火星ネズミ(2)

2020-03-20 07:28:34 | 童話
それから僕は、みんなが宇宙の勉強をしている教室に入って行き、テーブルの隙間から勉強の様子を見ていた。

そうか、地球の空気が無い宇宙では、宇宙に飛んでいる宇宙線や、太陽からの太陽風が直接当たるので体を悪くするのか。宇宙船はその影響を少なくするようになっているが、太陽の爆発が大きくなった時は、それでも防げない場合が予想されるので、その時は安全な宇宙服を着るんだ。勉強は大切なんだね。

そうすると僕も宇宙服を作らないていけないね。だけれど、僕は機械が使えないので宇宙服が作る事ができない、どうしようか?
そうだ、倉庫に有る宇宙服用の布地を少しもらってきて、ロケットに乗り込む時に持って行こう。もし宇宙で危険になった時に、宇宙服用の布地にくるまっていればいいや。

そして僕は倉庫に行った時に、実験に使った宇宙服用の布地を僕の住家に持ってきた。その時に、宇宙食とお水、それとオシッコとウンチを貯めて押し固めておく袋も一緒に持ってきた。宇宙飛行士として、人間に迷惑をかけないようにするためだ。

そして、人間の訓練が順調に進み、僕の訓練も進んだ。
今回のロケットの行先は火星であり、永い宇宙旅行による。
そして訓練が終り、十名の宇宙飛行士から今回乗り込む三名が決定した。
発射の一ヶ月前となり念入りの最終チェックが続いた。僕もロケットに乗り込む物の最終チェックをした。

機体の確認ができたのでロケットに荷物が積み込まれたが、その時に僕が荷物を持って、そっと乗り込んだ。成功だ、僕は宇宙飛行士になれるのだ。
いよいよ、ロケットに燃料が入れられて、発射の秒読みが始まった。

僕は足を踏ん張って、発射の時に体にかかる重力のGに耐えられるようにした。
大きな声のカウントダウンのアナウンスがあった。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、発射。