たな支庁案をつくり問題提起するのが真っ当ではないのか。「知事も知事なら、道議会議員も道議会議員だ」という声が多数寄せられる。
　昨日私はスタグフレーション（インフレーションとスタグネーションを結び付けた言葉）にふれたが北海道経済が全国で一番景気の悪い地域である。不況と原油高騰による物価高は今から三十五年前の第一次石油危機のあとの状況と似ているし、似てくる。スタグフレーションの流れを的確に読んで対処しなくてならない。
国会は終了しても政治家は気を抜かず、緊張感を持って国民の目線に立たなくてはいけないと思う。スタグフレーションはデフレよりももっと悪い状態になることを知らなくてはいけない。
　10時から小樽のドリームビーチのオープン式典があったが札幌市でお世話になった方の告別式があり、そちらに参列する。札幌事務所でお客さん対応し、午後の列車で帯広に向い、17時から私が関係する団体の懇親会に出席、20時20分帯広空港発で上京、明日は静岡県袋井市(ふくろいし)の青年会議所例会で講演をすることになっている。
　千春さんのマネージャーと連絡をとりながら、変わりないとのことで、今日もひとまずホッとする。
鈴 木 宗 男
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宗男日記から

ムネオ日記
２００８年６月２７日（金）
　アメリカが北朝鮮に対するテロ指定を解除したが、核申告の検証はきっちりとなされなくてはならない。日本にとっては拉致問題がある。核と拉致、この二つをしっかり解決していくことが最重要である。
　アメリカ、中国、韓国の協力も大事だが、私はかねてから、ソ連時代からの歴史的関係から見て、対北朝鮮にはロシアカードを使うべきであると主張してきた。しかし、外務官僚がロシアにどんな協力、仲介を依頼してきたのかが見えてこない。戦略・戦術なき外交では、袋小路に陥(おちい)るだけである。
　齋木昭隆アジア大洋州局長が就任してから、それなりに顔の見える外交になっているので、期待していきたい。
　１３時半より千葉県市原市の市原商工会議所で「日本の政局と経済動向」というテーマで講演。新自由主義、格差の拡がる政治では、国民のやる気がなくなり、国力が落ちてしまう。公平配分、敗者復活が出来る政治が必要だと、持論を述べさせて戴く。
　原油価格高騰により、現在インフレーションが進んでいる。同時に、景気が低迷するスタグネーション状態にもなりつつある。いわゆるスタグフレーションである。このスタグフレーションになることを私は今から心配している。
　大勢の人が来て下さり、中には足寄出身の先輩、後輩も来てくれていた。「千春さんは大丈夫ですか」「心配しています」「全快を祈っています」等々、声を戴く。有難いことだと思いながらも、千春のことが頭から離れない。
　マネージャーからは「変わったことはない」と聞いている。しばらくは様子を見守るしかない。
「市原商工会議所講演①」
「市原商工会議所講演②」
鈴 木 宗 男
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宗男日記から

ムネオ日記
２００８年６月２６日（木）
　朝早くに、松山千春さんの井上元マネージャーから、「松山さんが救急車に運ばれ、狭心症で入院しました」と連絡を受ける。「命に別状はないのか」と、私がビックリしながら尋ねると、「大丈夫です。心配いりません」とのことで、まずはホッとする。
　７月８日の故郷足寄町の開基１００年にあわせたコンサートも含め、春の日程は全て取りやめるとのことだ。２１日の鹿児島市でのコンサートに、私もちょうど鹿児島にいたので駆け付けた。その時も少し疲れている感じだったので「チー、体大丈夫か」と聞くと、「うん、頑張っている」という返事だったが、やはり元気がなかった。
