食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回顧録、最初の自覚症状』

2013年01月06日 18時24分35秒 | 回顧録

『木々』

年が明けてからの山仕事のメインは小型の茶箪笥つくり。高さ、幅ともに70cm位のもの

で、職業訓練校で習ったものを思い出しながら作っている。材料は昔に調達していた楡

(にれ)で、この材を板にするとケヤキのような木目が出る。完成させてから、カシューや木

工オイルを塗布すると木の色が薄い茶色になると、ケヤキの細工かと思わせるほど、よく

似てる。材質はケヤキほど硬くはないが硬い方に属す。

この材料は訓練校の先生の紹介で買ったものだが中国からの輸入材だ。この頃同じよう

に桐も買っていたが、やはり中国からのもので、こうした加工用の材料ですら国産はお目

にかかれなくなっていた。国内の林業は後継者不足、海外の安いものに押され結果とし

て、山は荒れ放題になりつつある。一時は住宅でもなんでもラワン材が珍重されたが、乱

伐で密林を禿山のようにしてしまった。そして本家では山は放置されたまま。

我が家の山にも自生の杉や椎木が沢山生えている。杉は幹の直径が70~80cmもあろ

かというものが何本もある。生えている場所は悪いし余りにも大き過ぎて始末のしよう

もない。こうしたことの積み重ねが、また山を荒廃させていくことになる。

頑張って山を綺麗にとやっているが、ほんの裾野で小競り合いをしているにしか過ぎ

い。それでも諦めないぞと空元気。

 

            仮組みをしてみた茶箪笥

『回顧録、最初の自覚症状』

煙草は勿論、酒もいつもと変わらず。未だ自覚症状も無く何となく、たまにだるいような

感じだったように思う。梅雨が明ける前頃から暑くなり、それと共に食欲は急激に低下し

た。

『夏バテかな』と、お気楽診断。夏は何処に行っても暑いからと、出かけることは殆どなか

ったが、暑気払いにと近場の滝や涼を感じさせるような場所に出かけてみるが、食べるも

のはソーメン、心太などあっさりしたものばかりを選ぶ。

それも一人前を食べきることもなく、つつく程度のものだが、そんな状態でも家ではご飯

は1膳くらいをきちんとした時間に食べていた。

そして、忘れもしない子供、孫たちとの焼き肉の日。知り合いの人に頼んで買う奥出雲和

牛、この肉はサシの入りようが抜群で軟らかく、口の中で溶けるとはオーバーだが、そんな

表現がぴったりする。

そいつを2Kg頼んで、皆にほーら、お食べと焼くと食べるわ、食べるわ。

そんな美味しい肉を食べ、冷えたビールをグィッ!。たまらんねー、最高。

ところが、胸につかえたような感じがしたのだろう、そんな明確なものではなかった。ビー

を飲めばつかえた感じはなくなる、グイッ。

『ん?、なんかもっと詰まったような感じになったな』

『ビール、ビール、飲み込めばいいんだ。』

何か、喉仏の辺りまでビールが詰まったようだと思った瞬間、ゲロしそうになりトイレに駆け

込み、ゲーッとやったら、焼き肉の塊が戻ってきた。

『なーんだ、肉が喉に詰まってたんだ。きっと、よく噛まなかったから大き過ぎたのだ。』

『さー、仕切り直し』

再び、焼き肉の席に戻り美味しい島根和牛とビールで乾杯。さっきは、きっと運悪く大きな

を飲み込んだからだと、これっぽっちも異常だと思うことなかった。

それから、暫くの間は食べても同じような状態になることはなかったが、ある日何か胃の辺

りに詰まったような感じがした。ひょっとして、先日のようなことになるのではと不安になりお

茶を少しだけ飲み、静かにしていると、スーッと降りたような感じがして、先ほどの閉塞感の

ようなものが消えた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