歌の好きなオジさん(2)

2018-04-05 06:05:52 | 童話
そして、翌日のお散歩の時に、オジさんは犬と猫にオヤツを買ってあげました。
お散歩から帰って、オジさんはいつものきれいな声の女性歌手の歌を聴いている時に、女性歌手の歌が、『昨日はありがとうございました。』に聞こえました。

オジさんは、近くに誰かいるのだろうかと思い、周りを見ましたが誰もいません。
一緒に歌を聴いていた犬に聞きました。
『お前が言ったの?』
犬は『僕じゃないよ。』と言いました。
今度は一緒に歌を聴いていた猫に聞きました。
『お前が言ったの?』
猫は『私じゃないわよ。』と言いました。
『だれが「ありがとう。」と言ったのかなぁ?』
『わたしよ。』と、またCDから声が聞こえてきました。
『昨日はありがとうございました。』
『いえいえ、私こそ楽しませてくれて、ありがとうございました。また次のコンサートに行きますのでよろしくお願いします。だけれど、私が大切に飼っている犬と猫がコンサートに行きたいと言っているんです。』
『犬さんと猫さんに小さくなってもらって、ケーキの箱に入ってもらって、鳴かないようにすれば大丈夫かな?』
『では、犬と猫に聞いてみますね。』
しかし、犬も猫も
『ケーキの箱に入るのはイヤだよ。その代わり、僕と猫が人間の子供になるよ。』
と言いました。

そして、オジさんは二人の子供と一緒にコンサートに行って、大好き女性歌手の歌を楽しみました。
そして、家に帰ってから、犬と猫に
『もう犬と猫に戻っていいよ。』
と言いました。すると、何時もの犬と猫が『
楽しかったね、次のコンサートにも連れて行ってほしいなぁ。』
と言ったので、オジさんは約束を守ろうと思っています。                   
おしまい