赤城山は堂々として存在感がある山だ。関東地区のどの場所にいても、そこで赤城山が見えるかどうかと、私達はついつい目を凝らしてしまう。
ところで、赤城山を構成しているそれぞれの峰には、形状(荒山、鈴ヶ岳、鍋割山、陣笠山)、農耕(駒ヶ岳、鋤柄山)、信仰(地蔵岳、薬師岳)、植生や気象(黒檜山)、人物(長七郎山)、用途(見晴山)、場所(出張山)などに関係した山名がつけられている(栗原久、東京福祉大学紀要、第2巻、第2号、 pp.197-205 (2012)から)。
山体は平野からせり上がる形となっている。そのため、山頂付近で雲が発生することが多い。平野部から斜面に沿って吹き登ってきた風は、標高1200-1800 m付近で急冷される。
そのようにして生まれる雲は、山頂からの眺めに大きな変化をもたらす。
地蔵岳での眺めから
黒檜山(最高峰)、駒ヶ岳(右)、そして大沼。
遠景の望遠画像。左から、至仏山(左)や燧ヶ岳(右、双耳峰として見える)などである。
水面に雲の影(小沼)、そして左から小地蔵岳、長七郎山。この光景を眺めていると、高度感と天空での微妙なバランス(平衡)を感じる。
小沼、血の池、そして銚子の伽藍(小沼から流れる沢が岩盤を浸食してつくられた)。
山頂のアンテナ群の背後で、沸き立つ雲。
関東平野の広がりを感じさせられて。
地蔵岳の山頂部は広い。無線中継所のフェンスの中は、小さな植物園になっている。
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覚満淵(湿原)、篭山(右、アカヤシオの群生地)、鳥居峠(駐車スペース)。
鳥居峠は展望スポットである。山塊の上で微かに写っているのは筑波山だ(東、約90 km 遠方)。 肉眼では確認できなかったものが画像に記録されていると、少しは嬉しくなる。
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撮影、9月19日13-16時(2枚目の画像は9月上旬)。