食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人、失矢Ⅱ』

2013年07月26日 18時13分44秒 | 趣味

『逃ずた、逃げた』と叫ぶ、リーダーにつながり『どっちだ』、『ヌタ場の方だ』私は外

したことで動転した。暫くしてリーダーもチラッと見えた背中をめがけて撃ったが外

れた。それから10分ほどすると下の方から微かな銃声がした。

『捕れたぞ』の連絡は中継しながら私の所にも届いた。

『よかった、外した奴が捕れて』と安堵した。

山を降り、Tさんが撃った場所に集合する。遅れて私がそこに着いた。

『Tさん、ダンダン、どれ?』

『その向こう』

指差す所に行ってみると、そこには黒々とした大きな猪が倒れていた。

『これは、私が撃ったのと違う、もっと茶色だった。じゃあやっぱり外れたんだ』黙っ

ていれば誰にも判らないことだが、これがこのグループのいいところだった。もし、

これが他のグループと一緒にやっていたとしたら多分そうは言わなかったと思う。

勿論のこと、その夜の酒の肴は、撃ち取ったTさんではなく外した私だった。

銃を撃ち猪に命中した時は、速く走っていたとしてもドンぴしゃりのタイミングだか

ら、猪がそれほど速く走っているようには感じないものだが、今回のように外してし

まうと目の前には数秒もいないから、瞬間にフェードアウトしたように思える。猪は

とても速く走り動作は想像以上に機敏だということを、しっかり教育された。危ない

時は瞬発力を発揮し危機を乗り切るのだろうが、スタミナという点では体温上昇が

激しく持続性には欠けると思う。長らく猪猟をしている人の中には待ちをしていて

猪が1度も出てきたことがない人は沢山いることを考えれば、私には短期間に7度

の発射チャンスを与えられたからラッキーな方である。

猪猟で使う弾は散弾ではなく1発弾と言われるもので粒々がまとまって1発にして

あると思えばいい。猪は大物だから散弾を撃ち込んでも効き目はないから、威力

のある1発弾を使う。1発弾だから命中の確率は低くなり不安な人は、威力は減る

が数発入っている弾を使う人もいた。

不名誉なことではないが外れたのはこの1回と、後述する『夢追人、確率2/3』で

の1回、計2回だったことを明記しておく。


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