雨の日の出来ごと。 近くの沼の上をたくさんのツバメの群れが低空飛行で飛び回っている。
「ツバメが低く飛ぶと雨近し」っていう諺は、あながち間違っていないんだと一人で納得…
双眼鏡で覗くと沼のあちこちにユスリカの蚊柱が立っている。 あぁ、ツバメはこれ目当てに飛び回っているのか。
猛スピードで飛び回るツバメをカメラで追うのは難しい… 相変わらずピンボケ写真を大量生産しちゃいます。
止まっている時は案外、無警戒で近寄らせてくれました。
春の森
雪がすっかり消えた春の森。 暖かい陽射しを受け鳥達も気持ち良さそうに、あちらこちらで囀っています。
うぐいす色のウグイスは…
自慢のホーホケキョを何度も囀っては雌を誘惑しています。
美形のシジュウカラはツピッ、ツツピッと一生懸命に囀っています。
こちらのヒガラは めでたくカップル成立したのか雄から虫さんのプレゼントを受け取り…
雌は新居のお掃除に余念がありません…
そろそろ森の鳥達は子育てに大忙しの季節を迎えます。
ソラプチ地方の雪が解けた田圃には今、マガンにヒシクイそしてハクチョウ達が大賑わい。
近くの沼には沢山のカモやアオサギ達。 堤防の土手ではヒバリが囀りカワラヒワの姿も… ただ今、春は真っ盛りです。
そしていよいよ、タンチョウとワシの争奪戦が始まった。
上空から獲物の狙いを付け急降下してくるオジロワシ。
そしてタンチョウも魚を盗られてなるものかと…
決死のジャンピングキックで攻防を試みるが…
その抵抗も虚しく あっけなく魚を奪われ、ただ呆然とワシの後姿を見送るタンチョウ達…。
まだ若いタンチョウの子供も精いっぱいの勇気を振り絞り…
いつもの優雅なタンチョウからは想像もつかない形相で…
強烈なツルキックをお見舞いするが、ワシは全く怯むことなく魚を奪い去っていく。
こちらは食べてる傍から平然と魚を持ち去るオジロワシ。
頭頂を真っ赤にして怒ってみても…
何くわぬ顔で獲物を掴み飛び去っていく。
そして、おまけはキタキツネまで現れ、おこぼれを捜している…
この争奪戦、ウグイの殆どはワシ達が持ち去ってしまった。 それに撒くウグイの数もタンチョウの数に比べると少な過ぎる気がする…
確かにタンチョウの主食は小魚だけどこの時期、他の給餌場はどこもトウキビなどの穀物を与えている。
それでタンチョウが栄養不足になったなどの話は一度も聞いた事がないぞ。
敢えて生餌を与えるのは、遠くからこのシーンを撮りに来る多くのギャラリーの為なのだろうか…? きっと、タンチョウもストレス溜まるだろうな…
待つこと2時間、PM2:00にオジサンがバケツ片手にようやく登場。 そしてバケツの中のウグイを雪原に撒き始めると…
今まで姿すら現わさなかったワシ達が、まるで時計でも持っているかの様な正確さで、わさわさと上空に集まり旋回をはじめる。
やって来るワシの大半がオジロワシ。遠くだが1羽だけオオワシの姿も確認できる。
いよいよ、タンチョウとの争奪戦が始まるのかな…。
阿寒国際ツルセンター‥相変わらず一生懸命にシャッターを切っているのは私と短時間に訪れては帰る観光客のみ…
いよいよ不思議に思い、お隣りのおば様へ尋ねてみた。 すると、おば様が言うには皆さん、2時からの給餌の時を待っているとの事、
何やら生きた魚を撒くので、それを狙いワシ達が集まり、タンチョウとワシ達の激しいバトルが始まるらしい…。
ナルホド、、やっと事の真相が理解できた。 タンチョウとワシのバトルの場面は写真で、過去に何度か見たことがある。
不思議な光景の写真だなと思っていたが場所は此処だったのかぁ… 私が此処に着いたのがAM10:00頃… この多くのカメラマンの方々は一体何時から来ているのだろう?? 給餌の時間までは、まだ2時間以上あるけれど、折角の機会だから私も、皆さんとご一緒に待つ事とした。
周りのカメラマンさん達をよくよく見渡すとブロンズ髪の外国の方もかなりの人数で居られる… 英語力堪能と思える方が外国人の方に話し掛けている… 英語力不堪能の私が、解る単語をつなぎ合わせ解釈するには 「どの様にして、ここを知り得たのですか?」らしき事を尋ねている様だ…
すると、その外人さんはハッキリとこう答えた‥「サワヤーカ、シゼーンヒヤッケー、ユーチューブ」と…
すごいぞ 「NHK」 やるね!「さわやか自然百景」
親から離れて1羽のタンチョウの子供が不思議な遊びをしていた。
落ちていた小枝をくちばしを使っては…
それを空中に放り投げ…
そして今度は自分がジャンプして…
倒れる小枝めがけキック…
何度も何度も飽きることなく同じ行為を繰り返すタンチョウの子供… 小枝を魚に見立てて一人で魚を捕れるように今から練習してるのかな?
