食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人、マミ掘りⅠ』

2013年07月17日 17時54分49秒 | 趣味

猟期の間には天候条件が悪く猟にならない日が何日かある。家でじっとしていても

つまらない。そうした時の為に、ネタを見つけておく。マミ(穴熊)掘りがその一つだ。

狩猟法規上の解釈からすれば問題はあるかも知れないが、時効と言うことにして頂

き他言無用のお話をしよう。

私は散弾銃の狩猟だから乙種になる。だから穴を掘り、最終的にそれを銃で撃ち取

るのは違反にはならないが、銃以外のものを使って捕ることは法解釈上、違反にな

る可能性が高い。この場合、銃を使って獲ったということにして頂こう。

朝から霎混じりの最悪の天気の、ある日曜日。カッパを着ての猟までの根性はない

し、代わりに炬燵の番人では芸はない、ウーンと唸っていると以心伝心の電話が入

る。『以前から目をつけていたマミ穴がある。多分、間違いなく冬眠していると思う』

スコップ、クワを手に造林でもするような格好をして、天気の悪い山に出かけていく。

マミの穴は尾根筋の排水のいい場所にあり、居るか居ないかは穴の外にある泥の

新旧で判断する。泥の新しい穴には数匹のマミが冬眠している。

本日の穴は、その条件を満たしており可能性は大。穴の直径は20センチほどの小

さなもので柔らかい木を突っ込んで深さを調査してみると1メータ位先で直角に曲が

っていて2メータ近くまで木は入るがその先の様子は判らない。穴は水平方向で上

から掘ると奥に行くに従って深くなるので得策ではなさそうだ。穴に沿って掘ることに

した。時間はかかるだろうが確実性を重視したのだ。

土は掘るとその量は2~3倍になる。掘ったものは次々と斜面から下の方に捨てるが

直ぐに山のようになってしまう。掘り進むためには人間が屈んで作業できる最低の直

径、80センチは必要だ。マミの穴を見失わないようにする為、穴の中心がマミの穴

になるような位置取りをしながら掘り進む。1メータ掘ったところで作業の程度が判っ

た。今の装具では奥に行くほど、掘った土を外に出すのに効率は悪くなり人海戦術

を取るにも、数が少な過ぎる。装備の補給、人の確保、長期戦に備える必要がある。

1メータ掘るのに小1時間はかかり、この先どれ位あるのか予測もっかない。その上、

土は真砂土で柔らかいから相当遠くまで掘っているはずだ。この時点で救援と物資

の補給を決心し一人が山を降りた。結果からみるとこの判断なくして成功はなかった。

作業効率のポイントは先述の『掘った泥は穴の外に出す』これに尽き、奥に行けば

いくほど作業が大変になるからだ。分担を先に掘り進む先鋒、その土を後ろに構え

る人に送り出す人、中間で受け渡し外に運び出す人、これらが機能しないと時間ば

かりかかり先には進めない。

特に、穴の入口は外に出した土が直ぐに溜るので、常に泥を下方に押出すことをし

なければならなかった。

穴の中は暗いから明かりとして懐中電灯を使うが、穴が直線でなくなると明かりが通

らなくなるので数個の用意が必要。3メータほど掘ったところで調達人が一人の応援

者と機材、穴の中から土を出す為のト口箱とそれを引っ張る口ープ、小型のクワ、そ

れに食料品を携えて帰ってきた。


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