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引越しいたします。

英 The Economist 新疆ウイグルレポート

2005-12-08 22:38:58 | ニュース

イギリスの上級紙エコノミストが新疆ウイグル情勢についてのレポートを発表した。先のシュピーゲルに続くものであるが、いわゆる告発調でなく現実を見据えたものとなっている。去年もカシュガルのレポートを出したようだが今回のものはどういった波紋を投げかけるか?
中国の極西 その支配のもとで

The Economist 12月1日
http://www.economist.com/world/asia/displayStory.cfm?story_id=5252768
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中国指導者にとってイーニンの町は遅れた西部地域の発展させる、この6年の政策の広告である。舗道沿いには行政センターや数階建てのショッピングモールが建ち並びはじめている。高級車また、石炭を積んだトラックの大群が道路を紡ぐ。日中は驚くべき多様な民族、漢族、ウイグル族、カザフ族、オロス族、タジク族の商人が市場に集まり商品や中央アジアでの旅行での噂話を交わしたり、夜になればビリヤードで社交したり、公園でダンスをしたりしている。
新疆、中国で最大かつ最西の州にあり、かつては停滞する地域であったが(イーニンは)その繁栄とコスモポリタニズムで知られるようになっている。この地域への訪問者はこの町の暗い過去のつぶやきを聞くには遮断された郊外に旅しなくてはならない。1997年に二度、ウイグル人、カザフ人ムスリムは分離主義暴動をこの地で進めたが、中国政府から容赦のない反応を引き起こした。何人かの人が殺され、より多くが傷ついた。「いまだに恐ろしくなるときがある。」あるカザフ人が打ち明けた。
しかし、多くのイーニンの住人にとってそれらの日々の記憶は薄れており、すぐ富裕になれるということや平和な安定の前に重要性はなくなってきている。
中国の目的は沿岸地域での繁栄をコピーすることだけではない。中国のワイルドな西部フロンティア地域たる新疆を飼いならしたいのである。2000年1月より中国は「西部大開発」、(たびたび、「西部へ向かえ」政策として知られる)を進めてきたが、それには経済的停滞地域の成長を促すこと以上のことがあったのは明白なことである。西部大開発は遠く離れた地域に対して中央のコントロールを強め、それらの地域を中国内地(china proper)に吸収することへの近道である。新疆(「新しい境界」を文字通りは意味する)はその西部で最も手におえない地域であった。
言語、文化、そして宗教の溝が中国人口の90%を占める漢族中国人と新疆のウイグル族、カザフ族、タジク族との間にある。この地域のイスラムはスーフィー神秘主義に大きな影響を受けているが中国共産党に信奉されている無神論と居心地悪く共存している。新疆は定期的に地方の独立支持者の蜂起によって騒然となっている、「東トルキスタン」それは彼らの地域の中国名(新疆)を嫌う、独立主義者がよぶその名である。

1945年、ソ連に近いイーニン地域で短期間存在した独立共和国の創造を導いた反乱があった。しかし1949年、ロシア人がウイグル人に毛と協力するよう命令してそれは廃された。1933年の東トルキスタンはたった2,3ヶ月しか続かなかった。当局は1990年から2001年まで162人の死者を出した「テロ事件」が2000件以上あったというが、1949年以来中国の支配は本気で挑戦を受けたことはなかった。最も最近の大きな動揺は1997年のイーニン暴動と共におこった。ウルムチで3件、北京で1件のバス爆発事件が新疆分離主義者の仕業として非難された。
離散、亡命したウイグル人の中で独立の要求はいまだに聞こえてくる。ウイグル人の女性企業家で元政治犯のレビヤ・カディールさんはこの3月に中国によってアメリカに追放されたが、この大義の卓越した応援リーダーとなった。レビヤさんは中国政府から「テロリスト」のレッテルを貼られ、その新疆の家族は警察から嫌がらせを受けている。アムネスティ・インターナショナルは、政府の告発は「何の証拠にも裏打ちされておらず、」新疆のより広範な取り締まりの一環としてカディールさんとその仲間たちの信用を失墜させることを目的としていると思われる、と言う。
しかし、この9月のはじめ、中国が新疆ウイグル自治区と呼ぶ地域の設立50周年祝賀行事は妨害を受けること無しに挙行された。イベントのきびしいセキュリティはいまだ当局が、分離主義者たちは圧倒されているものの安全リスクを引き起こすかもしれないといまだに恐れていることを反映していた。しかし中国はまったく新疆がチェチェン型の衝突に陥ることは心配していない。そしてテロリストの危険の警告の数々にもかかわらず中国当局は、迅速な経済発展が中国の他の地域の過激な政治的主張からの一時的中止を買うことができ、その同じ公式は新疆でも適用できるであろうということを確信しているように見える。
新疆は単なる国家的威信の理由よりも保有するより大きな価値をもつ逸品である。中国がその経済発展に力を与えるための燃料を探すにしたがい、その注視が豊富な石炭、石油、天然ガスの資源をもつ西部の新疆ウイグル自治区に向かうのは避けられない。広大なタクラマカン砂漠の端をドライブすると展望は終りのない油井と穿孔機の地帯である。公式な誇大発表ではいったいいくら新疆に石油とガスがあるのか言うのは困難である。しかし自治区は中国の最大の石油、ガス産出者(CNPC)による探査の焦点である。
新疆でのケラ第二天然ガス田の発見は昨年新疆から中国東海岸に4000キロのパイプラインの設置させることになった。3年前新疆北部ジュンガリア盆地の油田の年間産出量は1000万トンを越えた。2004年にタリム盆地の油田は500万トンを提供した。

