胸部食道がん、吻門部胃がんと正式に病気に命名された時には『禁酒、禁煙』の
通告はなかった。病気の主要因だろう、このお二方がそのまま許されるはずなど
ないことくらい私にもよーーーく分かっていた。医者からそう言われなくても止める
のが当り前のことだが、今更ジタバタしても癌が小さくなるのではないし、急激に
悪化することもなかろうと、このお二方に寛容な姿勢。
医者から『禁酒、禁煙』の通告後も暫くは煙草を吸っていたし、酒も少し減らしたく
らいだったが8月26日を禁煙と決めた。心は『暫くの間は休煙とする。癌の摘出
手術が終わり退院したら、まず一服する。それから減煙か禁煙か考える』
その頃には2箱/日だったものが1箱弱/日と減っていたが、煙草への執着は筋
金入りだったから本当に煙草を吸わない日々が過ごせるの? と懐疑的。
あれほど煙草を減らそうと努力しても効果は少なかった・・・・・人からは『意志が弱
い』と決めつけられてきた。身を賭して高い税金を納めてきたにも関わらず、納税
の評価をされるでもなく、医者からは嫌味のオンパレード、散々な思いをしながら
の煙草人生。
よく決心した、と言いたいが医者からは『喫煙年数の長い人ほど術後に痰がきれ
なくなる。そうなると処置も貴方も大変だ』また『術後、ICUにいる期間が長くなり
復帰に時間がかかる』
色々と言われるが、それがどれくらい大変なものか、深刻なものかなんて何も分
からない。しかし、感覚的には分かるから仕方なしに決心したのであって、女々し
いものだった。
あれから、もう3年も経ってしまった。喫煙期間からすれば未だ3年ということにな
ろうが、禁煙をしたことによる心境、体調の変化はない。
悶々としながら禁煙生活を送るはずだったのに、『手術して退院すれば、また吸
える』が後押しをしていく内に『今日で禁煙XX日目』に変わっていき、これの延長
線に『知らず知らずの内に煙草との決別』があった。
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