誰もが良く知っている鶴の恩返しという物語がある。あるおじいさんが罠にかかっていた鶴を助けてやった。ある
雪の晩、道に迷った美しい娘さんが道に迷ったとお爺さんとお婆さんの家にやってきた。親切な娘さんがすっかり
気に入り一緒に暮らすようになり、娘さんはお爺さんたちに『機織りをするので決して部屋を覗かないで』と言い
機織りを始めた。出来あがった反物は上等で・・・・・・・と続き、お爺さんたちが部屋を覗いたら、あの助けた
鶴が自分の羽を元に機織りをしていた。こんな物語だ。
日本はバブル崩壊後に日本は不良債権処理に悩まされていた。銀行も自己資本率が低下し国際的な信用を失い
かねない事態が生じた。こんなことになった責任は政治や経済状況というのが通例だが、銀行自体が馬鹿げたマネ
ーゲームをした結果だ。ここで政治の判断として沢山の銀行に『資本注入』という名のもとに『国民からの税金』を貸
し出した。つまり株券はないが国民が株主になったのと同じ状況だ。だから銀行は国民に大変な借りがあり恩を感
じているはずだ。対策はそれだけでは終わらず『預金利息を限りなくチャラにする』という前代未聞の国による民間会
社救出作戦が始められた。税金を貸してやり、利子まで免除して銀行の危機を救ってやったのは、蓄えの殆ど無い
人から多額の預金を持つ人たちの善意だ。
時は巡り、そうした銀行もスケールメリットを活かすメガバンクに統合されたり、様々な形態で合併をして健全化
を取り戻し、今や空前の利益を上げるに至った。国はデフレ脱却策の一つとしてゼロ金利政策が取っている。日銀
と一般銀行との間の金利と私たちと銀行の金利の関係は詳しくないが、あの時は金融危機と言う名の下で私たちの
金利を下げた。今は金融危機ではなく銀行は空前の利益を上げているなら金利は少なくても当時のものに戻すの
が筋ではないのか。
鶴はお世話になったお爺さんたちに自分の羽で反物を織り、恩を返した。銀行は『鶴の恩返し』を知らないのか、
知っていて知らんふりをしているのか。物語の続き、銀行員が覗いてはいけないと言われていた部屋を覗くと、機
を織らず居眠りをしている鳥がいた。よく見てみると『鶴ではなくサギだった』
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