石ネズミ(3)

2020-04-25 07:17:48 | 童話
次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
『やあ、おはよう。』
『みんなおはよう。』
『おはよう。』
『やあ、今日もみんな元気だね。またがんばろうね。』
そして、いつものように、みんなで石を運び始めました。

『小さい石はここで、大きい石はあそこ。この石は丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。』
『あっ、違う違う、細長い石はここだよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日はまた普通のお弁当だけれどおいしいよ。』
そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながらお弁当を食べました。
『おいしかったね。』
『うん、普通においしかったね。』
『お昼ごはんが終ったので、少しお昼寝をしようか。』
『そうだね、午後も忙しいから、少しお昼寝をしようね。』
『お腹がいっぱいだから、お昼寝をすると気持ちが良いよね。』
『僕もお昼寝をするね。』

そして、今日もみんなでグーグー、グーグー。
そしてまた、1時間くらいたった頃に、またみんなで石を運びました。

石ネズミ(2)

2020-04-24 09:03:40 | 童話
そして、今日も暗くなってきたので、石を運ぶのはまた明日にして、みんな帰ることにしました。
『また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。』
こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には丸い石や細長い石も混ざった、小さな石が点々と置かれていました。

次の日も、河原にネズミがたくさん集まってきました。
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『やあ、今日もみんな元気だね。またがんばろうね。』
『今日は少し大きな石も集めようか。その小さい石はここで、この大きい石はあそこで、重たいから二匹で持ってね。あの石は小さくて丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。』
『あっ、違う違う、大きくて重たい石はここだよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、普通のお弁当だよ。だけれど、昨日のお弁当と同じくらいおいしいよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。』

そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながら、おいしいお弁当を食べました。
『昨日のお弁当よりおいしかったね。』
『うん、すごくおいしかったね。』
『お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。』
『そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。』
『お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。』
『僕もお昼寝をする。』そしてまた、みんなでグーグー、グーグー。

一時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
『ペッタンコの石はここで、おまんじゅうのように丸い石はあそこ。このカエルに似ている石はずっと向うだよ。そうそう、そこだよ。』
『あっ、違う違う、サイコロみたいな四角い石はこっちだよ。』
『みんなが良くがんばってくれたから、今日もこれで終りにしようか。』『また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。』

こうしてネズミはまた自分達の巣に帰って行き、河原にはたくさんの石が置かれていました。
『あと十日間か、がんばらないと間に合わないなあ。』

石ネズミ(1)

2020-04-23 09:59:55 | 童話
『お~い、がんばれ。』
『重たいなぁ。』
『重たくてもがんばれ。』
『白い石はここで、黒い石はあっち。この石は灰色と黒い色が混ざっているからあの辺だね。』
『あっ、違う違う、茶色の石はこっちだよ。』
『みんなが良くがんばってくれたから、今日はこれで終りにしようか。』
『また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。』
こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には小さな石が点々と置かれていました。
『あと一ヶ月か、がんばらないと間に合わないなあ。』

次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『やあ、みんな元気だね。今日もがんばろうね。』
『小さい石はここで、大きい石はあそこ。この石は丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。』
『あっ、違う違う、細長い石はここだよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、特別なお弁当だからおいしいよ。』
そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながらお弁当を食べました。

『おいしかったね。』
『うん、すごくおいしかったね。』
『お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。』
『そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。』
『お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。』
『僕もお昼寝をする。』
そして、みんなでグーグー、グーグー。

一時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
『それは三角形の石だから、あの黒い石の右側だね。そうそう、そこだよ。』
『あっ、違う違う、その四角い石は細長い黒い石の左側だよ。』
『やっと半分くらいできてきたね。』
『えっ、まだ半分なの?』
『そうだよ。』
『早く完成させたいね。』
『そうだね、まだがんばらないといけないね。』

僕とお父さんと、ボクとの約束(5)

2020-04-22 08:40:21 | 童話
僕を頑張れるようにしてくれたボクはすごいと思う。
ボクは本当に僕のお父さんの子供の頃なのだろうか?
『ねぇお父さん、お父さんは小さな子供の頃は、走るのが速く、鉄棒の逆上がりもできていたの?』
『走るのが遅く、鉄棒の逆上がりも全然できなかったよ。』
『でも、今はできるでしょ?』
『そうだね、逆上がりはできるけれど、今は走るのは遅くなっただろうね。全然運動をしていないからね。』
『でも速かったんでしょ?』
『そうだね、速かったよ。』
『お父さんはだれから教えてもらったの?』
『お父さんのお父さんから教えてもらったのだよ。』
『ふぅ~ん。僕はね、お父さんに教えてもらったんだよ。』
『お父さんは教えていないよ。』

『ううん、お父さんの子供の頃の男の子から教えてもらったんだよ。』
『そうか、お父さんも、お父さんのお父さんの子供の頃の男の子から教えてもらったんだよ。』
『僕と同じだね。』
『これは、お父さんとお前との秘密だよ。』
『うん、僕とお父さんとの秘密だよね。それから、僕はボクとずっと仲良くするからね。』

    おしまい

僕とお父さんと、ボクとの約束(4)

2020-04-21 09:41:02 | 童話
僕は、その日から毎日、ヒジを曲げるようにして練習を続けていて、逆上がりができるようになった。
僕は速く走ることと、逆上がりができるようになる練習を続けていたので、ご飯を食べるのも、学校へ行くのも早くできるようになった。

僕は、ご飯を食べている時に、徒競走で3番になった事と、鉄棒の逆上がりができるようになった事を、お父さんとお母さんに話をした。
お母さんは
『すごいわね。』
と言ってくれて、お父さんは
『どうしてできるようになったんだい?』
と聞いたので、僕は
『新しい友達が教えてくれたんだよ。』
と答えた。
だけれど、ボクの事は話をしなかった。

そしてある日、僕は友達とボクの3人で自転車で近くの公園に行った。公園までの道は上り坂だが、ボクが1番で僕が2番で、友達が3番目だった。今迄は僕は友達にかなわなかったので、友達が
『どうしてそんなに速く走れるようになったの。』
と言って驚いていた。