食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回想旅行記、遺跡周辺の佇まい』

2014年02月03日 17時56分59秒 | 旅行

遺跡の周辺に住む人たちは粗末な高床式の家、少しお金のある家の屋根はトタンに藁が

乗せてあり、貧しい人、普通の人の家は板の屋根に申し訳程度の藁が乗せてある。この辺

りでも暖かい気候を利用して年に数回の稲作が行われると説明を受けた。稲作がどのよう

な秋季なのか知らないが、田んぼと思われる場所には手鎌で雑に刈り取った残骸が残され

ている。日本の田んぼのように数十本の束が綺麗に植えられているのではなく、ばら撒きの

ようだから稲穂も貧弱なものに違いない。稲わらは日本の一束と比べようもない雑なものなの

に、用途は沢山あるから貴重品だと思う。

電気は全戸に通っているのではなく、バッテリーで灯りをつけている所もある。そうした家にも

テレビは必需品とみえてちゃんとテレビ用のアンテナが設置されている。家の周りには台所

で使うための薪が積まれている。周辺に山などないから市場で売っていたものなのかもしれ

ない。垣根用に使われている棒杭も日本なら真っ直ぐな材木を使うが、ここでは何処かから拾

ってきたような曲がりくねったものばかりで作られていた。

遺跡周辺のジャングル近くに枯れ落ちた枝や木切れなどは一つもなく、綺麗に手入れされて

いると思っていたが、恐らく住民が拾い集めて使っているのだろう。こうしたことは昔の日本で

も当たり前に行われていたことだ。私は、ここの人の佇まいを日本の昔と重ね合わせてみる事

ができ、懐かしい臭いを感じる。上手く説明できないが、心の中にある故郷に戻って来たよう

な安堵感を覚える。だから、何度でも来てみたいと思わせる場所である。

遺跡の中にいると周囲に緑があり、アンコールワットのために木を植えたものかと思わせるが、

ジャングルで囲まれていることが夕日を見に行った高い所にあるブノンバッケンから確認でき

る。アンコールワットの塔は60mくらいあり、シェムリアップの街を含めて、これより高い建物を建

ててはいけないことになっているから、高級リゾートホテルなども全て、これ以下になっている。

この地は観光客を相手にして発展させようとあの手この手で集客を狙うが余り、地下水の枯渇

問題が浮上している。

欧米人を中心とする観光客が暑い環境の中で水を大量に消費するからだ。現地の人たちは濁

り切ったような井戸から組み上げる不衛生な水しか使えないのに、観光客はプールまで至れり

尽くせり。現地の生活状態を見ながらホテルに戻ると何か後ろめたいな気分なることがある。私た

ちには1$はピローチップでも彼らには生計の一部になり得る金額でもある。

遺跡の詳細はガイドブック、ネットを参照願いたい。

 

          ブノンバッケンから見たアンコールワット


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