僕の学校(2)

2020-03-23 06:51:16 | 童話
給食の時間は、お母さんが先生です。
今日は僕の大好きなハンバーグとカレースープです。シロもタマもハンバーグを入れるお皿を持って、順番に並んでね。そうか、シロとタマはお皿が持てないんだね。
それでは、並ぶだけでいいよ。

お昼寝の時間は、タマが先生です。ソファの上でスヤスヤ。だけど、シロは寝ていても直ぐに起きて、ボールで遊び始めます。

音楽の時間は、お母さんがピアノの練習で使っているメトロノームが先生です。
カチカチカチカチ、カチカチカチカチ。シロは、その音に合せて、ワンワンワン、ワンワンワンと鳴きますが、タマは、時々耳を動かすだけで、直ぐ寝てしまいます。

公園の砂場で遊ぶ時は、シロが先生です。シロは穴掘りがじょうずで、両方の前足を使ってドンドン掘ります。

公園の広場でカニ歩きをする時間は、僕が先生で、シロとタマは生徒です。
『カニさんはね、こうして足を順番に横に動かして横に歩くんだよ。シロもタマも前に歩くんじゃないよ、横に歩くんだよ。水槽のカニさんを見てごらん、横に歩いているでしょ。』

宿題の時間は、僕もシロもタマも、みんな生徒です。宿題ですから先生はいません。
『シロもタマも、ちゃんと宿題をしないとダメだよ。』

宿題が終ると、明日のお勉強の準備をします。明日の準備も先生はいません。
『今日は楽しかったなぁ。明日は何しようかな。』

そして、朝になると、また僕の学校が始まります。
     
おしまい