今日も早朝からはっきりしない空模様が続いている。昨日は一昨日にも増して気温が高くなり(最高、27.5℃)、花粉と黄砂が飛散したために、視界はクリヤーでなかった。ところで、先週のある日(27日)のことであったが、今日を含めて三日間での状態からは想像できない位まで、日の出直後に周囲の山並みが赤く染まった。
この日、終日雨模様であった前日とは異なり朝から晴れるとの予報が出されていた。それではと、午前5時頃から散策コースの展望スポットで日の出のときを待った。
赤く染まる1,000 m 峰
通常、当地では前日に雨が降り翌朝は晴れると周囲の山並みが立ちのぼる霧で覆われる。このときは霧は山並みを覆うまで広がらなかった。日の出とともに冷たい北風が吹きはじめたからであった。結果として、視程(視界)はきわめて良くなった。
ー里山でのモルゲンロートー
モルゲンロート(ドイツ語)は朝日で山肌が赤くなるシーンである。登山の世界において、モルゲンロートとの表現は高い山を対象にしているようだが、ここではその対象を里山まで拡張してみた。
日の出直後にて(午前5時半頃)
吹き寄せる北風は冷たかったが、
それに耐える価値があるほど、里山のモルゲンロートは当方にとって印象的であった。
山城址がある山頂(城山、361 m)も赤く染まったので、そこを望遠(300 mm)でクローズアップした。山城址はソメイヨシノなどで囲まれている。
ソメイヨシノが満開になったときに、このときのようなモルゲンロートが現れることを期待して
そして、西側の山林も赤く染まった
モルゲンロートが強く現れたのは、日の出直後の太陽光がいつもより赤かったためである。前日の雨で増した大気中の水蒸気によって波長の短い青系の光は大気中で散乱されたが、波長の長い赤系の光はあまり散乱されずに山肌まで届いたからだ。余談ながら、黄砂が飛来しているこの三日間において、モルゲンロートは全く見られなかった。黄砂が赤系の光までも散乱したためであろう。
朝日がさらに昇ると青系の光も届く。結果としてモルゲンロートは消えた
ところで、前日において終日雨模様であったにもかかわらず、
視界はこの時季にしては稀なほど透明であった(午前7時頃)
ー庭の花々、近くの尾根から昇った朝日を浴びてー
ゲンカイツツジ(玄海ツツジ、園芸種、光源氏)
葉の展開に先がけて、花が開く。花の色は光が当たる程度に応じて変化する。
ミツマタ(三椏)
クリスマスローズ(原種系)
午前10時頃までしか日が当たらないコンクリート壁のそばに飛んだ種子によるもの
茎の高さは 20 cm程度である。
ー撮影、3月27日ー