ドッコイショ(2)

2018-06-12 06:51:29 | 童話
『ねぇおじいちゃん、僕もドッコイショやヨイショと言っても良いのかなぁ。』
『ああ、おじいちゃんと一緒の時だけドッコイショやヨイショと言って良いよ。』
『わぁ、うれしいなぁ。』
『だけれど、おじいちゃんと一緒ではない時は、ドッコイショもヨイショも言ってはいけないよ。』
『うん、わかったよ。』僕はおじいちゃんから、おじいちゃんと一緒の時は、ドッコイショやヨイショと言っても良いと言ってくれたのでうれしかったです。

これから、おじいちゃんと一緒の時は、おじいちゃんとドッコイショとヨイショと言う競争をしていました。
だけれど、僕が中学生になった時におじいちゃんとドッコイショとヨイショの競争ができなくなりました。

僕は時々、おじいちゃんのいる空に向って大きい声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』と言っています。
いつかおじいちゃんが高い空から、僕と競争するみたいに、もっともっと大きな声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』
と言ってくれると思っています。

おじいちゃんのドッコイショやヨイショが聞こえるのはいつなのかなぁ。

      おしまい