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火星ネズミ(3)

2020-03-21 09:09:25 | 童話
僕はすごい衝撃を受けて体が床に押しつけられたし、三人の宇宙飛行士も座席に押し付けられていた。
そして、しばらくして押し付けられる力が弱くなり、立てるようになった。
そのあと、こんどは体が浮かび上がったので、今迄隠れていたが、空中に浮かんだので3人に見つかってしまった。

僕は仕方なくみんなに挨拶をした。
『僕も宇宙飛行士になりたかったのです。みんなに迷惑をかけないので火星に連れて行ってください。僕の食べる物とお水は持っていますし、オシッコやウンチを貯めて押し固める袋も持っています。』
三人の宇宙飛行士は相談した。
『今この宇宙船から外へ出したらハツカネズミは死んでしまう。食べ物もお水も持っているし、ハツカネズミは体が小さいので酸素もあまり使わないので連れて行こうか。』
僕は大喜びをして、
『みんなの訓練の様子はずっと見ていましたので、この宇宙船のことは大体分かりますので、僕を宇宙飛行士として手伝わせてください。』
『よしっ、分かった。君には機械の操作はできないが計器の見張りをやってもらうよ。空気の圧力や炭酸ガス濃度、それと電気の状態を毎日記録するんだ。いいかい、君は宇宙飛行士なんだからね。』

僕はすごく嬉しかった。
『よしっ、頑張るぞ。』
こうして、僕は宇宙飛行士となり、3人の宇宙飛行士と一緒に、今も火星に向けて飛行していて、みんなとミッションを成功させて帰ってくるように頑張っている。
 
    おしまい

火星ネズミ(2)

2020-03-20 07:28:34 | 童話
それから僕は、みんなが宇宙の勉強をしている教室に入って行き、テーブルの隙間から勉強の様子を見ていた。

そうか、地球の空気が無い宇宙では、宇宙に飛んでいる宇宙線や、太陽からの太陽風が直接当たるので体を悪くするのか。宇宙船はその影響を少なくするようになっているが、太陽の爆発が大きくなった時は、それでも防げない場合が予想されるので、その時は安全な宇宙服を着るんだ。勉強は大切なんだね。

そうすると僕も宇宙服を作らないていけないね。だけれど、僕は機械が使えないので宇宙服が作る事ができない、どうしようか?
そうだ、倉庫に有る宇宙服用の布地を少しもらってきて、ロケットに乗り込む時に持って行こう。もし宇宙で危険になった時に、宇宙服用の布地にくるまっていればいいや。

そして僕は倉庫に行った時に、実験に使った宇宙服用の布地を僕の住家に持ってきた。その時に、宇宙食とお水、それとオシッコとウンチを貯めて押し固めておく袋も一緒に持ってきた。宇宙飛行士として、人間に迷惑をかけないようにするためだ。

そして、人間の訓練が順調に進み、僕の訓練も進んだ。
今回のロケットの行先は火星であり、永い宇宙旅行による。
そして訓練が終り、十名の宇宙飛行士から今回乗り込む三名が決定した。
発射の一ヶ月前となり念入りの最終チェックが続いた。僕もロケットに乗り込む物の最終チェックをした。

機体の確認ができたのでロケットに荷物が積み込まれたが、その時に僕が荷物を持って、そっと乗り込んだ。成功だ、僕は宇宙飛行士になれるのだ。
いよいよ、ロケットに燃料が入れられて、発射の秒読みが始まった。

僕は足を踏ん張って、発射の時に体にかかる重力のGに耐えられるようにした。
大きな声のカウントダウンのアナウンスがあった。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、発射。

火星ネズミ(1)

2020-03-19 13:02:53 | 童話
僕はハツカネズミ、僕の仲間には宇宙環境の実験のために、小さなオリに入れられて宇宙へ行ったネズミも居る。だけれど、僕は宇宙飛行士として宇宙に行きたいと思っている。

日本の宇宙飛行士十人は、ロケットの発射による重量に耐える訓練や宇宙船の操縦、そしてロボットアームの操作の訓練を毎日行なっていた。
一日の訓練が終ると疲れて、宿舎に帰って食事をしてお風呂に入ったら、すぐ寝てしまうのだ。

