山の巨人(1)

2016-05-09 21:24:08 | 童話
昔、ある山に巨人が住んでいました。

山の頂上に足があり、足から上は雲の上にあるので、みんなは巨人だとは分かりません。

その巨人は、山から町にやって来る時に、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ます。

町に着くと巨人は小さくなって普通の大人と同じ大きさになり、町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰ります。

帰る時には、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ります。

山の巨人は小さくなっても力持ちで、町にいる時にみんなの手助けをします。

お年寄りが荷物を持っている時は代わりに荷物を持ってあげ、自動車が子供にぶつかりそうになった時には自動車を止めて子供にぶつからないようにします。

だけれど、巨人は町にいる時は普通の大人と同じ大きさなので、みんなは巨人だとは分かりません。