バンブーロッド製作 ・工房そらぷち

毎日、せっせと竹を削ってます。製作過程とそらぷちの自然、釣り日記などなど…

ラッピング

2007年11月29日 | バンブーロッド
本日はガイドのラッピング作業に終始専念しました。
作業自体はただ糸をガイドに巻いていく単調な工程ですが最終的に竿の美観にもろに影響がでるので気を休める事ができません。細かい作業となりますので肩は凝り目はショボショボしてきます。  ところで最近、本の活字など近い物が非常に見えづらくなって来ました。これが巷で言うところの「老眼」という症状なのでしょうか・・・?まだまだ若いつもりでしたが身体は正直なんですね。 取り敢えずはネットショップで衝動買いした「ヘッドルーペ」なる物を頭に被り糸目に隙間が開かない様に、カットした糸がはみ出ない様に作業を進めます。



スレッドは天然の竹にはやはり天然の絹糸が似合います。 コーティングした時の透明感はナイロン糸では出せません。グデブロッド、ゴッサマーなど海外の専用スレッドも良いですが、私のお気に入りは裁縫用絹糸の「オリヅル」です。さすが絹の国「日本」の糸は強度があり、毛羽立ちも少なく、何よりもカラーの豊富さは群を抜いています。今回は1本はグリーン系を、もう1本はハニー系を巻いてみました。


フィラー作製

2007年11月24日 | バンブーロッド
本日、2回目のブランク塗装を実施。乾燥するまで次の工程へ進めないので在庫が少なくなったフィラー作りをしました。
旋盤で角材から円柱に削っていきます。金属と違い気持ち良くサクサク削れます。



メープルの瘤材を5本粗削りして本日の作業は終了。次はフィラーにフィンガーネールの溝をルーターで削ります。
溝はハーディのリールフットに合う深さにしています。




塗装

2007年11月23日 | バンブーロッド
朝、起きたら50cm程の積雪。今年は雪の積もる時期がやけに早い。何やら日本海の海水温度が例年に無く高いらしく雪雲が発生しやすくなっているとの事。これも地球温暖化が原因なのだろうか・・・。 朝食もそこそこに雪かき作業です。2時間かけてようやく終わったころには汗びっしょり、一休みして午後からは1回目のブランク塗装を実施しました。 塗料はゴールドスパを使用しています。本来はヨットやクルーザーの内外装用塗料に多用されるワニスです。過去色々な塗料を使用しましたが今のところこの塗料が耐水性、強度、光沢とも一番満足しております。


塗装方法はデッピングで行ってます。この様に塗料を満たした筒の中にブランクを入れ低速シンクロナスモーターに自作ギアをかませた装置で超超低速でブランクをゆっくりと抜き上げていきます。このあとブランクを乾燥ブースに入れ24時間、塗料が乾くのを待ちます。

メタルワーク

2007年11月21日 | バンブーロッド
昨晩からずっと雪が降り続いています。気温はマイナス4℃。 ストーブは24時間
焚きっぱなしです。


今日は完成したブランクのフェルール作りを実施。
フェルールはその構造自体は単純ですが意外と奥が深く強度と軽量化の兼ね合い、勘合部の摺り合わせを追求すると1/1000㎜の旋盤作業となり、かなり神経を使う作業となります。


3時間でようやく2本分出来ました。この後はバフ掛けしスリットを入れて完成です。

ブランク完成

2007年11月20日 | バンブーロッド
ようやく、竿らしくなってきました。


昨日、接着したブランクのバインディングを解き固着した接着剤を削り取りマイクロメーターで規定通りのテーパーに仕上がっているか計測、誤差部分を修正しやっと竿2本のブランクが完成です。2本とも7ft3inc、全く同じテーパーで削りましたが1本はセミホロー構造にしております。軽量化の為ではなく、アクションの変化を確認する為の実験です。