　デビュー以来走りっぱなしのチーだったので、ここは天の配剤だと思ってゆっくりすることだ。神様が与えてくれた自分の時間だと思って、しばらく休むことが一番だ。
　「生きていればいいことがある」「生きていれば逆転もある」と、いつもチーに励まされてきた私である。体調不良と聞いて他人事でない驚きを感じながら、一日も早い全快を待ちたい。
　朝から「捨て石」と「２０２０年の遺言」、「大空と大地の中で」を車の中で聴き、「チー、ゆっくりすれ。のんびりしろ。心配ないぞ」と、独り言を言いながら過ごす。
　松山千春は私にとってかけがえのない「心友」である。「心友」の出来事は私の出来事である。かわれるものならかわってやりたいとつくづく思いながら、なんとなく仕事が手につかない一日であった。
　一日も早いカムバックを待ちたい。
「捨て石」
だから私は　歌い続ける
どこで生きようと　どこで死のうと
抱いて下さい　情けあるなら
やがてこの世の　捨石になる
涙ひとつこぼれたら　それが私の全てです
まばたきさえも出来ません　何もかもが愛しくて
だから私は　歌い続ける
どこで生きようと　どこで死のうと
抱いて下さい　情けあるなら
やがてこの世の　捨石になる
昇り沈む太陽に　月と星が逃げ隠れ
春が夏を呼ぶように　秋が冬を誘います
だから私は　歌い続ける
どこで生きようと　どこで死のうと
意地もあります　夢もあります
抱いて下さい　捨石になる
だから私は　歌い続ける
どこで生きようと　どこで死のうと
「２０２０年の遺言」
２０２０年まで　自分が生きていられるかどうかは分かりません
しかし娘は家庭を持って幸せに暮らしている事と思います
矢川ちゃん、上木ちゃん、
特に浜地さんはとんでもなく元気な事と思います
浅田さん、上杉さん、鈴木さんも　お変わり無い事と信じております
良太、亀井、洋、今が一番大切な時期だと思うよ
今頑張らなくて　いつ頑張るんだ
遊ぶにしても中途半端はいかんよ　中途半端は
（歌）空よ　いつでも僕を見てたね　何も誇れるものは無いけど
自由に　自由に　生きていたよね
伸次郎、高山、杉岡、いつも迷惑ばかりかけてたよな
鈴置、Ａ作、よくも俺を保証人にして金借りてくれたよな
桑原、室田、宮垣、サブ、コンサートで全国廻れて良かったよ
おおくの人にめぐり逢えたし　忘れられない　忘れられないよ
竹田さん　いいですか　一体俺のどこが良かったんですか　教えて下さい
そして竹田さん俺　間違った歌　歌ってないですよね
（歌）空よ　いつでも僕を見てたね　何も誇れるものは無いけど
自由に　自由に　生きていたよね
２０２０年まで自分が生きていられるかどうかは分かりません
でもみんな元気で面白おかしく自分らしく生きて下さい
おっ　それからマネージャーの元　残った俺の女房の事　頼むよな
何せ　あいつは俺より　１つ年上だからな
（歌）空よ　いつでも僕を見てたね　何も誇れるものは無いけど
自由に　自由に　生きて　いたよね
自由に　自由に　生きて　いたよね
「大空と大地の中で」
果てしない大空と　広い大地のその中で
いつの日か　幸せを　自分の腕でつかむよう
歩き出そう　明日の日に
振り返るには　まだ若い
吹きすさぶ　北風に
とばされぬよう　とばぬよう
こごえた両手に　息を吹きかけて
しばれた体を　あたためて
生きる事が　つらいとか
苦しいだとか　いう前に
野に育つ花ならば　力の限り生きてやれ
こごえた両手に　息を吹きかけて
しばれた体を　あたためて
生きる事が　つらいとか
苦しいだとか　いう前に
野に育つ花ならば　力の限り生きてやれ
こごえた両手に　息を吹きかけて
しばれた体を　あたためて
果てしない大空と　広い大地のその中で
いつの日か　幸せを　自分の腕でつかむよう
自分の腕でつかむよう
鈴 木 宗 男
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