火星に行く日と火星に帰る日(6)

2016-05-03 10:08:54 | 童話
そして、一週間が経った時に僕達は火星へ行く宇宙船に乗って地球を出発しました。
『緑色と青色のきれいな地球さん行ってくるね。』

僕達の宇宙船がしばらく飛行していると、うしろからもう一基の宇宙船が近付いてきました。

窓から見てみると、その宇宙船に乗っていたのは、あの苗木を買っていた子供でした。
『やあ、また会ったね。』
『そうだね。君達はどこへ行くの?』
『僕達は火星へ行くんだよ。君達はどこへ行くの?』
『僕達は火星に帰るんだよ。』
『ふぅ~ん。君達はたくさんのお水と苗木を持っていたけれどどうするの?』
『火星に着いたら、苗木を植えてお水をあげるんだよ。あとね、海も作るんだよ。』
『そうなんだ、僕達も火星に種を植えて、お水をやって大きな木に育てるんだ。僕達も海を作るよ。』
『僕達と一緒だね。火星に着いたらみんなでやろうか。』
『そうだね、一緒にやろうか。』
『うん、そうしようよ。』