こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

赤城山の裾野に日が沈む夕景でのグラデーション、2018年5月

2018-05-30 | 夕景

赤城山の裾野は富士山のそれに次いで広いと言われている。ところで、春分から夏至に至るまで、落日の位置地は真西から北よりに移動する。そのため、自分たちの街の郊外で眺めると、夕日は赤城山の裾野に沈む。日が沈むとき、長いスロープと大きな山体が浮き出る光景は見る人の心を動かす。

この日、夕日は眩しくなかった。黄砂が飛来していたからだ、結果として、美しいグラデーションの夕景が眼前に現れた。

 

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右側からは赤城山の裾野、左側からは榛名山の裾野が広がる。


赤城山のシルエットには、成層火山の面影が強く現れる。

 

赤城山での山頂。

 

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落日が終わる直前の光景から、のびのびとして停滞するところがないスロープ。この光景に心を動かされたのであろうか、同行者が「ああ、太陽が消える!」と叫んだ。

 

赤城山からの帰りに、わたくしたちは束の間の感傷に浸ることができた。この後は、とくに緊張しなければならい時間帯でのドライブが、わたくしたちを待っていた。

 

撮影、25日夕刻。


赤城山・見晴山でのツツジ、2018年5月

2018-05-27 | 

見晴山(みはらしやま)は白樺牧場の隣にある小高い山頂である。標高は1,458 mであるが、県道4号沿いの駐車スペース(新坂平)からは、ひと登りで山頂に着く。その名のとおり山頂からは、黒檜山、地蔵岳、荒山、鍬柄山などが一望できる。そして、この時季、山はヤマツツジ、ミツバツツジ、レンゲツツジの花で彩られる。

標識はヤマツツジ、そしてレンゲツツジに囲まれている。


21日の時点では、ヤマツツジとミツバツツジとのコラボレーションが実に魅力的であった。

 

 

 

ミツバツツジでは、花の色が生えている場所に応じて変化するようである。

ヤマツツジに囲まれて、その存在感を示している大株のミツバツツジ。


レンゲツツジの蕾。背景は荒山(1,571 m)である。

レンゲツツジの蕾は美しいが、有毒であることも事実である。

一部の場所では、花が開いていた。

 

撮影、21日午前。

 


シロヤシオで彩られた散策路、赤城山・小沼にて、2018年5月

2018-05-26 | 赤城山

赤城山ではミツバツツジの花がピークを過ぎつつあるが、シロヤシオ(ゴヨウツツジ)やヤマツツジの花が見頃を迎えている。とくに、小沼では、このようなこともあるのかと思うほど、多数のシロヤシオの花が岸辺の散策路を飾っている。

 

 

シロヤシオのなかにミツバツツジ(東国ミツバツツジ)との彩りはこの時季ならではのものである。

 

木漏れ日を部分的に浴びているシロヤシオに惹かれて

 

 

シロヤシオ、ミツバツツジ、ヤマツツジ、そしてダケカンバの組み合わせにレンズを向ける。それにしても、ここで見上げる青空は実に美しかった。黄砂の飛来によって、山麓ではかなり霞んでいたにもかかわらずである。

 

 

 

 

小沼での面白さは、水面を背景にしてシロヤシオの花が眺められることである。

 

 

 

花には透明感が満ちている。水辺に生えているためであろうか。

 

盛りの時を過ぎたが、ミツバツツジの花はその魅力を依然として保っている。

 

 

 

さて、ヤマツツジの花も岸辺を彩りはじめた。夕日を浴びる花と水面、これらの色の対比が鮮烈であった。

 

撮影、25日午後。

 

 


赤城山・小沼でのミツバツツジ、シロヤシオ、そしてヤマツツジ、2018年5月

2018-05-23 | 赤城山

前回(15日)に続いて、静かな雰囲気を味わいながら、わたくしたちは小沼を一周した(21日)。一週間足らずのうちに、岸辺での彩りは大きく変化した。ミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)、シロヤシオ(ゴヨウツツジ)、そしてヤマツツジの花や蕾、そして新緑が目立つようになった。

北岸でのミツバツツジとヤマツツジ

 

 

花の密度があまりにも高い。しかも、群れの色は太陽光の方向に応じてかなり変化する

 

ヤマツツジでの蕾。 思わず、無数の蕾がと言いたくなる

 

緑(カエデ)、紫(ミツバツツジ)、そして紅(ヤマツツジ)の組み合わせ

 