接着

2007年11月19日 | バンブーロッド
昨日、ロッド2本分の仕上げ削りが終わったので今日は接着作業のみ実施しました。

ブランクをマスキングテープで仮止めしテープカットすると、この様なバンブーロッドの開きになります。接着剤はユリア樹脂系の接着剤を使ってます。この接着剤は硬化すると半透明になりレゾルシノール系の接着剤の様に竿にグルーラインが残らないので気に入ってます。ムラなくタップリとブランクに塗ったら再度バインディングします。この作業は接着剤の硬化が始まる前に終わらせなくてはいけないし、手は接着剤でベタベタなので写真は撮れませんでした。バィンディングが終わったら丸1日、室温20℃以上で完全硬化するのを待ちます。外の気温はマイナス6℃
雪は昨晩からずっと降り続いてます。

中削り

2007年11月16日 | バンブーロッド
今日は前回火入れしたブランクの中削りを実施しました。中削りは最終的のデプス値の3割増しの設定でテーパーを付けていきます。曲り、捻れはこの段階で修正すれば仕上げがスムーズに出来るので慎重に納得出来るまで時間を掛けます。
 


 プレーニングフォームに設定値のテーパーをセットしていきます。この計測器はデプスゲージと言いまして1/100㎜単位でプレーニングフォームの溝の深さを測れます。

 

スタンレー社製のブロックプレーンです。初めにローアングルのプレーンで荒削りをしてからブロックプレーンで仕上げます。削りカスの状態を見ながら刃を微調整していきます。

火入れ

2007年11月11日 | バンブーロッド
 本日はラフカットした竹の火入れ作業をしました。人によってはラフカットで既にテーパー付けまで行う様ですが私は均一な火入れが出来るという理由からラフカットはあえてストレートテーパーにしております。火入れは竹に含まれている余分な水分、油分を取除くもので火入れする事で硬さが増し反発力は劇的に向上します。竹竿に成る為の竹を作る重要な工程です。

 
 オーブンの熱源はプロパンガスです。この様に下から細長いコンロで熱していきます。オーブンのパイプは2重構造になっており温度ムラが少なくなる様に工夫しております。

 

火入れ時間は何度で何分とか特に決まってはおりません。個々の竹によって乾燥度合いも違っていますし、作る竿のアクションによって火入れ時間は変わってきます。 私の方法は180℃で安定させたオーブンに竹を入れるとしばらくは竹の水分が蒸発していく為に緩やかにオーブンの温度は下がっていきますがある程度水分が飛ばされると今度は急速にオーブンの温度は上がりだします(このまま放置しておくと竹は燃え出し炭化してしまいます)この温度が上昇しだしてからのオーブンから出る湯気の出具合と匂いで判断しています(判りづらくてスミマセン)。 張りのある竿は竹が炭になる半歩手前、スローの竿は一歩手前位で抜くイメージです。要は勘と五感の作業です。



バインディング

2007年11月10日 | バンブーロッド
やっとロッド8本分のラフカットが終わりました。この段階で腕は筋肉痛で肘は真直ぐに伸ばす事も出来ないほど悲鳴を上げてます。次の工程は竹片6本をこのギャリソン式バインダーにて麻糸でバインディングしていきます。捻れない様に慎重に、かつ迅速に・・・

 

 本日は8本のバインディングで終了。明日は焼き入れ作業に入ります。今日はこれから近所の温泉へ腕の筋肉痛を癒しに行って参ります。

 

初雪

2007年11月05日 | 自然
 今朝は随分と冷えるなぁと思い目覚めると・・・



初雪です。例年より少し遅いですが、これから約半年間、道北地方は長い雪の季節に入ります。



我が家の犬達(チワワ4頭)は大喜びで初雪の味を堪能しておりました。

 冬のバンブーロッド製作は温度管理に一番苦労します。エポキシ系の接着剤、バーニッシュは温度が低いと極端に硬化が遅くなりますしウレタン系塗料は乗りが悪くなります。こまめに、室温と湿度の調整が必要です。
 ところで昨今の灯油価格の高騰には閉口します。一ヶ月の灯油代も去年の倍近くします。原油価格の高騰を抑えきれないのであれば灯油に含まれている原油税、消費税を何とか免税してもらえたら助かるのですが・・・