次へ
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20051208

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国連人権委ノワク調査官、記者会見「中国の刑務所で拷問が広範に続く」

2005-12-03 23:16:43 | ニュース
ノワク調査官の調査が終わったようである。
ノワク氏は11月22日から約2週間の予定でチベット、ウイグル両自治区、北京で「拷問」に関する調査を行っていた。
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20051130
ライブドア12月2日AFP時事
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1520741/detail
ノワク調査官は、拷問は減少の傾向にあるものの、いまだに広範に行われており、構造的な改革を要する点が多々あると指摘した。同調査官が報道用資料の中で公表した中国の拷問手法には、電極による電気ショック、火のついたたばこの押し付け、水あるいは下水に突っ込む水責め、極端な高温あるいは低温への露出などがある。
同調査官によれば、服役者との面接調査は北京のほか不安定な情勢が続くチベット、新疆ウイグル両自治区などでも行われたが、国務院や公安省の当局者が密接に監視し、調査を妨害した。カメラや電子機器の持ち込みも認められなかった。当初、中国側は抜き打ち調査を認めると言っていたが、実際には当局から刑務所に事前に通報されたため、抜き打ちにはならなかったという。
同調査官によれば、服役者との面接調査は北京のほか不安定な情勢が続くチベット、新疆ウイグル両自治区などでも行われたが、国務院や公安省の当局者が密接に監視し、調査を妨害した。カメラや電子機器の持ち込みも認められなかった。当初、中国側は抜き打ち調査を認めると言っていたが、実際には当局から刑務所に事前に通報されたため、抜き打ちにはならなかったという。


ノワク調査官は、中国高官は一月一日にはすべての新しい死刑の再審請求の取り扱いをはじめるであろうと述べた、と言う。
その長いあいだ希望された法改正は、世界の他の国全体の処刑者の数より多い中国での死刑の適用を極めてはっきりと減らすことにあると期待されている
しかし、ノワク氏は中国は監獄での拷問を排除し、国際標準に適応させる前に、刑法を徹底的に検討し、裁判官と弁護士により大きな権力を与え、また収監者を「再教育」しようとすることを廃止しなければならないだろうと述べた。
「拷問は特に都市部では減ってはいる、それにもかかわらず中国全土でまだ広く残っている。」
「もっと構造的な改革の必要がある。」
ワシントンポスト 12月2日
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/12/02/AR2005120201779.html
ノワク調査官、中国の圧力に屈しない、つわものであったようだ。中国が三権分立しておらず、司法も共産党指導下にあることがはっきりわかる。ノワク氏の調査は中国にとってうまい宣伝にはならなかった。



2005年ラフト人権賞はチェチェンの弁護士に

2005-12-03 14:35:41 | ニュース
前から当ブログを読んでいただいている方はご存知であろうが、レビヤ・カディールさんは去年のノルウェー、トロロフ・ラフト財団のラフト人権賞受賞者である。
で、今年の受賞者は誰かまったく気にしていなかったのだが、先月11月6日チェチェンのグロズヌイ出身の弁護士リディヤ・ユスポーヴァさんに授与されることに決定していた。おめでとうございます。
ラフト財団HP
http://www.rafto.no/
バイナフ自由通信さんの情報
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20051119/1132372134#20051119f3