東岸でのシロヤシオ

 

 

 

同行者は先ず蕊の本数や葉の枚数を数える(いつものことながら)

 

視線は必然的に花に向かう。しかし、足許に注意。小さなマイズルソウなどが群生している。

 

花と葉との間に、程良いバランスを求めて

 

水面と対岸の緑を背景とするファンタジー(笑)

 

開いたばかり花そして蕾の彩りには惹かれものがある。この後、花の色は純白になり、雌しべの先端は緑色を帯びる

 

 

 

ミツバツツジでは、開いて間もない花の色と質感が魅力的である

 

南岸からの眺め

 

芽吹きが始まったダケカンバが加わる彩りは、小沼ならでの情景を醸し出している

 

 

西岸でのツツジから

 

 

 

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南岸にて。この先はミツバツツジ・ロードである

 

 

撮影、5月21日午後。

 


赤城山・小沼、静かに時が流れて、2018年5月

2018-05-19 | 

 私たちが訪れたとき、小沼(この)には広々として静寂な雰囲気が漂っていた。沼の周辺には、シロヤシオ、ミツバツツジ、レンゲツツジ、ヤマツツジ、ドウダンツツジなどが自生しているが、これらでは蕾が硬いか芽吹きがはじまったばかりであった。ところで、深田久弥は著書で「小沼は山に取りかこまれた、ひっそりと静かな沼で、水面は明るい。あまりに明るく、あまりに静かなので、却って底気味の悪い気のしたことを覚えている。」と述べている(日本百名山)。


麓から95箇所以上も急カーブが連続する狭い県道16号で、神経質な運転を強いられたためであろうか。私たちにとって、この日の小沼は静かに時が流れるスポットであった。


沼の南側で眺めた水面(標高 1,470 m、周囲 1Km)、地蔵岳(1,650 m)、そして黒檜山(1,828 m)。水面には、青空の映り込みと沼固有の色によるグラデーションが現れていた。

 

映り込みとさざ波の対比。さざ波がたつ水面の色は風の強さで変化した。間もなく、ツツジやズミの花が新緑の中に点在する風景が対岸に現れるだろう。


私たちは、静かな景色を眺めながら何人かの人々と歓談した。 ある若者のグループは、黒檜山、駒ヶ岳、小地蔵岳、長七郎山を歩き、これから地蔵岳に登るとのことであった。若者達は黒檜山が見える景色に感動を覚えたようであった。


帰路では東岸を歩いた。

 

 

太陽の位置が低くなりはじめた時間帯にて(東岸にて)。

 

湖畔には、フデリンドウ、ヒメイチゲ、マイズルソウなどが生えている(活き活きとしていたものから)。

     

 

 

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さて、往路と帰路で出会ったミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)から。

県道16号にて。

片側一車線のために停車できる箇所は少ないが、ミツバツツジロードとも言えそうなスポットがあった。

 

鳥居峠にて。

峠の西側の崖に生えているミツバツツジが西日を浴びていた。その美しさは、生えている位置次第では見る人を強く感動させるほどであった。

覚満淵が入るアングルで。

 

5月15日午後。

 

 


晩春の花から(赤城自然園にて)、2018年5月

2018-05-13 | 赤城自然園

赤城自然園は赤城山の西山麓(標高 600-700 m)に位置している。先週金曜日の午後(11日)、わたくしたちは晩春の花々を眺めながら同園内を散策した。

 

シャクナゲ園にて。

 

オオヤマレンゲの蕾

 

 

芳香を放つ開花直前の蕾

 

 

レンゲショウマの群れ

 

木漏れ日を楽しむ。

 

 

木漏れ日によるやわらかな光を浴びるエビネ

 

 

ジャコウアゲハ(♂)

 

逆光でのシーンに、心を動かされて。

 

 

5月11日午後1-4時、EOS 6D、EF 100 mm 2.8L。


篭山でのアカヤシオと北面道路での新緑 (赤城山にて、その2)、2018年5月 

2018-05-08 | 

赤城山では、GWの前半と後半で山肌の彩りは大きく変化したようである。 前回は6日での様子を記事にしたが、今回は2日に撮った画像をアップする。この日、やや厚い雲の切れ間から、時々は薄日を差すことがあった。

 

このような天候のときは、アカヤシオによる彩りが目立つ(篭山にて)。

 

 

 

すこしずつターゲットを絞る。

 

 

 

 

 