ハツカネズミの僕はみんなが寝ている間に訓練の装置を見て回った。僕は機械の操作はできないが、全部見ておけば人間が実際に訓練している様子が良く分かる。昼間は見つかってしまうので夜の間の探検だ。

僕の一番のお気に入りは操縦室だ。コンピュータ画面や計器がいっぱい並んでいる。
まだ全然分からないが、打上げまであと一年くらいかかるのではないかと思うので、その頃までには全て分かる予定だ。

『訓練開始!』教官の大きな声が響いた。
僕は訓練装置の隙間から訓練の様子を見ている。
『ふぅ~ん、そうなんだ。ハッチを閉めるのは、そのボタンで、船内の気圧は、あのメーターで、炭酸ガス濃度は、こっちのメーターなのか。』

計器類の確認が終わったら『Gをかけます。』とのアナウンスがあり、徐々に僕の体が重くなってきて、ついに体が床に張り付いて動けなくなった。
『そうか、ロケットが打上げられる時に体にかかる重力なんだ。』
しばらくしてやっと歩けるようになった。『ふぅ、大変なんだね。』

それからみんなは、いろいろな計器が異状を示した時に、原因を調べて修理する訓練をやっていた。
『ふぅ~ん、予備の装置がいっぱい付いているんだ。誰もいない宇宙に何年も飛んで行くから、全部自分達で直さなければならないから大変なんだね。』
何日か見ている間にいろいろ分かってきだした。

僕の元気君(4)

2020-03-18 06:44:21 | 童話
公園からの帰りに、信号待ちしていたお年寄りがいたので、僕と友達はマウンテンバイクから降りて、手を挙げてお年寄りと一緒にゆっくりと信号を渡った。
僕達はそのお年寄りから、『ありがとうね。』と言われた。

僕達は、元気君に明日何になってもらおうか相談した。
『明日は月曜日だから、宿題する時に教えてもらえる先生がいいよ。』
『そうだね。』

ある日、僕はおやつのケーキの大きさで妹とケンカをした。
『僕のケーキの方が妹のより小さいよ。』
『お兄ちゃんのイチゴの方が大きいわ。』
『そんなことないよ、うるさいなぁ。』
『うわ~ん。』

その時、僕のフォークになっていた元気君が、
『兄弟ケンカするのなら居なるよ。』
と言った。僕はあわてて妹に『ゴメンね。』を言って仲直りをした。
しばらくして、僕と友達は明日、小学校の卒業式を迎えることになった。

そして、僕の元気君が話し掛けてきた。
『今迄楽しかったね。君は明日で小学生じゃなくなるから、僕は次の子供の所へ行かなくてはならないんだ。今迄、いろいろな所へ行ったし、いっぱい楽しい事も有ったよね。中学生になっても、お父さんやお母さんの言う事を良く聴いて良い子でいるんだよ。そして、お年寄りや小さい子供に優しくするんだよ。』
『うん、分かった。今迄すごく楽しかった、ありがとう。元気君も次の子供の所で頑張ってね。明日の朝起きた時に居ないと思うので、今バイバイするね。おやすみなさい。』

      おしまい

僕の元気君(3)

2020-03-17 06:33:37 | 童話
しばらくしてから友達が遊びにきた。
『僕にも元気君が来たよ。今はね、消しゴムになっているんだ。』
『本当だ、消しゴムが動いている。』
『昨日は鉛筆だったけれど、やっぱり動いていたよ。』
『僕の元気君は消しゴムの時は、お話しはしていたけれど、動かなかったよ。えっ元気君、動けるの、なんだ動けるのか。』

『明日、二人の元気君に自転車になってもらって、二人で公園へ行こうか。』
『ああ、いいね。』
『元気君にカッコいいマウンテンバイクになってもらおう。』
『僕もマウンテンバイクがいいな。』
『じゃ、明日ね、バイバイ。』
『バイバイ。』

次の日、僕の元気君は赤い色に青色のラインの入ったカッコいいマウンテンバイクになっていた。『わぁ、カッコいいなぁ。』
公園に行くと友達は、黄色に赤いラインの入ったマウンテンバイクに乗ってきていた。二人は自分のマウンテンバイクを自慢したが、お互いのマウンテンバイクをカッコいいと思った。