真夜中のお話し仲間(3)

2020-04-09 09:01:45 | 童話
そして、ハンドル達が
『僕達は汚れてしまったので、きれいにしてほしいなぁ。』
と、男の子にお願いをしました。
『ああ、いいよ。家に帰ったら洗ってあげるね。』
そして、家に着いて、お母さんに
『ただいま。』
と言ってから、お水で洗っていると、お母さんが
『あらっ、えらいわね。』
と言ったので、
『自転車からきれいにしてほしいと頼まれたんだよ。』
『えっ、自転車から頼まれたの? そうね、ずいぶん汚れているわね。』
僕はきれいに洗ったあと、車輪の回転する所には油をさしました。
『これでいいや、きれいに洗った。』

すると、自転車は喜んで、ハンドルをブルブルブル、ペダルをクルクルクル、タイヤをポンポンポン、ベルをリンリンリンと楽しそうにしました。
そして、いつものように自転車を物置にしまってから、僕も物置で、みんなと一緒にワイワイガヤガヤと、お話しをしました。
『もうすぐご飯だから家に帰って手を洗いなさい。』
とお母さんが言ったので、僕は
『バイバイ、また明日ね。』
と言って家に帰りました。