夢の向こう(2)

2018-04-12 07:08:00 | 童話
またしばらくして、夢の中で友達が向うから歩いて来たので
『夢の向うから帰って来たの?』
と聞いたら
『そうだよ。』
と言ったので、僕は
『夢の向うへ探検に行ってくるよ。』
と言うと、友達は『うん。』と言って夢の出口から出て行ってしまった。
僕は一人で、前の探検の時よりもずっと遠くまで夢の中を歩いて行った。

ずっと歩いて行くと遠くに家が見えてきた。
もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて
『おかえり。』
と言った。僕は
『ただいま。だけど、ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』
と聞くと、お母さんが
『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』
と言った。
僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いた。
それから、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
僕はお母さんに起こされた。大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。
僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。
そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。

今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。


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