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引越しいたします。

1995年 NHK レビヤ・カディールさんを取材していた!中国ウイグル

2005-05-30 22:41:42 | テレビ番組
当ブログを前から読んでいただいている方なら、レビヤ・カディールさんについてはよく知っていただいたと思う。1999年に「新聞を国外に送ろうとした罪」で中国公安に逮捕され、懲役8年の刑に服していたウイグル人女性実業家レビヤさんはこの3月にアメリカ他、人権団体の尽力もあって釈放された。ところがこの事実は毎日新聞以外ではほとんど報道されることがない。ところがであるNHKは10年前、このレビヤさんを取材していたことがこのほどわかった。
NHKスペシャル「中国 12億人の改革解放」という番組の第7集「新疆カザフ国際列車」の回である。この回では、1992年に運行が始まった中国カザフスタン間を走る国際列車が、ウイグル族をはじめ、新疆ウイグル自治区の商人に大きなチャンスを与え、経済の繁栄が始まったことが描かれていた。そしてその中心人物としてレビヤさんが登場しているのである。
そして、この番組のナレーターは驚くなかれ松平定知アナウンサーなのだ!
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1992年、二道橋に8階建てのビルが出現した。ちょうど国際列車が開通した年である。このビルには全階にわたって870件の商店が所狭しと並んでいる。すべてウイグル商人の店だ。売られているのはほとんどが、衣類、布地、靴、帽子といった日用品である。870軒もの店がこれだけ同じような商品を扱って、はたしてやっていけるのかと心配してしまうほど品揃えはどの店も似通っている。しかし、どの店も十分に売上があるというのだから、ウルムチの消費意欲のすごさにびっくりさせられる。
 このビルは「ラビアビル」という名で通っている。らビアはビルのオーナーの名前である。ラビア・タディール(注・ママ)さん、47歳。ウイグル族の女性で、ウルムチでは名だたる個人企業家である。ラビアさんは立志伝中の女性として、新疆のみならず中国全土に名をとどろかせている。全国の富豪10人にも数えられ、中国国内で発行される雑誌にもしばしば登場している。自らいくつもの企業を経営し、さらに自治区個人企業家協会副会長や、自治区および全国の政治協商委員という要職をも務めている。
 ラビアさんは改革解放後、裸一貫で商売に身を投じた。1979年、わずか60元の資本金を元手に二道橋市場で商売を開始したのだが、今、ラビアさんの資産は一族合わせて一億3000万元にも及ぶという。この十数年の間に、なんと元手の220万倍の富を築いたのである。
 ラビアさんは理髪師の娘として生まれた。家庭が貧しかった為小学校は5年でやめている。その後、奮起して大学を目指すが、今度は文化大革命のためにその望みを断たれた。ラビアさんは洗濯、雑役、お手伝いなどをして家庭の生活を支えたという。
ラビアさんが32歳で商売をはじめたとき、世間はそんなはした金で商売ができるわけがないと一生に付したという。しかし、ラビアさんは、他の店の売れ残りの品物を集めて売ったり、ゴミ捨てを請け負ったりと、人のやりたがらない仕事をやって、こつこつとお金を貯めていった。当時、毎日朝6時から夜12時まで休みなく働いたという。次第に、世間から信頼されるようになり、ラビアさんのもとに大口の商売話が持ち込まれるようになった。儲けも倍々ゲームのように増えていった。
 ラビアさんは今、振り返って言う。
「商売は私たちウイグル族の伝統だったのよ。商売は長年の夢だった。鄧小平が私たちに希望をもたらしてくれたのよ。」
ラビアさんは巨万の富を築いた。そして1992年、仲間のウイグル族のためにと1400万元を投じて、ニ道橋にラビアビルをオープンさせた。当時ウイグル族の商人はみな、露店しか持っていなかった。「ウイグル族が安定して商売できる場所を作りたい。」ラビアさんはそう考えたのである。

NHKスペシャル「12億人の改革解放Ⅲ」より38~40ページ 執筆は報道局番組部 安出光伸氏
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