阿寒からの帰り道、 「阿寒国際ツルセンター」に初めて立ち寄ってみた。
とても立派な施設で入場料400円也を受付のおじさんに支払いを済ますと、おじさん曰く「今日は混んでるよ」…平日なのに観光の団体さんでも来てるのかな? などと思いながらも観察エリアへと行ってみて驚いた!! 2段の階段状になっている観察場は上段、下段も人・人・人で埋め尽くされ、Sのマークが目に眩しいザハトラーの雲台に鎮座する白レンズにナノクリの巨大レンズがずらりと立ち並んでいる…世の中、不景気と騒がれているが、ここを見る限りとてもそうは感じさせない。
三脚を立てるスペースが無いかと、あっちこっち歩き回っていたら、一番奥の立て看板と柵の柱の隙間に居られたとても上品そうなおば様が 「狭いですけど良かったらどうぞ!」 とお声を掛けて頂いた。 有難い、どうにか三脚のスペースは確保できた。
聞くところによれば、おば様は東京から毎年この時期に一人でタンチョウとワシを撮りに来ているそうでかなりの鳥好きだそうな。
使っているカメラを見るとソニーのフルサイズ機にGレンズと機材にも相当拘っているご様子…
100羽程のタンチョウが寛いでいる。 いつ見てもタンチョウの舞いは華麗で美しい…
夢中でシャッターを切るが、周囲のカメラマン達は一向にシャッターを切る様子が無い…何故?
椅子に座って仮眠をする者、カメラ話題で盛り上がっている方々…この人達は一体何しに来ているの…??
春の予感
日中はプラス気温になりはじめた北海道。 雪は固く締まったざらめ雪となり雪解け間近です。
雪に覆われた田圃にはヒシクイ達の行進が始まり…
日あたりの良い畦道ではムクドリが軽やかなステップを踏んでいます。
かなり窮屈そうな洞に居るフクロウは暖かい陽射しを身体一杯に受けて自然と瞼が…
そして、とうとう熟睡モードに突入です。 長かった北海道の冬もあと少しで開けようとしています。
阿寒
知床では人慣れしてしまった緊張感無しのたくさんのエゾシカ達に会うことが出来たが、とてもシャッターを切る気持ちになれなかった…
野付では、丸一日粘ったが、結果は惨敗だった…
どうしても野性味溢れるエゾシカの姿をこの目で見たく阿寒の森へと向かう事に…
名峰 「雄阿寒岳」の裾野から拡がる原始の森。
阿寒湖近くの森をスノーシューを履き散策してみる。 足跡や樹皮を喰んだ形跡は無数にある。遠くから鳴き声も聞こえる…なのに何故か見つからない。
しばらく歩き、ようやく2頭の雄ジカを見つける。 距離があるにもかかわらず目線が合った途端に一目散に逃げられた。
頭上にはタンチョウが通り過ぎていく…
ここで出会えるとは…青空に舞うタンチョウの姿を見るのは以前からの夢だった。
肝心のエゾシカには見事にフラれたけれど…満足、満足。
コミミズク‥その存在だけは知っていたが、ブログお仲間のコミミズクの写真を見てからというもの、コミミズクに会いたいという気持ちが沸々と…。
そして知床を後にして野付半島へと海岸線をひたすら車を飛ばしていた時、その出会いは突然にやってきたのでした…
それは車窓から、何気なく海岸線へと目を向けた時だった。 ひらひらと変わった飛び方をする一羽の鳥を見つけた‥
何だろうと思い車を停め双眼鏡で覗いてみると ナ、ナントそれは紛れもなくコミミズク!!
大きさはフクロウに比べると随分と小さい。 距離があり500ミリレンズに×1.4テレコンを噛ませ換算1050ミリ
低空飛行でグルグルとススキ野原を何度も旋回している。 多分、野ネズミでも探しているんだろうな‥
コミミズクの横顔は、聞きしに勝る「奇面顔」 ひと目でコミミズクファンになっちゃいました。
数年分のワシを一度に見てしまったという感じの今回の知床…写真は山ほど撮りまくってしまい、キリがないのでひとまず今回で最終回。
写真は全て羅臼港で。 港内には、ざっと数えて200羽以上のオオワシ、オジロワシが集まっていました。
現在は港内の流氷は全て沖合に流されたとのこと…知床のワシ達も、あとしばらくすると北回帰が始まることでしょう…
オオワシよりもひと回り小さいオジロワシ‥とは言っても拡げた翼は優に2mを超える。
流氷の上のワシも良いけれど、やはりワシは飛翔姿がいちばん迫力がある。
獲物を探しながら大空を翔ぶワシの眼光はまるでナイフの様な鋭さだ…
ワシA‥「あの~、その美味しそうなお魚を少々分けてくださいな」
ワシB‥「ダメッ!! これやっと苦労してほぐしたんだから~!」
ワシA‥「そんな固いこと仰らず少しだけでいいんですよ」…
ワシB‥「あんたもしつこいわね!! 早くあっち行ってよ!」……「バシッ」
ワシA‥「ヒェ~~~ッ」…