僕とお父さんと、ボクとの約束(3)

2020-04-20 08:45:46 | 童話
『走る時はね、ヒザを高く上げるようにするんだよ。一緒にやってみようよ。』
『うん、だけれど速く走れるようになれるのかぁ?』
『なれるよ、ボクと一緒に頑張ればできるよ。』
『うん、頑張る。』
『よ~い、どん。もっとヒザを高く上げて、もっと高く。そうそう、もっと高く上げて。』
『なんか、速く走ることができそうだ。』
『本当に速く走れているよ。』

僕は、その日から毎日、ヒザを高く上げて走る練習を続けていて、学校の徒競走で5人で走って3番目になった。
『今度は逆上がりをやってみようよ。』
『うん、頑張るよ。』
『分かった、手が伸びてしまっているからできないんだ。鉄棒を回り始める時にヒジを曲げて、体を鉄棒にくっつけるようにするんだよ。ボクがやってみるね。』
『本当だ、すごいね。』
『ボクと一緒にやれば君もできるようになるよ。』