今週日曜日の朝、当地では限りなく澄みわたった青空が広がった。夜明けに少しばかりの雪が降ったためかもしれない。理由はともかく、遠望派にとって願ってもないチャンスが到来した。このようなとき、夕焼けハイカーが真っ先に向かう展望台は、自宅から歩いて数十分の近場の低山である(300 m)。
尾根には東屋が建てられている。東屋は展望台のみならず尾根に吹き上がってくる風からの逃げ場である。このときは冷たい北風が強く吹いていた。奥に見える雪山は富士山(左)と八ヶ岳連峰(右)だ。
東屋にはベランダが付いている。八ヶ岳連峰と浅間山を一望する。
ベランダで眺める富士山、八ヶ岳連峰、そして浅間山。これらの山々は視点から100 km以上も離れている。市街地は桐生市、みどり市、伊勢崎市、前橋市、高崎市などである。
展望の開放感を味わいながらのティータイムと、ときには優雅な気分になりたいが、あまりに風が強かった。まあ、これは来月になってからの楽しみにしておこう。
画面において、左から、八ヶ岳連峰、浅間山、そして市街地内の山々である。余談ながら、これらの山々(例えば、吾妻山(480 m)に登る人々は多い。画面左のビルは国立大学のものであり、そばを流れる川は桐生川である。
赤岳(2900 m)から蓼科山に至る連峰(南八ヶ岳と北八ヶ岳、長野県)をクローズアップする。これほどまでに連峰がはっきりと見えるとは! 尾根での褒美はありがたい。
北横岳、蓼科山(2530 m)、そして荒船山(テーブルマウンテン)の揃い踏みに魅せられて、200 mmで撮った望遠画像をトリミングしてみた。長野県側からは山体が円錐形に見えるので、蓼科山は諏訪富士などと呼ばれると聞く。群馬側から眺める蓼科山の姿はユニークである。
余談ながら、先週は夕日が蓼科山に沈んだ。ところで、市街地は高崎市であり、高崎白衣大観音(高さ42 m)が見える。視点から白衣観音までの距離は50 kmほどである。
南方向には奥秩父連山と富士山が見える。連山では2000 mクラスの峰が連なっている。連山が衝立となって、富士山では山頂部が見えるに過ぎない。それでも、この最高峰がはっきりと見えると、何となく得をした気分になる。
富士山の左側に見えるのは武甲山(秩父市)である。山腹では石灰岩が採掘されている。
富士山と武甲山のクローズアップ。
このときは気象条件に恵まれた。丹沢山系(神奈川県)もはっきりと見えた。とくに、丹沢の東端にある大山(1250 m)の姿が夕焼けハイカーとって印象的であった(三角形の山体)。大玉レンズを使うと、相模湾方面が見えるかもしれない。
富士山の西に見える山々を、カシミール展望図の助けを借りて、
破風山、甲武信岳、三宝山、金峰山、そして小川山などと同定してみた。
金峰山(山梨県と長野県の県境)は冠雪の時期だからこそ同定できる高峰である。甲武信岳、両神山(埼玉県)、そして金峰山のクローズアップ。
欲を言えば、両神山の岩峰が雪を被った山々を背景としてはっきりと見えてほしかった。
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尾根筋の案内図(浅間山の展望所にて)。この遊歩道が整備されてから、約十年になる。
遊歩道にて。
展望所で浅間山をゆっくりと眺めていたかったが、ハイカーは強い北風(空っ風)に負けた。家では「かかあ天下」、外では「空っ風」、群馬は面白いところである。
山頂の雲が笠雲に変化することはあるだろうか。ところで、NHKの朝のニュース番組で、ライブカメラ映像に登場した冠雪の浅間山を、あるキャスターが富士山と見間違えたことがある(翌日には訂正されたが)。この山を心の富士山と思うことにしている自分にとって、このようなことは何か心温まるエピソードである。
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撮影、2月12日朝、群馬県桐生市菱町にて(円偏光フィルター使用)。