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おしゃべり畑(1)

2018-04-15 10:34:12 | 童話
僕が学校へ行く途中には畑が有り、いろいろな種類の野菜が植えられています。

夏の暑い日の朝、学校へ行く時にその畑から話し声が聞こえてきました。
『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』
すると畑の近くの家の中から
『ちょっと待っててね、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきました。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。
すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。

秋のすがすがしい日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『今年もおいしい柿の実がたくさん実ったから、たくさん食べていいよ。』
『栗もたくさん実ったから、栗ご飯にするとおいしいよ。』
すると、畑の近くの家の中から
『そうね、では今晩は栗ご飯にするわね。そして、デザートは柿にしようかしら。』
と声が聞こえてきました。
秋はたくさんの実が実るんだね。

お話君のお話

2018-04-14 09:56:26 | 童話
お話くんはお話が大すきです。
お話くんは、ぼくがお母さんとお話しするときも、お父さんとお話しするときもそばにいっしょにいます。
ぼくがポチとお話しするときも、タマとお話しするときも、ずっとそばにいます。

お母さんやお父さんとお話をしているときに僕がわらうとお話くんもわらいます。
お母さんやお父さんにしかられて、ぼくが泣いているときにはお話くんは、ぼくのそば
には、いません。
学校で先生やともだちと話しているときもお話くんはそばにいます。

お父さんが会社でお話をしているときにはお父さんのそばにお話くんはいません。
お母さんが美容院やスーパーでお話をしているときには、お母さんのそばにお話くんはい
ません。
ぼくが寝ているときには、お話くんも寝ています。
ぼくがくしゃみをすると、お話くんもくしゃみをします。

ぼくが病気で寝ているときは、お話くんはおふとんの中でぼくをあたたかくしてくれます。
ぼくが元気になって外で走っているときにお話くんもぼくといっしょに走ります。
ぼくが自転車に乗っているときに お話くんは、ぼくがころんでけがをしないように、い
つも注意してくれます。

運動会でぼくが一等になったとき、お話くんは、よくがんばったねとほめてくれます。
僕がビリのとき、お話くんは、こんどがんばろうね、とはげましてくれます。

ぼくのところにいるお話くんは、ともだちのところにもいるのかなぁ。
ともだちみんなのところに、お話くんがいるといいね。
ねえお母さん、ともだちみんなのところにお話くんはいるの。
ええ、みんなにひとりずつお話くんがいますよ。

ねえお母さん、お父さんにはどうしてお話くんがいないの。
そうね、お父さんも子供のころにはお話くんがいっしょにいたのよ。
だけどね、お話くんはたくさんいないので、ちいさな子のところへ行ってしまったのよ。

おしまい

夢の向こう(3)

2018-04-13 06:00:07 | 童話
それからしばらくは、高い空の上を走っているモノレールに乗っている夢や、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで駅から滑って降りてくる夢はみなかった。

ある日、僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗る駅にいた。
切符を買って待っていると赤い色のモノレールが着いたので、みんなと一緒にモノレールに乗った。

モノレールは速いスピードで、前に乗った時と同じ高い空を走って行った。
そして、モノレールの駅から幅が広くて、高く大きなエスカレーターでみんなと一緒に滑って降り始めましたが、僕だけ途中で別のエスカレーターに乗り換えた。

僕が乗ったエスカレーターが着いた所に学校があった。
教室の中を見ると先生が
『これから勉強を始めますので、みんな寝てください。』
と言って、生徒も先生も寝てしまった。寝ながら勉強をしているのだった。
チャイムがなると、先生が
『勉強が終りましたので起きて帰りましよう。』
と言ったので、生徒がみんな帰ってしまった。

よく見ると、学校の横に僕の家が有った。
僕がドアを開けて家に入るとお母さんが
『あらっ、おかえり。寝ながら宿題をやりなさい。』
と言った。寝るのと起きているのが反対なのだと気が付いた。

そして、僕は寝ながら歩いてエスカレーターを乗り換えた所に来たので、夢の出口へ行くエスカレーターに乗り換えた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
とお母さんに起こされた。
僕は夢の向うより、夢の中の方が良いなぁと思ったので、今は夢の向うの探検はしていない。

君達は夢の向うの探検で何か見つけたら教えてほしいなぁ。

      おしまい

夢の向こう(2)

2018-04-12 07:08:00 | 童話
またしばらくして、夢の中で友達が向うから歩いて来たので
『夢の向うから帰って来たの?』
と聞いたら
『そうだよ。』
と言ったので、僕は
『夢の向うへ探検に行ってくるよ。』
と言うと、友達は『うん。』と言って夢の出口から出て行ってしまった。
僕は一人で、前の探検の時よりもずっと遠くまで夢の中を歩いて行った。

ずっと歩いて行くと遠くに家が見えてきた。
もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて
『おかえり。』
と言った。僕は
『ただいま。だけど、ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』
と聞くと、お母さんが
『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』
と言った。
僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いた。
それから、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
僕はお母さんに起こされた。大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。
僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。
そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。

今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。

夢の向こう(1)

2018-04-11 06:56:26 | 童話
君達はどんな夢をみるのかなぁ?
僕はね、前にみた夢と同じ場所で迷子になる夢をみることがあるよ。
それとね、パラグライダーで高い空を飛んでいる夢や、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗っている夢や、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなが駅から滑って降りてくる夢をみたこともあるよ。
夢って、ふしぎだよね。
君達はどんな夢をみるのかなぁ。

僕はある日、友達が向うから歩いてやって来る夢をみたんだ。その友達は
『僕は夢の向うから帰って来たんだよ。』
と言って、夢の出口から出て行ってしまった。
次の日、その夢の話をしたが、友達は
『そんな夢はみなかったよ。』
と言った。
僕はもう一度、夢の中でその友達に夢の向うのことを聞いてみることにした。

しばらくして、また夢の中で友達が向うから歩いて来たので
『夢の向うから帰って来たの?』
と聞いたら
『そうだよ。』
と言って、夢の出口から出て行ってしまった。
その友達に、夢の向うのことを聞く前に、その友達は夢から出て行ってしまったので、僕は自分で夢の向うを探検することにした。

そして、夢の中を歩いて行ったけれど、いつまで歩いて行っても、夢は続いていて、夢の向うには行けなかった。
そして、朝になって目がさめた。
『残念だなぁ、夢の向うは、まだ遠いのかなぁ?』