浅間山(2542 m)は、自分達の街から真西の方向、約80 kmほど離れた位置にある。深田久弥は、国鉄・信越本線から眺めた浅間山について、「それはいつも膨大な容積で、独占的な形で、曝らけ出しの肌で、そしてその頂きにはいつも薄い雲を吐いていた。汽車の窓からこんなに眼近く、高く、大きく、秘密なげに仰がれる山は、他に例がない。」と述べている(日本百名山、新潮社、1991年)。
ところで、曝らけ出しの肌が雪で真白になると、冬の富士山と見間違えるほどまでに、浅間山は自分達の街からも目立つ存在になる。そして、11月から、夕日は浅間山から遠く離れた八ヶ岳連峰に沈む。
1月に入ると、連峰に沈む直前に、夕日が雪を被った浅間山を照らし出すようになる。ここでアップした画像は、今月13日に撮ったものである。
浅間山が、いわば独占的に真横からの夕日を浴びている。

左端に写っている頂は蓼科山(2530 m、八ヶ岳連峰の最北端、長野県)である。
直近の市街地は、自分達の街、桐生市(中心部)である。
ちなみに、この画像は昨年11 月下旬に撮ったものである。浅間山はシルエットになっている。

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さて、展望台に立つと、それときまで遠方の山らしく霞んで見えていた浅間山が、
夕日をバックライトにしてはっきりと浮かび出てきた。

そして、八ヶ岳連峰の赤岳付近に沈みはじめた夕日が、浅間山などを真横から照らし出した。


夕日が沈むにつれて、浅間山の姿がさらに目立つようになった。

この彩りを帯びた山体は「紅浅間」と形容してよいだろう。ちなみに、夕日に染まる富士山は「紅富士」と言われている。

夕日が沈んだ直後において。山体が雪で覆われているときならではの眺めである。

次第にマジックアワーでの彩りが現れるようになったが、今回はこの画像の撮影を撮った直後に展望台から離れた。

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撮影: 1月13日午後4-5時頃、桐生市菱町、白葉峠付近(300 m)にて。
明るさの異なる3枚のRAW画像によるHDR (High Dynamic Range、ハイダイナミックレンジ)合成。
フィルター類(たとえば、CPL)は使っていない。
余談:自分が使っているデジイチ(キャノン)では、赤色系統の発色が得意なようである。