石ネズミ(2)

2020-04-24 09:03:40 | 童話
そして、今日も暗くなってきたので、石を運ぶのはまた明日にして、みんな帰ることにしました。
『また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。』
こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には丸い石や細長い石も混ざった、小さな石が点々と置かれていました。

次の日も、河原にネズミがたくさん集まってきました。
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『やあ、今日もみんな元気だね。またがんばろうね。』
『今日は少し大きな石も集めようか。その小さい石はここで、この大きい石はあそこで、重たいから二匹で持ってね。あの石は小さくて丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。』
『あっ、違う違う、大きくて重たい石はここだよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、普通のお弁当だよ。だけれど、昨日のお弁当と同じくらいおいしいよ。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。』

そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながら、おいしいお弁当を食べました。
『昨日のお弁当よりおいしかったね。』
『うん、すごくおいしかったね。』
『お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。』
『そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。』
『お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。』
『僕もお昼寝をする。』そしてまた、みんなでグーグー、グーグー。

一時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
『ペッタンコの石はここで、おまんじゅうのように丸い石はあそこ。このカエルに似ている石はずっと向うだよ。そうそう、そこだよ。』
『あっ、違う違う、サイコロみたいな四角い石はこっちだよ。』
『みんなが良くがんばってくれたから、今日もこれで終りにしようか。』『また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。』

こうしてネズミはまた自分達の巣に帰って行き、河原にはたくさんの石が置かれていました。
『あと十日間か、がんばらないと間に合わないなあ。』