この受賞はまったく知らなかった。レビヤさんの受賞はまだ産経で伝えられたが、こちらは同じ賞であるのにネット上でもほとんど報道されていない。

私はチェチェンについてまったく知らない。しかし当地のムスリムは新疆ウイグル自治区にも縁が深いイスラム神秘主義スーフィズム、ナクシュバンディー派の影響が強いという。(そういうところは中国当局の過度の厳打政策の正当化の根拠になっているのではないか。)
100万人の人口で20万人もの人が戦乱で死んでいるというすさまじい実態、しかし国際社会が問題解決に動こうとすることはほとんどない。去年のベスラン事件や、大統領暗殺事件の影響が大きいのだろう。
旧ソ連でのイスラムの復興は大きな影響力をもっている。
チェチェンのバサーエフ司令官はバリバリのソ連軍の将軍だったし、ウズベキスタンでもジュマ・ナマンガニはアフガン戦争に従軍したソ連軍兵士であった。

新疆ウイグル情勢は一応、表向きは「平和」である。まだチェチェンの実態に比べるとマシであるともいえよう。
こういうチェチェン化をさせないためにも中国当局は単純な「中国化政策」を改めるべきだと考える。


ウイグル報道 BBC、ドイチェベレ、シュピーゲルなど

2005-12-02 22:47:30 | ニュース

先ごろ、シュピーゲルのレビヤ・カディールさんインタビューをエントリーしましたが、
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20051124
BBCでもウイグル人を取材したレポートが発表されました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4482048.stm
ありがたいことに「朝日新聞を読む」さんの方で紹介されていますのでリンクします。webmasterのakiさんがおっしゃられるように潜入取材であると思います。
http://ihasa.seesaa.net/article/10022641.html
ところで、ブログのデザイン変更してみました。キジル・ブラン(赤い嵐)を意識しましたがもちろん自分で創ったのではありません。OCNのテンプレートでございます。(笑い)
そのきっかけはドイツ国際放送ドイチェ・ベレの記事の英語版を使っているサイトでレビヤさんの記事および写真を発見していたことであります。
このサイトの名前qantaraとはアラビア語で橋を意味し、ドイツ外務省が後援するイスラム世界とドイツの橋渡しの会話を意図したもののようです。
http://www.qantara.de/webcom/show_article.php/_c-476/_nr-412/_p-1/i.html
BBCでの記事にもあったようにレビヤさんはこの夏にはヨーロッパでウイグル人の実態を訴える為に旅行しておられました。そういうことで新疆党主席にありえないようなことで非難をあびた事もあります。ドイツを訪問されていたとき、ドイチェベレの取材を受けていたようであります。(写真を使わせて頂きました。)
ドイツは確かにミュンヘンにウイグル人団体が本拠を置いていたり、中央アジアへの興味が歴史的に長いことも影響しているのでありましょう。
これら、イギリス、ドイツの報道は目を覆うばかりの日本の新疆ウイグル関係報道とはまったく違っています。
近頃新疆ウイグル自治区を取材した、NHK上海支局のの奥本龍太、同じく朝日の塚本和人(海賊DVDで有名)また大物記者で報ステの解説を担当する朝日チャイナスクーラーの巨魁、加藤千洋かれらは問題の存在は知っているのかもしれないが、ウイグル人の実態について触れることはありません。
それは日中関係云々よりも日本人の関心の低さにも原因があるだろうと近頃思ってきました。


新疆ウイグル カザフスタン国境 阿拉山口で放射能汚染?

2005-12-01 00:26:55 | ニュース
読売新聞11月28日
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051128id23.htm
国際先駆導報 元記事(中国語) 
http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/herald/2005-11/25/content_3833481.htm

【北京=竹腰雅彦】カザフスタンやキルギスなど中央アジアから放射線を帯びた金属廃棄物が中国に流入し、検査に当たる中国・新疆ウイグル自治区の税関職員に脱毛や記憶力減退などの被ばく症状が現れていることが明らかになった。
中国週刊紙・国際先駆導報(25日号)が伝えた。
 同紙によると、放射性金属廃棄物の流入は1995年ごろ始まったが、今年になって大量に発見されるようになった。廃棄物の多くは鋼鉄、銅、アルミで、カザフスタン国境にある中国第2の鉄道税関所・阿拉山口では10月までに、放射線基準値を超えた約2・1万トンの鋼鉄廃棄物を中央アジア側に送り返した。
 旧ソ連の核実験場があったカザフスタンからは、解体された実験施設の金属廃棄物が流出しているとされる。
 流入増の背景には、中国が急速な経済発展で不足しがちな鉱物資源の確保を世界規模で進めていることもあると見られる。当局は、米国製の最新放射線検査機の導入や専門検査員の増員など対策を講じているが、対応しきれない状態。

ロシアの放射性廃棄物の管理不行き届きを告発するような内容。これは例の松花江の化学工場事故での汚染事故を意識して、ロシア側も批判する意図ではないかと深読みしてしまう。
カザフスタン国境貿易といえばあのレビヤ・カディールさんも大いに活躍したそうである。
レビヤ・カディールNHKインタビュー 1995
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20050530