爛漫日記

インターネット古書店 独楽知の、春爛漫ではなくて、秋爛漫?の日記です。

谷内六郎「ひぐらし」

2007-08-21 14:37:32 | 谷内六郎
暑い、暑い、夏ですね。
熱風が吹く、じりじりと暑い陽の中にいると、頭がくらくらしますね。

六郎さんの空想は、うっそうと生い茂った杉木立の話なので、なんだか少し涼しい感じ。


「ひぐらし」(文・谷内六郎)
 ひぐらしの音は静寂な余韻をもち杉木立はしめった苔のにおいがします、夕暗の木立をぬけて行く白面の男、あれは机竜之助に違いない、竜之助殿待たれい、ササササ足早に近寄って来たのは虚無僧姿の二刀斎、峠を越えて行くのは法前上人、杉木立は謎に謎をふくんでいた、旅の僧珍念は山ふところの清水でウガイをするとパッと笑った、歯並が白い、今までの歯磨より十倍美しくなる○○歯磨、珍念は何ごとか意を決したようにひぐらしの鳴きしきる法丸寺へと急いだ。
 又又炎上、今度は法丸寺、漏電からか。
 夕暮れの山林を汽車の窓から見ているとこんなイメージが出てきます、物語の途中○○歯磨と出てしまったのは、汽車の沿道にある歯磨の看板が目についたためです、近頃は空想の中にもすぐスポンサーがつきます。




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