僕の元気君(4)

2020-03-18 06:44:21 | 童話
公園からの帰りに、信号待ちしていたお年寄りがいたので、僕と友達はマウンテンバイクから降りて、手を挙げてお年寄りと一緒にゆっくりと信号を渡った。
僕達はそのお年寄りから、『ありがとうね。』と言われた。

僕達は、元気君に明日何になってもらおうか相談した。
『明日は月曜日だから、宿題する時に教えてもらえる先生がいいよ。』
『そうだね。』

ある日、僕はおやつのケーキの大きさで妹とケンカをした。
『僕のケーキの方が妹のより小さいよ。』
『お兄ちゃんのイチゴの方が大きいわ。』
『そんなことないよ、うるさいなぁ。』
『うわ~ん。』

その時、僕のフォークになっていた元気君が、
『兄弟ケンカするのなら居なるよ。』
と言った。僕はあわてて妹に『ゴメンね。』を言って仲直りをした。
しばらくして、僕と友達は明日、小学校の卒業式を迎えることになった。

そして、僕の元気君が話し掛けてきた。
『今迄楽しかったね。君は明日で小学生じゃなくなるから、僕は次の子供の所へ行かなくてはならないんだ。今迄、いろいろな所へ行ったし、いっぱい楽しい事も有ったよね。中学生になっても、お父さんやお母さんの言う事を良く聴いて良い子でいるんだよ。そして、お年寄りや小さい子供に優しくするんだよ。』
『うん、分かった。今迄すごく楽しかった、ありがとう。元気君も次の子供の所で頑張ってね。明日の朝起きた時に居ないと思うので、今バイバイするね。おやすみなさい。』

      おしまい