欲を言えば、青空を背景にしたかった。

 

しかし、日差しが強いと白飛びが起こりやすい。このときは、白飛びを気にする必要がなかった。

 

鳥居峠で眺めた利平茶屋方面(東方向)での彩り。

 

 

 

色の対比をクローズアップする。

 

かつて、鳥居峠と利平茶屋の間には、ケーブルカー(鋼索鉄道)が運行されていた。

 

大沼(奥)の北側を通る北面道路を通って、わたくしたちは下山した。 

 

北面道路では、標高が下がるにつれて、道路沿いが新緑で覆われるようになる。

 

新緑の間に、コブシやヤマザクラの花が点在する。 

 

北面道路でのハイライト

一般的である南面道路の往復(前橋ー赤城山)では見られない景色から。

道路沿いの高い木立による垣根の切れ間にて。深く切れ落ちている崖側に立つ位置で見る、ダムに至る新緑がはっとするほど美しかった。

 

 

ダムは利根川水系の片品川に建設された薗原ダムである(堤高 76.5 m、堤長 128 m)。5月20日には、薗原湖堰堤祭りにおいて、ダム点検放水イベントが行われるとのこと(ダムおよび老神温泉のHP)。

 

赤城山と対峙する北側の山並み。しばらく、深呼吸してと。せっかく、この新緑を味わうために、道路の終点から引き返してきたのだから。

 

撮影、5月2日午後。


今日の赤城山にて、アカヤシオとミツバツツジの花 2018年5月

2018-05-06 | 赤城山

鳥居峠で麓から吹き上がってくる涼風を受けて眺める、東方向の山並み。画面中央での山頂は鳴神山(980 m)である。その左(尾根の東側)では、固有種のカッコソウが移植地で育てられている。

 

 

パノラマ展望、市街地はみどり市、桐生市、太田市(以上、群馬県)、そして足利市(栃木県)など。

(クリックで拡大)

 

標高1,000 m程度までは、緑で覆われるようになった。

 

覚満淵と大沼(奥)。

 

アカヤシオの残花(篭山にて)。

 

残花では、やわらかな色と質感が保たれている。

 

駒ヶ岳付近でのアカヤシオの群れ(望遠)。

 

小沼の岸辺では、シロヤシオ、ミツバツツジ、ドウダンツツジ、レンゲツツジ、ヤマツツジなどが咲く。

 

ミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)の蕾と開き始めた花。思わず見とれてしまうほどこれらの色が魅力的であった(背景は荒山)。

                                   

 ミツバツツジでの色の濃さ(クリックで拡大)。

 

今年は、ミツバツツジの花も見応えのあるものになるだろう。

 

撮影、5月6日午後。鳥居峠、篭山、地蔵岳・小沼周辺などにて。

 

 


キンランの花に魅せられて、2018年5月

2018-05-04 | 

キンラン(金蘭)は山野の林内に生えるラン科キンラン属の多年草である。かつて、このランはそれほど珍しいものでなかったが、近頃は絶滅危惧種に指定されるまでに個体数は減っている。さて、今年もある山林でキンランの花が開き始めた。

 

 

やわらかな光を浴びているとき、花の色と質感は実に魅力的である。今年も、写人は芽出しのときから蕾が開くまでの過程を追ってきた。もちろん、生えている環境を乱さないように注意しながらである。

 

花の瑞々しい輝きや昆虫を誘引する仕組み(オレンジ色のガイドラインなど)、そして花粉の位置。

 

レンズを向けていたとき、偶然にもチョウ(蝶)が飛来した。蝶は越冬型のキチョウであろう。GWにおいて黄金色の花と黄色の蝶。この駄洒落的な組み合わせが写人には面白かった、千載一遇のものとして。

 

 

 蝶は吸蜜管を花の奥に差し込んで吸蜜行動を始めた。

 

しかし、約1秒後には吸蜜管を引き出して、蝶は花から飛び去った。

 

この花には蜜が貯められていなかったのであろうか。そうであるならば、キンランは虫媒花として昆虫を誘引することにおいてしたたかである。このランでの花粉の運び屋は小型のハチであると言われている(ヒメハナバチやコハナバチ)。

キンランにとって、花の色に魅せられて近づいてきた蝶は、花粉を運んでくれそうものない想定外の来訪者であったのかもしれない。

 

5月1日、EOS 6D、EF 100 mm F2.8(マクロ)、ピクチャースタイルはスタンダード。