年を取ったチャオは、排便以外は外に出なくなりました。
子供の時から、
排便は外で済ませていましたので、それの名残です。
家の中でジットしている時間が長くなりました。
トイレも、外に出なくて良いように家の中に用意しました。
チャオは、子供の時から、
夜寝るのは、僕の布団の上でした。
ある日、布団に血が付いているのを見付けました。
チャオの血です。
どこから血を出しているのか、嫌がるチャオを捕まえ、
体を検査しましたら、
前足の肉球に爪が刺さっているのを見付けました。
外に出て、爪を磨くのを止めた結果、爪が伸びすぎ肉球に刺さったのが分かりました。
こんな状態では、家族の手に負えません。
直ぐに医者に連れて行き、爪を切ってもらい、
傷の手当てをして貰いましたが、
この手当の方法が悪かったのだと思います。
強いステロイドを注射したり、傷口に付けた薬などで、食欲がなくなり、やせ細って行きました。
『治療のため、毎日通ってください。人工透析をします』と妻は云われたそうですが、『それは、辞退します』と断ったそうです。
『延命のために苦しい思いをさせたくないから、断ったわ』と云いましたので、『そうだね、もう苦しませたくないね』と承諾しました。
確か、1月だったと思います。
コタラの学術発表の日の朝、
出かける時『チャオ、行ってくるね』
と云いましたら、
『ニャ~』と弱弱しい声を出し、答えてくれました。
それがチャオと最後に交わした挨拶です。
妻は、こたつの中にいるチャオに『行ってくるね』とこたつをめくりましたら、もう亡くなっていたそうです。
1月も末頃の、小雨の降る日でした。
移動の葬儀屋さんに来てもらい、埋葬を頼みました。
家族で、最後の別れをしていると、近くに住んでいる、
犬や猫が『ワオ~ン』とか『ニャ~』とか、
ハウリングしてくれました。
仲間が、いなくなるのが、分かるのでしょうか、
和犬雑種のポ~の葬儀の時も、
犬たちのハウリングが、こだましました。