山の巨人(4)

2016-05-12 21:15:34 | 童話
その次の日、巨人がいつものように、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ました。

町に着くまで、着いたら小さくなるのを忘れないようにしていましたし、あまり小さくならないようにすることも忘れないようにしていました。

そして、いつものように町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰りましたが、帰る時に山の中で暗くなってきました。

その時、巨人は普通の大人の人と同じ大きさであることに気が付きました。

元どおりの巨人の大きさになるのを忘れていたのでした。

そして、巨人は、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰りました。

それから巨人は、小さくなることや、元のように大きさなることを、もう忘れ無いだろうか?

君達みんなで
『もう忘れないでね。』
と言ってあげようか。

『山の巨人さ~ん、忘れないでね!』

おしまい