食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回顧録、食道がんの自己告知』

2013年01月07日 18時00分10秒 | 回顧録

『キング・オブ・ホビー』

私がアマチュア無線に熱中している頃に読んだ関連雑誌に『無線はキング・オブ・ホ

ビー』だと筆者は自負していると書いてあった。物好きな私は興味の湧いたものには、

ちょっかいを出し更に興をそそると,のめり込んでいくワンパターン。

しかし長期にわたることは少なく長いもので10年くらい、平均すれば5~6年で飽きがき

て次のものとの出会いを探す、または待つことになる。

魚釣り、アマチュア無線、狩猟、ラジコン・ヘリコプター、木工細工などそれぞれに関連

性のないものを趣味の一部としてやってきた。こうしたものとは別に郵政民営化に伴い

めてしまった切手収集や電子部品でTVゲームやカレンダーなどを作ったりも趣味と

していた。退職後は畑や山仕事をしているが元々は興味à趣味à生活の一部となってし

まっから、もはや趣味とは言えなくなってしまっている。

それではキング・オブ・ホビーはどれ?と言われても、それぞれに面白味があり目的も

うから比較のしようがないと思う。

なのに『無線は・・・』とおっしゃる御仁、別の雑誌では『魚釣りは・・・』と言われるであろう

ら、関係者の評価は手前味噌にならざるを得ない。興味を持った人が、それにのめり

込んだのだから、当然のこと面白いに違いない。私の経験したものの中でも甲乙は付け

られないし、どれもこれも王様だから『キング・オブ・ホビー』は存在しないと思っている。

 

『回顧録、食道がんの自己告知』

また,よく噛んで食べていないからかなと、身体の異常には辿りつく余地はなかった。しか

し、自覚症状が出始めると直ぐにその間隔が短くなり『食道がん』の文字が頭の中に浮か

んできた。『うちの家系は癌なしだ。この私が癌になるはずがない』

よくある自分に限って論・・・・この典型的なことは今自分が経験しつつある状態でも、やは

自分には起こらないものと思わさせてしまう。

しかし否定しようにも否定できないのである。物が詰まる原因を考えてみると食道が細くな

ているか、胃の入口辺が細くなっている。一時的に細いのではなく徐々に悪化している

ようだから、食道~胃に物理的な異物があり、それにより食べ物の通過をブロックしている、

これが正解だろう。考えたくはないが『腫瘍』こんな状態になってしまった腫瘍が良性である

はずはない。癌に間違いないと思ったが、末期だとか多臓器への転移なんてしていないだ

ろうと勝手に見立てていた。そこには、やはり自分に限って論が出てきた。

私の見立ては理路整然としていて、自分を納得させるに十分だったから、『癌の治療にか

らねば』と前向きで悲しんだり、落ち込んだりする猶予も与えられなかった。最初に起こ

ったことから僅かな間の出来事で癌だと判断したから、夜中に目が覚めて不安で不安で

なんてことはないし、あれほど病気を恐れていたのに癌らしいことが身の上に起きてしまっ

たら、妙に腹が据わり別人のような振る舞いだ。癌は死と隣り合わせとの感覚を私も持って

いたのに、不思議と死の言葉は全くと言っていいほど出てこなかった。7/25は私の63回目

の誕生日だ。まったく、人生最悪の誕生日プレゼントが天から落っこちてきた。

8月の初めの頃、妻には最初からのことを説明し癌になってしまったことを告知した。『盆に

墓参りに行かないと母や兄弟が何事かと心配するから、盆明けの翌週ころ病院に行く。手

術をして貰い必ず復活する』と宣言した。

妻は半信半疑で聞いていたが私の説明は理路整然としており、しかも本人は治療にやる

気満々だから、その体制に与する覚悟を決めたのか取り乱すことはなかった。

その年の夏は、暑い日が続いていたが、畑仕事にも精を出し夏野菜も沢山収穫し、癌の訪

問さえなければ、平穏な日々は続いていたろうに。

こんな状態でも酒と煙草はセットメニューで、癌になったと診断したのに相変わらず寛容だ

が、煙草の味は以前より悪くなったような感じだ。この頃に起こっていたことを文にすると、確

定的にこうだとか、ああだとか表現できず、『・・・の感じ』でしか表せない。

盆前には恒例の墓掃除を終え、盆には帰省している兄たちと会った。長男は冬に舌癌で手

術をして一応の治療を終えており、見た目には以前と何ら変わりなく、ただ煙草は止め医者

からの許可が出ているとビールは飲んでいた。

放射線治療の副作用で口内炎が酷くて治療中は食事がままならず、今も今後もこれの後遺

症は続くだろうと言っていた。術後にリンパ節への転移がみられリンパ郭清手術を受けてい

る。なぜ、最初の時にリンパ節廓清をしなかったのかな?

今からだと、もう3年以上前の事だから、リンパ節の除去で病状は落ち着いているのだと思う。


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